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【緊急企画】今、大学お笑い界がアツい!vol.1「NOROSHI」って何?

コロナウイルスの影響で大打撃を受けるエンタメ業界。お笑い界も例に漏れず、やむを得ず中止に追い込まれるライブが後を絶ちません。そんな中、『東京で考え中』では本日3月2日ルミネtheよしもとで開催予定だった『NOROSHI2020』の緊急特集を企画。今回は第1弾として、学生お笑いの解説に加え、NOROSHI2020の決勝進出が決まっていた学生のインタビューを一部公開します。

最近よく聞く「学生芸人」とは?

東京のライブシーンで話題になることの多い「学生芸人」。彼らは大学のお笑いサークルで「芸人」として活動している学生です。在学中・卒業後にプロとなった場合、養成所を卒業して初めてプロとなった芸人などと区別して、「大学お笑い出身」、「学生お笑い出身」などと呼ばれます。以前『東京で考え中』で取材した中にもさすらいラビー真空ジェシカストレッチーズラランド怪奇!どんぐりRPGサツマカワRPGなど、学生お笑い出身芸人が多く存在します。

そんな学生お笑いシーンで欠かすことのできない話題が「大学芸会」「NOROSHI」のふたつの大会です。とはいえ、お笑いファンでも「大学お笑い」に関わりがないと、どんな大会なのかよく知らないという人も多いのではないでしょうか。今回は大学芸会とNOROSHIについて解説していきます。

大学芸会とNOROSHI

2011年に始まった大学芸会。各大学でお笑いサークルが活動の幅を広げる中、「各お笑いサークルの現役部員とOBが協力して企画・運営し、参加者全員が喜べる理想の大学生芸人のお笑い大会を作る」という目標のもとで開催されたのがこの大会です。(参照URL:https://daigakugeikai.wixsite.com/owaraicircle
この大学芸会、翌年からは個人戦・団体戦に分けて実施されるようになり、15年になると規模も拡大。株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー(現・吉本興業)、株式会社電通および大学サークル専用アプリ「サークルアップ」の協賛を受けて、団体戦は「NOROSHI presented by 大学芸会」として開催されるようになりました。

個人戦は名前の通り、コンビやトリオ、ピン芸人などさまざまなスタイルの学生芸人が一堂に会して優勝を決める大会です。一方の団体戦では、サークル内で数名のチームを組み、漫才・コント・ピンの3種目を合わせて総合的に戦うことが特徴です。

予選は観客投票の得票率、決勝は構成作家など有識者の審査員3人の300点に、観客の得票率を換算した100点を合わせた採点形式となっていて、優勝したチームにはサークル活動費30万円・NSC特別奨学金など豪華な商品と、「全国イチ面白い」サークルであるという名誉が与えられます。
プロを目指す芸人にとっては登竜門として、そうではなくとも学生お笑いの集大成として、特別な存在となっているのが「NOROSHI」なんです。

NOROSHI予選がスタート、しかし…

今年度のNOROSHIも2月から予選が始まりました。熾烈な準決勝、敗者復活戦を経て、決勝に残ったのは168組中わずか8組。この決勝は3月2日、多くのプロ芸人が笑いをとってきた大舞台・ルミネtheよしもとを会場に行われる予定でした。しかし新型肺炎の流行を受け、開催は中止に。公式サイトには「他社との共催公演または他社主催の弊社タレント出演イベントにつきましては、関係各所と協議のうえ判断してまいります。」との記載もありますが、現状では「公演中止」という事実のみが記載され、延期開催等の情報はありません。(2020/3/1現在)

厚生労働省からのイベント自粛通達もあり、関係者の安全を確保する意味でもNOROSHI決勝の中止はやむを得ないと思われます。とはいえ、厳しい予選を勝ち上がって来た学生たちの、今しか見ることのできないお笑いが全く無かったものにされるのはいくらなんでも心苦しいと感じました。せめてもの気持ちで決勝進出が決まっていた学生たちの声を紹介したいと思い、NOROSHI 2020決勝進出チームのメンバーに緊急アンケートを実施しました。まず本日はその一部をご紹介します。是非ご覧ください。

決勝出場チームの率直な気持ち

決勝出場チーム一覧スクリーンショット 2020-03-01 18.05.18

Q.NOROSHIへの意気込み、NOROSHI中止にあたっての率直なお気持ちを教えてください。

◇侠客◇

今のところ「ルミネに立ったことがない人生」になってしまうのが悔しいです。
【埼玉大学4年/経商法落研・埼玉大学お笑いサークル無印/河野紘周(わりばしペロペロズ)】

ちょうどLUMINEでやっておきたいネタがあったので残念です。
【獨協大学4年/経商法落研・獨協大学お笑いサークルルナジリオ/ニシブチ(ヤスクニ)】

圧倒的な力で優勝したかったです。中止になって様々な気持ちがありますが、単にコロナだけではなくその背景にある多くの影響を考えると仕方ないと思いました。 それでもなぜ今年なのか、なぜ自分たちの時なのか。 去年ルミネを経験した自分たちと違って、4年間ルミネだけを見続けて、今年4年目にしてやっとそれを掴み取ったという人がたくさんいます。 それを考えると心が痛いです。
【日本大学4年/経商法落研/北川遼(ヤスクニ)】


◇おしり◇

決勝が中止になったことは残念ですが、ある程度覚悟はしていました。状況が落ち着き、日を改めてルミネで開催されることを願っています
【法政大学3年/HOS/堀越大海(ビデボーイズ)】


◇チームテリー・ザ・キッド◇

自分が1年生の時にNOROSHIの決勝を見に行った際に、ネタの多様性や面白さ以上に、来年から会社勤めを始めるであろうただの大学生が、これまで積み上げてきた自分達の全てを出し切ろうという、プロの芸人とはまた違った凄みを持っていることに感銘を受け、その姿に憧れ決勝を目指して頑張ってきたので、中止と聞いた時は膝から崩れ落ち、一筋の涙が頬を伝っていきました。
【立教大学4年/LUDO/中山将吾(リンドバーグ )】

大会は様々あるお笑いの中の一種の競技にすぎなくてそれが全てではないと先輩から言われていてその通りだと思いますが、やっぱりノロシは特別です。大学の4年間を捧げるのに十分すぎるほど熱くて難しくて面白いと思います。そもそもよしもとさんが与えてくださった舞台ではありますが、中止になってしまったのは残念です。
【早稲田大学4年/LUDO/舛谷建(リンドバーグ)】

サークルの先輩が優勝するのを観ていたり、ルミネのネタ動画を見て入部を決めたりしているので、4年生の時にルミネの決勝に立つ、というのが大きな憧れでした。同期のリンドバーグは2年生の頃から毎年同じチームで引っ張って貰ってきたし、ラスカも思い入れの強いコンビなので最後の年にこのチームで決勝に行けたことも個人的に尚更嬉しかったです。最悪の事態として中止は想像はしていましたがいざ実際になると衝撃的でした。
【早稲田大学4年/LUDO/玉井星音(ラスカ)】

決勝のOP映像に出るのが昔からの夢だった
【日本大学3年/LUDO/加藤俊甫(ラスカ)】

予選、準決勝とネタが満足にウケず、決勝で悔いを晴らそうと思っていたので残念
【早稲田大学3年/LUDO/都築聡司朗(マウスジャズピアニスト)】


◇ワールドレコード◇

夏の大会が終わってすぐチームを固めてとにかくNOROSHI決勝を目指して活動をしていた。新ネタ3本ライブを主催したり、ライブにたくさん出てネタの調整をしてきた。ネタについての細かい話し合いも何回も行った。その結果ようやく4年間目指していた決勝にたどり着くことができたので、中止になったのはただただ残念で仕方がない。学生芸人にとってNOROSHI決勝はルミネと華やかな演出でネタを披露できるご褒美のようなものでもある。特に今年の4年生の出場者はプロに行く人は殆どおらず、ほとんどの人にとって「真剣にやるお笑い」の集大成がNOROSHI決勝だった。4年間必死に打ち込んできたものなので、それを披露できる大きな場がなくなってとても残念。
もともとNOROSHIは有志でやっていた大学芸会団体戦が先にあって、それに吉本が目をつけて現在の形になっている。現在の新型肺炎による自粛ムードのなかでも、学生お笑いのNOROSHI決勝以外のライブは劇場側の問題以外では特になにも変わっていない。吉本や電通が絡んでいるNOROSHI決勝は現在の状況で開催できないのは重々承知だが、「大人」とやることで色んな要素が増えて決勝ができないというケースになるならば、今後ルミネを捨ててでも元の形の有志のみでやるという選択肢もあるのではないかと思う。
【慶應義塾大学4年/O-keis/水島龍(ブラウン管ベイビー)】

尊敬する人たちの中で、最後まであがいていたかったです。一発ギャグのベストアルバムを最高の環境でさせていただいている、そんな幸せな空間が映像として残るのも楽しみでした。
【慶應大学4年/O-keis/長谷部佑也】

優勝を目指していました。とても気に入ったコントをいくつか作れたので、大きい舞台で出せるのが楽しみでした。大会の決勝には過去一度も出たことがなく、出ることの現実味がなかったので、なくなったことの現実味もあまりありません
【中央大学4年/O-keis/山口昌(マヤ)】


◇チーム山桜◇

大学お笑いの大会としてとても夢のある大会でもあるので、自分のお笑いで少しでも盛り上げれたらと思っていました!今後プロ芸人になる予定なので、プロ芸人になってもこの大会のおかげで今の自分があると感謝を多くの人に伝えれたらなと思ってます!中止に関してはしょうがないと思ってます!死んだら終わりなので!ネタをやりたい!といつまで経っても駄々をこねていたら先に進まないのでまたゼロから頑張りたいと思っております!
【創価大学4年/創価落研/わせお(わせお⭐︎ミレニアム)】

最初は出るつもりはありませんでした。去年ひどい負け方をして、一年越しにやっと気持ちの整理をつけたときに、後輩からのチームを組んでほしいと申し出を受けとても悩みました。しかし、創価大学落語研究会を勝たせたい、去年の自分が無駄じゃないことを証明したい、チームのみんなを勝たせたい、お世話になった先輩後輩同期両親など周りにいる人々を喜ばせたいという思いから出る決意をしました。今まで一度も決勝に上がることがなかったので本当に嬉しかったし、自分のしたいことを実現できると思った矢先の中止で本当に悔しいですが、去年一度負けた身なので、これから社会に出た後しっかりと感謝をみんなに伝えられるような人になるために努力をし続けたいとも思いました。
【創価大学4年/創価落研/齋藤美音(アップカミング)】

NOROSHIの決勝、ルミネtheよしもとの舞台で漫才をして、観に来てくださったお客様や今までお世話になった方々など、たくさんの方に結果やネタを通して喜んで頂くことが、大学生活4年間の1番の夢でした。むしろこのために落研をやってきたと言っても過言ではないので、NOROSHI決勝の中止は非常に残念です。 しかし、この件に関しては誰も悪くは無いし、いくら悔やんだところでどうしようもない事なので、 今はむしろ、このような誰にも出来ないような経験を出来たことに感謝しています。
【創価大学4年/創価落研/中村桜(アップカミング)】

3年生が、この創価落研で3年間やってきたことが、結果という形では証明できなかったことが悔しいです。後輩のことを思うと、やるせない気持ちでいっぱいです。
【創価大学4年/創価落研/小久保晴美(アップカミング)】

もちろん優勝したいという気持ちもありつつ、チームで共通していたのは自分たち自身が楽しそうにネタをやっている姿をお客さんに楽しんでもらうというのを目標にやっていました。なので中止ということはびっくりしましたし、ショックでしたが自分的にはルミネに立てないショックだけであり、後輩たちに創価落研の人が決勝の舞台に立っているところを見せられなかったのが悲しいです。
【創価大学3年/創価落研/宮澤正伸( ゴッドマザー)】

ルミネで関わってくださった人たちにネタを見せて感謝を伝えたかったので、非常に悲しいし、悔しい気持ちでいっぱいです。せめて、勝ち負けで悔しくなりたかったも思います。
【創価大学3年/創価落研/両星雄大(ゴッドマザー)】


◇チーム故郷◇

NOROSHI決勝中止を聞いたときは、「まあそうなるよな」と落ち着いていたように思います。感染症拡大のリスクを考えると当たり前の判断だと思いますし、他の場所も続々と営業を中止していることもあり、3/2に行うことは難しいという覚悟はしていました。しかしながら、やはり悔しいし悲しい、どうにも居た堪れない。学生生活最後の1ヶ月すべての楽しみが、もうどうでもよくなってしまう気がしました。仕方のないことだからこそ、この感情を誰にも向けることが出来なくて、混乱してしまっています。"中止"ではなく、何かまだあると信じて今を過ごしています。 それほどまでにNOROSHIは我々にとって重要なもので、大切なものです。本気で取り組んだから、ここで終われない
【日本大学4年/文理落研/山脇由衣(リ・トゥミ)】

NOROSHIに向けて2ヶ月以上準備してきたので、決勝直前での中止は非常に残念です。是非、別日で公式にやってほしいです。
【日本大学4年/文理落研/馬場竜平(リ・トゥミ) 】

今まで何の為にやってきたのかわからない。
残念とかでもなく、まず受け入れられない。
【日本大学4年/文理落研/小野翔太(無味無臭)】

残念です。その言葉でしか言い表せません。一年準備してきたものが0になってしまうのは悔しくて仕方がないです。
【日本大学4年/文理落研/鷹林達哉(無味無臭)】

まだ受け入れることができていない
【日本大学3年/文理落研/石丸波大(石丸怪奇)】



◇世界一難しい恋◇

先ず感じたのは、やっと決勝上がれたのに、という気持ちでした。 木曜会Zとしては2017以来決勝に進めておらず、他大の同期などに「木曜会は弱くなった」と言われるのが本当にずっと悔しかったです。それを踏まえての4年生、この同期5人で決勝に行って優勝してやるんだ!と意気込んでいました。 ルミネでネタをやる、3分間のために4年間を費やしてきました。誰かが悪いというわけではないと、頭で分かっていても、その4年間分が全て消えてしまったような気がして、本当に言葉にできない気持ちです。
【明治大学4年/木曜会Z/藤田章一郎(ケースバイケース)】


◇チーム牛王◇

例えば娘が交通事故で死んだ時、こんな気持ちになるのだろうと思いました。
【早稲田大学3年/LUDO/原本航(夜隊屋台)】

コロナウイルスの影響もありしょうがない部分もあるが、1年生の頃からルミネでネタをする先輩達の姿を見ていました。絶対に同じ舞台に立ちたいと思っていましたが1、2年生の頃は結果が出せずにいました。やっと今年憧れていた舞台に進むことができたので非常に残念。
【帝京大学3年/LUDO/関豪太(ペパロニ・せきんにくん)】

ルミネでネタをやる為に一年間頑張ってきたのでとても残念。今年で卒業してしまう四年生のことを考えるといたたまれない気持ちになる。
【早稲田大学3年/LUDO/都築聡司朗(ペパロニ)】

絶対に決勝に行きたいと思っていました。中止はただただ残念です。チームに卒業生を1人含むため、もうこのチームで舞台に立つことはできないと思うと悲しいです。なんとか延期にできないものかと考えてしまいます。
【早稲田大学3年/LUDO/所萌(ペパロニ)】


いかがでしたでしょうか。残念という気持ちだけではなく、「受け入れられない」「延期でも開催してほしい」という声も多く聞かれました。しかしこの春卒業して社会人になる4年生も数多くいるため、残された時間は多くはありません。果たしてNOROSHI2020の延期公演はあるのでしょうか。『東京で考え中』は今後の動向もチェックしていく予定です。NOROSHI2020にまつわる学生アンケートは近日中に第2弾を公開致します。様々な思いを聞かせていただきました。ぜひお楽しみに!!


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