九頭龍サクラ

「王様は、はだかだ!」 個人の現時点での見解であり、所属する組織とは関係がありません。…

九頭龍サクラ

「王様は、はだかだ!」 個人の現時点での見解であり、所属する組織とは関係がありません。              ていうか所属する組織にはたぶんこういう視点はないです。

最近の記事

日直は一人

今年度のチャレンジ、ご紹介その2は 日直は1人にした。全国小学校の学級では、毎日「日直」を2人体制でまわしているところが圧倒的大多数だと思います。 サクラ学級はかつて「日直」をグループにしたり、そもそも日直制度をやらない、という大胆なチャレンジをしたり、という年度もありました。 でも、今年度は新型コロナ対応で、例年以上に「学校・学年の足並みをそろえる」という縛りがたいへんに強いのです。 普段からただでさえ目立つサクラ学級ですので、まあ少しでも他のクラスとそろえられるもの

    • 背の順をやめた

      感染症対策を遂行しつつ、今年度もいろいろチャレンジしています。 その一つ。 クラスで並ぶときに、 背の順を、やめた。 体育の時間は、ペアで活動するときに体格差が大きすぎるとうまくいかないことが多いので背の順を使いますが、それ以外は、背の順という並び方を全廃します。 そもそも、日本の学校って、並ぶ時にどうしてなんでも「背の順」なんだ? 「大きい人が前だと、後ろの人が黒板が見えないから」 という答えが一般的です。でもそんなの、席をずらして見える位置にいけばいい。それよりも

      • 広田照幸(2019)『教育改革のやめ方』岩波書店

         っというわけで、「一日一冊主義」はあっけなく終わっていた九頭龍です。本1冊といっても、新書や実用ポエムから分厚い研究書までいろいろありますから、あたりまえですが1冊の内容の濃さも読むのにかかる時間もちがいますよね。なんでも一日一冊読めばいいってわけでもないので。  それにつけても、最近の教員向けの、いわゆる「教育書」の薄っぺらさといったらないです。ツイッターで何千フォロワーやら自称教育系YouTuberらの出す本の、中身のないこと。 教育についての理念も信念も全くあったも

        • 「保育」と「教育」のちがいって何?

          ただいま「一日一殺」いえ「一日一冊」読書を絶賛励行中です。 今日は津守真(1997)『保育の地平ー私的体験から普遍に向けて』(ミネルヴァ書房)を読みました。 以下引用です。 「子どもは、身体的行為によって、人生を探求している哲学者である。傍にある大人は、その行為を自分に置きかえ、その意味を深めるとき、子どもの内奥の世界に応答する者となる。日々の保育によってそれは確かめられ、新たな展開をするので、毎日子どもにふれることができるときは妥当性が増す。」(p.96) 「子どもと

          「ピンチはチャンス」になるか?

          休校さわぎで、今まで当たり前に行われていたことが本当にいろいろ見直されているようです。 たとえば 書きましたけど、「オンライン学習」(サクラ造語だと「テレスタディ」)。学校なんか行かなくても勉強できるじゃん、って。 ZOOMというテレビ会議のシステムも、大繁盛のようですね。「便利すぎる」「今後もういろんなゼミや会議は、わざわざ集まるのは激減するだろう」との声が多数。 で、卒業式も、かなり簡略化されることになってますね。 予行練習すらなくなりました。 これまで毎年やってき

          「ピンチはチャンス」になるか?

          本の感想 青山由紀(2019)『「かかわり言葉」でつなぐ学級づくり』東洋館出版社

           最近LGBTの権利が主張されて市民権を得るようになり、学校教育でも積極的に扱われるようになっています。でも、はっきり言えば、日本の教員は根本問題である「男女差別」から逃げています。  学級経営に関する書籍は多いです。星の数ほどあります。でも、9割9分、著者は男性です。女性の単著というのはほとんどありません。管理職の女性割合よりも断然低い割合です。  そんななかで、めずらしく女性の単著を見つけましたので、読んでみました。それが本書です。  近年の教育書の流行どおり、オビがや

          本の感想 青山由紀(2019)『「かかわり言葉」でつなぐ学級づくり』東洋館出版社

          もし70代孫アリの私が新型肺炎にかかったら。

           新型ウイルスが、人類史上最高の科学技術をもって探し回られていますね。これだけ探したら、見つかるのは当たり前ですよね。  ひと昔前だったら、「悪い風邪が流行っているみたいね」「最近おじいさんやおばあさんがよく亡くなるみたいね」って話で済んだのではないでしょうか。  私は専門的な知識はマッタクないので憶測にすぎませんが、「新型」のウイルスが見つかるのって、べつに今に始まったことではないのではないでしょうか。つまり、人類始まって以来、常に常に、「新型」のウイルスが登場し続けて

          もし70代孫アリの私が新型肺炎にかかったら。

          本の感想            森口佑介(2019)『自分をコントロールする力』

          これまで、 「したくないけれど、しなければならないことをする」 「したいけれど、してはいけないことをしない」 という責任を果たすように勇気づける、とならってきました(野田俊作(2016)『パセージ・プラス』2.0、21-R)。 この本を読んで、それって「実行機能」という非認知スキルのことだったんだな。と納得しました。 ただ、よくわからないところがありました。 この本では、実行機能を2つに分けています。「感情の実行機能」と「思考の実行機能」です。 感情の実行機能は、目標

          本の感想            森口佑介(2019)『自分をコントロールする力』

          「ネットで十分、学校はいらない」は本当か

           学校の休校騒ぎで、ネットを利用して子どもが自宅で学習するスタイル、「テレワーク」ならぬ「テレスタディ」が進みそうである。商機到来とばかりに、各企業がこぞってオンライン学習サービスを無料で提供している。  「もっと前からGIGAスクールを進めておけばよかった」「家で自分のペースで勉強できるんだから、学校なんていらないんじゃね?」と発言する人が、あろうことか教員の中にもいる。  「テレスタディ」を礼賛する人たちは、学校の機能を(狭い意味での)学習の場としか見ていない。だが、

          「ネットで十分、学校はいらない」は本当か

          学校というのは大きい子用の保育所

          ・・・と30年以上前に指摘したのは、野田俊作・萩昌子『クラスはよみがえる』(創元社)です。引用します。 「世間の親たちが学校に何を期待しているのか、実は、私たちにはよくわかりません。「子どもたちに勉強させること」という答が返ってきそうな気がするのですが、それは、ほんとうは子どもの需要であって親の需要ではないように思うのです。(中略)  それでは親の本当の需要は何か?私たちも子どもの親ですので、私たちなりに考えてみますと、学校の第一の効用は、子どもたちをあずかってくれること

          学校というのは大きい子用の保育所

          スウェーデン雑感(2)子ども

          とにかく「子どもに金をかけている」スウェーデン。 学校のスペックがやたら高いです。 学校はもちろん無料。給食も無料。 (給食は、今まで見たイギリス、オランダやフィンランドのものと比べて圧倒的に品数が多く、豪華でした。ビュッフェ形式なので取り放題。) 設備がきれいで、とってもおしゃれ。インテリアがどこもすてき。 日本では学校=「ボロい」が当たり前なのとあまりに対照的です。 遊具などは木材や土を生かし、自然の中での活動を大切にしている。 寒くても必ず外に出て遊ぶ。外ではみん

          スウェーデン雑感(2)子ども

          スウェーデン雑感(1)キャッシュレス

          スウェーデンに行ってきました。 わたしは海外旅行は今まで4〜5回くらいしか行ったことがありませんが、今回初めてのことがありました。 それは 「現地通貨(キャッシュ)を一切触らなかった」!! いや〜、どこへ行っても、支払いはすべてカードでした。 これからスウェーデンに行くみなさん、現金の両替は一切不要ですよ! カードは磁気のものだと使えない場合も多いので、チップ入りのものがよいです。 そのうえ、みなさん新型カードも使っていました。 Wi-Fiマークを横にしたような

          スウェーデン雑感(1)キャッシュレス

          「教員のメンタルヘルス」(2)

          ・・・「教員のメンタルヘルス」第2回授業後に作成したレポートです。・・・

          ¥100

          「教員のメンタルヘルス」(2)

          ¥100

          「教員のメンタルヘルス」(1)

          日本のガンバリズムは学校が作っている ー「皆勤賞」はなぜやめられないかー  授業で筆者が「皆勤賞撲滅運動」についてお話ししましたところ、多くのみなさんに賛同をいただきました。これは予想外のことで、正直なところ驚きました。なぜなら、これまで筆者は皆勤賞のデメリットについて勤務校で毎年毎年先生方に説明し、やめるように何度も提案してきましたが、すべて却下されてきたからです。勤務校では全面的に賛成してくださる先生は皆無で、「うーん。でも、今までやってきたしねぇ…。」「他の学年がやって

          「教員のメンタルヘルス」(1)

          南の国の幸福度

          ナウル共和国という小国が南太平洋にある。人口約1万人。 この国は、リン鉱石の産出によって巨万の富を得て、国民は医療費・教育費・光熱費はもちろん、税金すら無料。さらにはベーシックインカムとして全年齢層に給付を行なっていた。労働人口の10パーセントが公務員、90パーセントが無職だったという。 1990年代からリン鉱石採掘量が減少、21世紀に入るとほぼ枯渇状態となった。国内経済は崩壊。すると、海外からの資金流入と国際金融業の参入を狙ってほぼすべての規制を撤廃してマネーロンダリングの

          南の国の幸福度

          「学校の国際化比較研究」その2

          ・・・中学校夜間学級と日本語指導通級教室を参観しました。提出したレポートです。・・・ 1 訪問先について (1)A市立B中学校夜間学級  弁論大会と通常の授業をそれぞれ参観させていただいた。様々な国から来日した若者が一生懸命学習する姿や、彼らをあたたかく支援する先生方の熱心な姿は感動的であった。  生徒の国籍は年々変化があるそうで、以前は中国籍の生徒が多かったが現在はアフガニスタン出身の生徒が多いとのことだった。ただ、日本国籍の生徒が全くいないかごくわずかであることはここ

          「学校の国際化比較研究」その2