吾輩は教師、まだ名前は。(1)
うちの学校には
変わった先生がいる。
高校に入学する前から
噂が流れるほどの強烈な
インパクトをお持ちのその先生は
国語の先生で、
一人称を「吾輩」と言った。
生徒からも吾輩と呼ばれていた。
写真を見ればわかると思うが、
いつも怖いオーラを
モワモワと放っている。
これでも教師なのだ。
オマケに主な収入源は株式レートで、
教師は副業だと言っていた。
月に1000万以上稼ぐ月もあったらしく、
3ヶ月に1台変える高級外車を乗り回し、
街を一望できるマンションに住み、
高級ブランド服を身にまとう、男性教員57歳。
なんてパワーワードなのだろう。
さらに他人に一切興味がなく、
2年生で担任になった初日には
「吾輩のクラスは立憲君主制だから。」
こう言い放った。
最初意味がわからず、呆然としていると、
「えぇ、こんなことも分からないで諸君はどうやって生きていくんだよ、まったく。いいか?教養がないと社会では『へっ、こいつこんなんも分からんへんのかい』ってバカにされるんよ、そんな生き方したいか?」と、まくし立てた。
結局、立憲君主制とは
「王は君臨すれども統治せず」
という意味で、
「吾輩は担任としているけれども別に何にも口出したりはしない。席替えとかも自分達で好きなようにしなさい。」という意味だった。
興味が無いというか、
とてつもない放任主義。
こんな担任初めて見た。
と、その時思った。
しかし“統治せず”とはいうものの、
知っておいて欲しいことが1つ
あったらしく、それは、
「もし吾輩のクラスでイジメが発覚したら。」
の話。
どうするのだろう。
普通なら
親御さんに連絡?
とことん話し合う?
学年集会にする?
私の考えは規格外の
この人には通じなかった
吾輩は言った。
「吾輩は全力でこの世界を
いじめたやつが住みにくい世界にしてやる。
そして、そいつが更生するなら
いつでも教師を辞めてやる。
その覚悟はある。」
ぶっ飛びすぎだ。
あの人の考え方は、
いや、ぶっ飛びすぎだ。
お陰げ様でこのクラスは
学年で1番男女 仲の良いクラスになった。
こんな常識では考えられない
アンビリーバブルな話が山ほどある。
吾輩シリーズが始まる。
※多くのぶっ飛びエピソードは
1つの記事では
収まりきらなかった
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