見出し画像

なぜ、帽子をつくる仕事?①

そもそもなぜ、帽子という業界を選んだのか?

よくそんなことを聞かれます。
帽子が好きだから。もちろんそれはあります。
服より好きです。だって服を変えるより、帽子を変えた方が
イメージがガラッと変わるから。

でも服飾系の勉強はしておりません。
たぶんほとんどの人が服飾専門学校とかに行って、その中のクラスで
帽子などの服飾雑貨やテキスタイルクラスを選択するという流れが
多いような気がします。
私が企業の企画室で働いていた時にいた周りの人はほとんどそうでした。
ではなぜ、帽子になったのか。過去に遡って考えてみました。

自分の将来を初めて真剣に考えた高2

とくに何も考えず、公立高校の普通科に入学し、適当に勉強し、
深く考えずに高校ライフを楽しんでいたのですが、
高2の途中でみんなが大学受験モードになった時、急に不安が襲う。

このまま適当に勉強して、どこかの大学の適当な学部に入るのか?
そこでは何を勉強するのか?全然想像つかない。
そのままサークルとかで楽しく遊んで、大学卒業して、適当な会社に
就職する?で社内恋愛して結婚して主婦になる???
なんか違う。旦那に稼いでもらうだけじゃなくて、自分も仕事したい!

大学は専門的な勉強をしたい!本当に学びたいことを勉強したい!

そう思った私は選択肢を3つ挙げた。

  • ディスプレイとかインテリアとかデザインとかを勉強してみたい

  • 美容師になりたい

  • ダンスをしたい

高校生が突然考えることなんて、こんなもんです。
ざっくり。全然現実なんて見えてません。笑
でも飛び込む時はそれでいいんです。
今思っても安易な考えでしたが、進路希望の提出が迫る中、
この3パターンを母に言ってみたら、頭を抱えておりました。w

  • ディスプレイとかインテリアとかデザインとかを勉強してみたい

  • 美容師になりたい

  • ダンスをしたい

まず美容師とダンスは速攻で反対。消去。
専門学校なんてダメ。と一喝。
ですよね・・・。なんとなく楽しそうだなーという軽い考えだった
のはバレバレ。実際これらを仕事にするのはとっても大変ですよね。
母はきっと見透かしていたのだろう。私のミーハーな考えが。

ディスプレイとかインテリアとかデザインとかを勉強してみたい
唯一ここだけ家族会議になりました。)
父が帰ってきた時に、学校の美術で描いた絵を見せなさいと言われ、
見せると、本当になりたいなら芸大を受験しなさい。と言われました。
短大はダメ。4年生の芸大にしなさい。
これが条件でした。

この時、父はどうせ芸大なんて全部落ちるだろうと思っていたと
後から聞かされましたが、とにかく娘の本気を試したんだろうなと
今は思います。

芸大受験はとにかく大変だった。。。。
受験勉強さえも絵を描くなら楽しいのかも!
なんて気持ちは芸大美大受験用のアトリエに入って一瞬で消えました。

一生懸命描いたものを、先生にケチョンケチョンに言われて泣いて帰ることもしばしば。笑
徹夜で絵を描くことなんて当たり前。
高熱出しながら合評(プレゼン的なこと)もしばしば。

部活の後にアトリエに行き、アトリエから塾の自習室で勉強。
22時過ぎに帰ってからまたデッサン。死んだように寝る。

学校では自習の時間は色彩構成の宿題。
みんなセンター試験に向けて勉強してるのに、
教室で一人だけ絵具で絵を描く様子とか思い出すと笑えますが、
そんなこと気にならないくらい必死でした。

毎日、毎日
デッサン、色彩構成、デッサン、色彩構成、デッサン、色彩構成・・・・・
思い出しても苦しくなるけど、青春でした。

この頃の話は長くなるのでまた別で。

芸大生の頃はとにかく迷っていた

晴れて希望大学に入学した私は芸大生となり、ワクワクしていた。
しかし、現実は厳しかった。

当たり前だが、周りはみんな感覚やセンスが優れている人ばっかり。
一所懸命食らいついていくが、思い通りにいかず、
自分の未熟さを思い知る毎日。
自分は何を表現したいのか?
自分の個性とは?
自分だけの感性とは?

そんなことに毎日追い詰められて、自分という人間と向き合う日々。

しかもこの頃、中国に単身赴任した父が音信不通。
学費だけでギリギリだった我が家の経済状況。

学費を払ってくれた親には今でも感謝しかない。
でも芸大生は学費だけでは作品は作れない。
授業料とは別に画材代がかなりかかるのだ。

・1本400円くらいするマーカーを70色ほど買って仕上げなといけない課題。
(鬼だと思った・・・。お金持ちの家がまぶしかった。)
・パソコンやソフト
(父がPC買ってくれると言って、ついて行ったら自分でローン組まされた。40万。Mac G4)
・模型の材料。
・毎日の食費。
・友達と遊ぶお金。(飲み会だけは参加したい)

バイトしてもバイトしても全部画材代に消えてゆく・・・・。
とにかく貧乏学生でした。
バイトを掛け持ちして、課題は徹夜でやって、飲み会は参加したくて、
また寝ずにバイト行って・・・
最後は血尿出て、限界だな。とバイトは一つに絞りました。

長くなったので、続きはまた!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?