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英文法の小径

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毎回、一つの文法項目について、意の赴くままに説明を試みた散文を掲載中。
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2024年2月の記事一覧

【英文法の小径】should〈助動詞〉その二

I shouldn’t have eaten so much.前にも触れたように、人は過去を振り返ずにはいられない。あのとき、ああすればよかった、こうすればよかった、あるいは逆に、あんなことしなければよかった … その繰り返しである。そういうときに役立つのが[should have + 過去分詞]という形。ああ、気分が悪い、食べすぎた(これが事実)。あんなに食べなければよかった(後悔先に立たず)。 You should have come to see us.相手や第三者を

【英文法の小径】should/ought to〈助動詞〉

You should/ought to quit smoking. [ought to]は should とほぼ同じ意味を表し、同じように must ほど強くはない。義務や助言/提案を述べるときに用いることができる。 ただし、よく使われるのは should の方。[ought to]は should に比べると、改まった/堅苦しい言い方と感じられるため。 You ought not to [oughtn’t to] speak to your mother like t

【英文法の小径】should〈助動詞〉その一

You should take a picture.素晴らしい眺めを前にしての一言。最初の出会いが肝心なのは、人だけでなく英語も同じ。初めて should と出会ったときに、義務を表す「すべき」という日本語とともにインプットしなかっただろうか。 確かに、「すべき」という日本語がぴったりで、義務について述べていると考えるのがもっともなこともあります。 ただ、should はもともとは、「そうするのはよいことだ/正しい」といった意味。なので、場合によっては、義務よりも軽い意味

【英文法の小径】should/must〈助動詞〉

a) You should apologize. b) You must apologize.should も must も、いわゆる「義務」を表すとされているけれど、もちろん両者は異なる。どうちがうのだろう?「すべき」と「しなければならない」のちがい??? should は must とはちがって、話し手が自分の判断に完全な確信を持っているわけではないのです。強弱で言えば、should は must ほど強くはありません。なので must を用いた b) は相手に有無を

【英文法の小径】need (to)〈助動詞〉その二

I needn’t have got up early.この話し手は早起きしたのか、それとも、しなかったのか? 人は過去を振り返る動物であると言われるように、今になってみれば、あんなことをする必要はなかったと思うことはよくあります。そういうときに用いるのが[needn’t have + 過去分詞]という形。 冒頭の文で話し手は、実は早起きしたのです。例えば、今日は休日で遠出をする、その準備のため。ところが、思っていたほど準備に時間がかからなかった。ああ、あと10分でも長く

【英文法の小径】must/have to/need (to)〈助動詞〉

You mustn’t tell anybody else.must も[have to]も、それから need も[need to]も、必要性、つまり「そうすることが必要だ」ということを表す。それでは、その否定形はどうだろう? まず、must の否定形、must not = mustn’t は、must に後続する部分を否定することになるので、「そうしないことが必要だ」、つまり禁止を表す。冒頭の文も、だれにも話さないことが must だ=話してはいけないと言っている。

【英文法の小径】need (to)〈助動詞〉その一

need という語は、一般動詞としてだけでなく、イギリス英語では助動詞としても用いることがあるので、その使い方を整理しておきましょう。 He needs to lose weight. You don’t need to decide now. Do we need to show our passports? まず、need は一般動詞として使われる方がはるかに多い。その場合はもちろん、主語が三人称単数であれば -s が付いて ’needs’ となる。否定文や疑問文では

【英文法の小径】have (got) to〈助動詞〉その二

日常会話でよく用いられる[have got to]の形について一度整理しておきましょう。 I’ve got to go now. 意味は 'I have to go now.' と同じ。例文のように、縮約形(I've got to)でよく用います。ちなみに、[have got to]の ‘have got’ は get の〈現在完了形〉ではありません。 否定文や疑問文をつくるのに ‘do’ を使いません。否定形は have の後に not を加える。疑問文は主語と ha

【英文法の小径】have (got) to〈助動詞〉その一

I have to work tomorrow.  I’ve got to work tomorrow.日常会話、特にくだけた英語では[have to]の代わりに ‘got’ を加えた[have got to]を用いることがある。 I usually have to get to work at nine.通常の始業時刻が9時であることを伝える文。ところが、この場合は[have got to]は用いない(I’ve usually got to get …)のがふつうだという

【英文法の小径】must/have to〈助動詞〉その三

You must fill in this form.二人称が主語の場合、must は話し手が相手に課す義務を表すため、この言い方は命令文や指示文のようになる。 You’ll have to fill in this form.なので、命令や指示のもつ強圧的な響きを和らげるために must の代わりに ‘will have to’ を用いることがあります。 動詞の形を利用することによって、直接的な言い方を遠回しの言い方にする、つまり丁寧な表現にすることができます。例えば、