少子高齢化と生産年齢人口の減少は日本経済をどのように変化させるのか?
私は、リフレ派の影響により、昔は緊縮財政による需要不足だけが景気低迷の原因だと考えていた。もちろん、長年のデフレは、需要不足が原因だったであろう。しかし、同時に、供給能力も減少していたのではないか、というように考えが変わってきた。
一部の経済学者は、日本経済の成長率を「生産年齢人口一人当たり」で換算すれば、アメリカと並んで先進国トップクラスだと主張している。つまり、わけのわからない新自由主義による「規制緩和が足りない」という主張は間違いで、単純に働く人が減少したことが原因と考えられる。もちろん、生産年齢人口が減少しても、女性の労働参加やシニア(65歳以上)の労働参加により、「労働参加人口」はつい最近まで微増が続いていた。しかし、日本はM字カーブで正社員を辞めて、パート労働になる女性が多い上に、シニアは体力やフレッシュな頭脳の衰えで、生産性は下がっていたと思われる。
さらに、高齢者が増えることは、介護需要の激増により、明らかに経済の生産性は下がる。別に、介護という仕事を悪く考えてはいない。介護は尊い仕事だ。しかし、労働集約的であり、科学技術が必要なビジネスではない。そのため、介護需要が増えると経済の生産性は下がると予想される。
また、労働供給の観点からも、少子化で若い人が減ると、新しいビジネスは厳しくなる。いくらリスキリングが叫ばれても、20代の若手社員と比べたら、最先端の技術を学ぶのはシニアは苦手だろう。シニアがAIを学ぶのは難しいだろう。そうした意味で、若い人口が多いインドや、移民受入で若年層も多いアメリカと比較して、日本はIT産業で不利であると考えられる。
まあ、これはあくまで私の仮説だ。これらを定量的に分析するのはかなり難しい。だが、ある程度当たっているのではないかと個人的には考えている。
仮説を立てておけば、経済学者が定量的に分析してくれた時に、答え合わせができるだろう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?