認知症介護日記64 「祖母の言葉」

今日は時間があるので、本日2つ目の投稿をする。
数日前、夜に僕がシャワーを浴びて脱衣所にいる時に祖母と父が僕の話をしていた。

「〇〇ちゃんは本当に優しい子。あの子が色々してくれたから、私はここまでこの家で暮らすことができた。」

まさか、あの祖母の口からこんな言葉が出るとは思わなかった。
これまで僕は祖母にたくさん尽くしてきたが、ありがとうをはじめとする感謝の言葉を祖母の口から聞いたことがなかった。今回は僕がいないところでこの言葉を言っていることから、もしかしたら裏で僕の話をたくさんしているのかもしれない。

またこの言葉を聞いた時、僕は嬉しさを感じた反面、悲しい感情に襲われた。
昨年の春に祖母と暮らし始めて以来、僕は祖母に対して何度怒鳴ったり、怒ったりしただろう?

祖母の介護をするまで、僕は1度も誰かを怒鳴ったことがなかったのに、祖母と暮らした約1年半の期間で、おそらく一生分の喜怒哀楽の「怒」の感情を曝け出してしまった。介護の限界で祖母に手をあげる、などは流石にしなかったが、僕は祖母に対して怒りをぶつけた後に「介護経験は自分の性格をここまで変えてしまったのか…」と思い悩んだことが多々あった。

P.S. 祖母の言葉で嬉しい気持ちになったと書いたが、この言葉で全てが報われた気持ちになったわけではない。認知症介護ならではの辛さ、20代前半で介護をメインでしているという事情ならではの辛さ、認知症どうこう関係なく昔からの祖母の性格が関連した辛さ、それらの辛さから今回報われた気持ちを引いたとしても、「とにかくキツかった」という感情が勝り、僕の人生の出来事で認知症介護という経験=ネガティブなものとして残り続けると思う。

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