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エロという取り扱い危険物

こないだ、中野ブロードウェイの中のお店について、こんなニュースが出た。

ざっくり言うと「若い女の子がよく来るお店の向かい側に、AVのお店ができてしまった。これどうにかならないかね…」的な内容。

この「若い女の子がよく来るお店」ことSpank!については、私も行ったことがある。まだ高円寺にあった頃だ。そのもっと前は屋号が違って吉祥寺にあった様な記憶があるのだけれど間違いだろうか?吉祥寺時代に破格値のジャケットを買った覚えがあるけど…とりあえず、高円寺時代にも行った。

まとめサイトによってはこのSpank!を「女児向け」と表記していたりするけれど、少なくとも私の知っていた頃には、女児向けと言えるほどアイテムは安くはなかった様に思う。メインは海外から輸入したポップな古着だったり、店員さんの作ったグッズだった気がする。今はオーナーさんにもお子さんがいるようなので「女児向け」アイテムも多いのかも知れない。

このSpank!の真ん前に、まんだらけのエッチなお店ができた。よくある18禁マークのてろてろしたカーテンも付いていない状態の画像を見「さすがにこれはないよなあ」と、私もそう思った。

Spank!の客層は、私が知っていた頃とそう変わっていなければ、高校生とか二十代前半の女の子とか、それくらいの年代が多いと思う。その「それくらい」の年代を思わせる、制服の女の子のAVを廊下に見える様に陳列している画像にはさすがに「自重しようよまんだらけ…」と感じた。

とはいえ、落ち着いて考えてみると、私もSpank!は中野ブロードウェイより高円寺にあった方が似合っていた気がする。実際、もう結構前だけれど中野ブロードウェイに立ち寄った時、Spank!の蛍光色なお店が私の目の中に映ったとて、なんとなく入りづらく感じたのは確かだ。なんだろう、高円寺の時はすんなり入れたのに。どことなく中野ブロードウェイから、Spank!は浮いて見えたのだ。田舎のショッピングモールに唐突に現れた質屋みたいな、と喩えようかと思ったものの、なんだかしっくりこないなあ。

なんて思いつつも、中川翔子さんのブランド・mmtsもブロードウェイにあったわけだし(もう閉店してしまったそうですが…)、

「孤独のグルメ」でも五郎さんがブロードウェイの中の鉄道模型のお店に行っていたこともあったし、

一部ネット民の意見であるらしい「Spank!こそブロードウェイにあるのがおかしい」というのを尊重するならば「Spank!やmmtsや鉄道模型のお店がブロードウェイにあったっていい」というのもまた、尊重されるべき意見である。

いろいろ考えてみたけれど、私は「Spank!の前にエッチなお店があったっていいと思うけれども、エッチなお店側がもうちょっと配慮をした上で出店したっていいんじゃあないか」という考えに行きついた。

誰かもネット上で言っていたのを見かけたけれど、コンビニの本すら規制されるのに、あのまんだらけはあんなあからさまにエッチなものを見せておいていいのか、という意見に私も「そうなんだよなあ」と思わされる。

ただ「中野ブロードウェイはそもそもああいうところなんだよ」という意見も多く見かけた。そうか、いろいろ規制が厳しくなっていく中でのある意味での「聖地」なのか。…ただ、そういうのっていつまで許容されるのだろう、とも思う。しつこくなるけれど「いろいろ規制が厳しくなっていく中で」だ。

(断っておくけれど、中野ブロードウェイの「在り方」を批判するつもりは無いよ。)

たとえば万代書店とかぐるぐる大帝国とか、

そういういわゆる「雑多」なお店でも、やはり18禁コーナーはしっかり分けてある。ドンキホーテもそんな塩梅だ。少なくとも誰にでも見えるところにアダルトグッズは無い、と思う。エッチなフィギュアくらいなら、万代も乳首を隠す程度で人目につくところに置いていたりするけれど。

でもそうしてそこはかとなく「隠されたところ」にあるからこそ、(大人になる過程という)時間をかけて、少しずつ理解していくものこそエロ—なんだって、一般社会的には思っているんじゃあないのかね。

それとももうこういう価値観は通用しないのだろうか。

スマホを開くだけで、もっと言ってしまえば地上波放送の一部アニメを観るだけで、あっさりとエロにたどり着いてしまえる時代には、もう、そういった「かくしごと」は通用しないのだろうか。

「若い女の子がよく来るお店の向かい側に、AVのお店ができてしまった。」けれど「まあしょうがないよね」という時代なのだろうか、もはや。

…せめて18禁のカーテンを付けるとか、そういった配慮ぐらいはあったって良かったのではないか、と思う私は、少数派なのだろうか。

そもそも私が中野ブロードウェイとは離れた生活を送る人間だからこそ、感じ取れない事情みたいなものも、勿論あるのだと思う。

ただ、なんだかエロがおおっぴらな時代というのは、ちょっと生きづらいなあとも感じる。

私はフェミニストに値する人間でもないし、AVに出ている女優さんがたを批判するつもりもまったく無い。故・飯島愛さんに憧れて性教育の啓発に尽力した、故・紅音ほたるさんの様なかたもいる、そういう世界なのだし。

なんだけれども、なんというか、世の中のエロに対する考え方がどうにも、歪んできてしまっている様な気がしてならない。

昔ならAVのえげつない設定のおかげで性犯罪の抑制にもつながっていたとか言うけれど、今の世だと「あれを自分も再現してみたい」という欲求を抑えきれない人たちの存在も、ずいぶんと露呈してきたかの様に思う。

もうちょっと、エロは隠されていていいものだと思うのだ。表立ってアピールするものではなく、ひっそりと楽しむものというか。でもネット掲示板とかSNSという、匿名でできてしまう井戸端会議の場があるから、そこでどこの誰とも知れない人と話せちゃうんだよね、エッチなこと。その言葉は会話に参加していない傍観者の目にも触れる。だからネットでの発言は1が10くらいには膨れ上がる、そんな気がする。

…話がちょっとずれてきてしまったけれど、亨保7年(1722年)の頃だと春画は規制されるものであったそうだ。

難しいことはよくわからないけれど、春画の「わいせつさ」が、「芸術性」よりも重大視された結果—なのかな、上記の記事を読んで私が理解出来た限りの判断では。

そしてなんと今の世でも、春画の取り扱い方によっては法に触れたりもする可能性もあるらしい。

なんやかんや、エロは取り扱いの難しい存在であることに変わりはないのかも知れない、今も昔も。

まとまらなくなってしまったのでこの辺で筆を置きたい。とりあえずSpank!とまんだらけが最終的には双方納得のいく形に終着できたらいい、そう思う。どちらにせよコロナ禍だ、経営をしていくのが大変という点においては、この二つのお店以外であったって、おそらく皆、同じのはずなので。



最近忙しかったり、音楽以外の仕事のほうでちょっとやばい人に絡まれたりで、とてもじゃないけど安定したメンタルを保ってなぞいられなかったので、noteもほとんど読みに伺えず、「スキくれないのかよー!」という方には本当に申し訳ないです。

今夜はちょっと思っていたことを書いて頭の中を整理してみたかったので、こんな感じなことを書き連ねてみました。

また落ち着いたらnoteの世界をふらふらしますんで、よろしくお願いします。

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