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【メンブレ注意】就職して3日目に母親が亡くなった話(その後編➁、四十九日まで)

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4月7日:この日は我が家の遺産問題を話し合いに弁護士事務所へ。20代後半ぐらいのクマさんみたいな雰囲気のパラリーガルの男性に案内されて先生のお部屋へ。

部屋に入ると、先生は私に「いいですか、あなたはまだ25歳と私がこれまで実務で見てきた中でもかなり若い部類の相続人です。しかし、あなたは成人でいわば跡取り娘なので、自分から主体となって戦わなければなりません。そのために、私も一緒に戦略を練るので、共に戦いましょう。その戦略を練るうえで、法律の勉強が必要です。」と仰せになりました。

その後、先生は私の前に有名予備校監修のテキストなどを私の前に差し出し、「これだけ勉強していただく必要があります。次回の面会までにここからここまで進めてください。」と宿題を出されました。おお、これが俗にいう「新人研修」というやつなのか?コッカラッショ!?まあでも、このぐらい勉強して本気で資格取ってもいいのかなぁ?

そして、先生は続けて山のような資料を我々親子にお見せになったのですが、書類の中に出てくる私のファーストネームに「氏」がついていて、成人したんだなぁ、社会人になったんだなぁと実感しました。(今更)

4月8日:午前中に母親が入院していた病院に行き、主治医の先生に保険金請求に必要な書類を申請、入院代のお支払いをしに行きました。死亡でも「退院」と表記されるの、幼いころから割と残酷だなぁと思ってたけど、改めてその立場になってみても普通に残酷だなぁ…。

このときに、担当の看護師さんから「よくお嬢さんの話されていましたよ、地頭は悪いかもしれないけれども、何かを頑張ると決めたらそこに向けて一直線に頑張ることができる。親が言わなくても、成人してもなお髪も染めず、酒、タバコ、夜遊びもしなくて、終電までに帰ってきてくれる、小学生みたいに親の買い物についてきてくれるって…。だけど、1個に集中すると他が見えなくなるから、私がいなくなったときに服を選べるかなと心配したり、おしぼり収集癖があるから、(病院の入院セットについている)おしぼりを取っておいてあげたら喜ぶかな…と言ったりしてましたよ。」と聞きました。25年生きてきて、褒められたことがなかっただけに、母親の知られざる一面を知った気分になりました。いい意味でです。

その後、午後にはこれから法事をお願いするつもりの教会に高校以来7年ぶりに訪問しました。主任牧師の方から、いわゆる法事はキリスト教式では「記念会」といい、神の御許に行けるお祝いをする日であるということ、いわゆる四十九日にあたるものは「三十日記念会」と呼ばれるとご説明を受けました。法要の正式名称までは高校までミッションスクールにいても初耳だったなぁ。

そして、さらに、主任牧師の方は記念会を開くためには、プロテスタントでもこの教会の宗派は死後洗礼も、遺族の洗礼も不要である(つまり、信者になる必要はない)ので、教会の委員会議で承認されれば執り行うことができるとご説明されました。これは希望が持てますね。その後、簡単に祈祷をしていただき、教会を後にしました。

4月9日:朝一番で教会から連絡がありました。記念会は満場一致で承認されたとのこと。ご無沙汰していたのにもかかわらず、お引き受けいただき本当にありがとうございます。

4月11日:この日はひたすら寝ました。17時間ぐらい寝ましたかね。

4月12日:ようやくお役所の書類に母親が亡くなったことが反映されたので、書類を一式取り寄せて保険会社に送付しました。書類の膨大な山を処理し、就職先で文字通り即戦力になれる気がしました。(勘違いも甚だしい)

同時に、母親が戸籍の上でもこの世界にいない人となったことを実感し、LINEも残っていて、病院前に行けば母親が手を振ってくれるんだろうなという感覚があるだけに不思議な気持ちになりました。

5月1日:この日は母親の召天三十日記念会を教会で執り行いました。父と私の2人だけでめちゃくちゃ簡素な式になるのかと思いきや、オルガンの奏楽奉仕に母親のママ友(私の幼稚園のPTAで仲良くなったらしい)、司会は主任牧師の方、その他多くの我々家族をよく知る教会員の皆様、幼稚園時代の知人にお集まりいただく壮大なお式になりました。聖書は「善きサマリア人のたとえ話」という他人への無償の愛と奉仕の重要性を訴える聖句が読み上げられ、説教(聖句の解説)は母の生前のエピソードを日野原重明先生の「命の話」や読み上げられた聖句に絡めて進めていただきました。祈祷も入れて1時間強のお式になりました。

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教会からかなりご無沙汰していたのにもかかわらず、こんなに立派な式にしていただいたこと、GWの時期にお集まりいただけたこと、お花料までいただけたことに感謝しております。本当にありがとうございました。

感動冷めやらぬうちに、前回の記事の火葬前に登場した、ドラゴン桜1の矢島くんみたいな雰囲気のお坊さん(以下、矢島くん)から電話がありました。矢島くんは四十九日の打ち合わせと白木の位牌を黒い位牌に変える話などをしてきました。しまった、キリスト教式でやるんだとしたら、宗教のダブルスタンダードは道徳的にアウト過ぎる…。とりあえず、四十九日は事情を話してお断りするとして、矢島くんが授けた白木の位牌をどうするか問題は自己解決しなければ…と思い、お焚き上げについて調べると、相場が3~4万円也。ご縁のないお寺に依頼したところで、3~4万払うよりも前にお引き受けいただけるのかという不安も襲ってきました。ここで、ピンチヒッターが私の脳内に現れました。それが、婚活10年選手の末にスピード結婚からの出産をした女性(以下、婚活女性)の御父上でした。というのも、御年80歳になるこの御父上は超小規模のお寺のご住職なのです。

早速婚活女性に事情を話してLINEを入れてみました。すると1時間以内にお返事が。どうやら、婚活女性が生前婚活のあれこれで母にお世話になったということで、御父上が2つ返事で、しかも無料で引き受けてくださったらしいです。ありがとうございます。

(流石に無料は申し訳なさすぎるということで、後日、皆様から頂いた香典やお花料返しを買うついでに、デパートで4万円相当のお菓子やお茶、その他食品を購入し、婚活女性のご実家に送らせていただきました。)

5月3日:葬儀にお越しいただいた母親の友人の三姉妹と食事会をしました。故人の話で盛り上がった後、我々は母親とよく出かけたショッピングモールに向かいました。就職祝いということで、ハンコセットを買っていただきました。三姉妹の皆さんから見たらたかが友人の娘に、孫みたいなノリで贈り物をしていただき、ありがとうございます。

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5月4日:この日は婚活女性、会計士の男性(婚活女性と会計士男性については、母親が三姉妹の長女と出会った基金訓練とは別の基金訓練で出会い、10年ほど親交がありました。)と食事会。

そして、婚活女性に白木の位牌を託しました

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5月8日:お昼過ぎに婚活女性からLINEで連絡をいただきました。どうやら、ご主人と生まれたばかりのご子息、婚活女性のご両親と母の白木の位牌をお焚き上げをしたらしく、お焚き上げの様子の動画が送られてきました。GW最終日にもかかわらず、ご対応いただきありがとうございました。

5月22日:この日は四十九日。キリスト教式で法事を済ませたため、特に何もしませんでしたが、高校時代までのように隔週で教会に行くと父と決めたので礼拝に出席しました。結局私は煩悩の塊というか、キリスト教でいうところの「罪人」なので、教会で社内試験に向けて神頼み。(後日、この成果が出たのか、3割取ればいいと言われているところをほぼ満点でパスできました)

礼拝後、上島竜兵の訃報の続報をテレビで見ながら、母親はあの世で何をしているのかなと考えていると、婚活女性からLINEが。どうやら、うちの母親が夢に出てきて「好きなこと、楽しいことを見つけて今日からやりなさい。」と言っていたとのこと。それならGo to MBAや資格試験、仕事に全力で頑張ろう、たとえその過程でキャリアが中断したとしても、最終的になりたい自分になろう、31歳で早稲田を卒業した人みたいな生き方をしたい、25歳修士卒独身新入社員女、コッカラッショ!!!そう心の中で決めたのでした。なお、今そのmbaの出願段階の推薦状依頼のお返事が大学・大学院時代の先生方からいただけておらず、やきもきしていますがw

長くなりましたが、ここまでが去年の4月ごろから四十九日までの一連の流れでした。

次回の記事では、やっておいてよかったこと、やっておけばよかったことをまとめておきたいと思います。

最後に、母親との思い出の写真を張り付けておきます。ここからは有料ゾーンになりますが、いただきましたお金は今後の法要関係に利用させていただきます。

ラスベガスのオールドダウンタウンエリアの某ホテルのビュッフェ。母親は肉が好きじゃないのですが、シーフードもそれなりにあって大満足。

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