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聴く、鳴らす

ご覧頂きありがとうございます。

ダンスの講師をしていると、もっと上手く踊りたい。なにかアドバイスを下さい。と言われることもあるし、なにより自分自身も強くそう思っている。

そこで、生徒に
「どうしたらもっと上手く踊れるようになると思う?」
そんな質問をしてみた。

返ってきた答えは
「上手く音楽に合わせる」
「キレキレに動く」
「大きく動く」
などが返ってきた。

どうしても「音楽に合わせる」という言葉が引っかかってしまった。

ダンスの起源は儀式や祈り、感情を現す表現として音楽が出来る以前からあったと言われている。

まだまだ歴史の浅いストリートダンスも様々な社会背景からの主張や訴えからムーブメントが起こり、更には自分なりの表現というのが前面にある。

音楽に合わせるというのが、先行してしまうと自分の気持ちや表現するという感覚が薄れて
「合わせなきゃいけない」
「間違えないように」
という思いが強くなってしまう。

現に
①このリズムに合わせて頷いて
②よく音楽を聞いて(どんな音がしているか、どんなリズムがあるか、どんな声が聞こえるか)

と2パターンで伝え方を変えてみた。
①では、リズムに合わせられない、動きが硬く不自然な頷きになってしまう生徒が数人いた。

②では、自然と全員が同じリズムで頷いていた。

このように 音楽に合わせる となると、考えてしまい身体にも緊張が見られる傾向があった。

今やどこにでも存在している音楽。
街から流れる音楽、TV,YouTube,スマホからどこからでも、いつでも聴くことが出来る。
音楽を聴くことが当たり前になり、受け身になってしまう。

自分の身体で色んな音を出したり、身近なもので色んな音を鳴らしたり、音を鳴らさないように動いたり、聴く事だけではなく、自分の身体や身近な物を使って音に対する感覚的な気づきのきっかけ作りをする。

ダンスも、
"こんな動きがしてみたい"
"こんな風に見せたい"
"こんなことをしてみたい"
その個が持つエネルギーや衝動がとても大切だと思う。

技術として、音楽に合わせる事も必要な場合もあるとは思うが、個の持つエネルギーと空気の振動(音)が重なり他人に伝わるのではないかと思う。

音楽は既に出来あがったものばかりが世の中に溢れているが、音楽も誰かが作っている。

音楽を聴く。
受け身ではなく、音楽を作る、鳴らす。
音楽に参加する感覚も大切な気がします。

音楽を聴くと鳴らす事もし違ったらなにが違うのか。
身体を通して感覚的に感じる体験、経験が大切だと思う。

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