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これからも”使って”ほしい!ザスパビジネスセミナー第1弾レポート

3月22日、前橋市内でも積雪がみられ、寒さから電力逼迫による停電のおそれもあったこの日、ザスパクサツ群馬として初めての試みである「ザスパがきっかけ!ザスパビジネスセミナー」第1弾を開催しました。

2022シーズン、株式会社ザスパはサッカー以外でも群馬県の活性化に貢献できるよう努めていきます。
その取り組みの一つとして、弊社代表の石井が各業界で活躍しているゲストを群馬県庁32階のNETSUGENに招き、群馬県内のビジネスパーソンや学生向けにノウハウやナレッジを共有していく「ザスパビジネスセミナー」を毎月開催します。

第1弾は「ザスパの使い方セミナー」をテーマに、全国100以上のプロスポーツクラブや団体のプロモーションを手掛ける平地大樹氏(プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社、以下PSI)をゲストとして、企業によるプロスポーツクラブの活用方法を紹介。会場・オンライン合わせて116名、群馬県内外の法人様や自治体職員様、学生の皆様に参加いただきました。
ご参加いただきました皆さま、改めましてありがとうございます!


ここで、当日ご参加いただけなかった皆さまに向けて、90分間のセミナーをできる限りコンパクトにレポートします。

第1部「ザスパクサツ群馬の現状と展望」

スピーカー:株式会社ザスパ 代表取締役社長 石井宏司

ザスパの現状は?

2005年にザスパ草津はJ2に昇格・加盟し、群馬県内初のJクラブとなりました。以降の業績は5~6億円前後の売上で推移しています。
この数値はJ2クラブの中でも下位に属し、サッカー同様、ビジネス面でも厳しい戦いをしてきました。

近年は2017年にDAZNの配信によるJリーグからの配分金と寄付金で売上が増加しました。その後J3降格、J2再昇格をしますが2020年にコロナウイルス禍となり入場料収入が激減します。しかしスポンサー収入が3億円を超えるなど多くのパートナー様に支えられ、現在に至ります。

観客動員やSNSのフォロワー数などを見ると、まだ”話題性”に乏しいクラブであると言えます。ザスパが多様で継続的なつながりを持つ存在となり、勝っても負けても話題になる、群馬県民にとっての誇りになるクラブとなることを目指すため、様々な施策・努力に取り組まなければとの思いです。

低成長への打開策の一つが「クラブの価値を上げる」ことです。
ザスパビジネスセミナーを企画した背景にはこのような考えがありました。今後もセミナーを毎月開催し、ご活用いただき、クラブの価値を上げ、結果としてスポンサーへの意欲も高めていただきたいと考えています。

Jクラブの選手人件費は上昇傾向にありますが、この点でも「クラブの価値を上げる」ことに行き着きます。
魅力と価値を高め、観客動員を伸ばし、パートナー様のスポンサー効果を高め、選手人件費もかける。こうした好循環を目指しています。

ここから、ザスパの石井が今年2月に代表取締役社長に就任して以来の取り組みをお伝えしていきます。

  • 詳細な経営分析の実施
    →取締役会とサポーターに共有

  • ミッション・ビジョン・バリューの再度策定

  • 顧客との対話と信頼の回復

  • 組織体制の見直し・経営評価・1on1

ここでザスパの印象について、石井から平地さんに聞いてみたところ「特になかった」という率直なお言葉をいただきました。これこそ、ザスパが抱える課題の一つです。

もっとザスパクサツ群馬というクラブをPRしなければならないですし、これまでザスパは不祥事でお騒がせすることもありましたので、現在は信頼回復のフェーズであると認識しています。状況を取締役会、サポーターカンファレンスで詳細に開示し、ザスパの現状をわかっていただくことから始めています。

そして改めて「私たちは何者か?」を考え、再定義しました。
プロクラブ=時間産業」であり、クラブに関わることで豊かな時間を提供することが私たちの役割です。

我々が共に創りたい未来(クラブビジョン)は、群馬に関わる人が充実した時間を過ごしている世界です。ここを目指してクラブ経営をしてまいります。今回のセミナーも”つながりの場”となってほしいと願います。

未来の実現のための我々の役割(クラブミッション)は、サッカーをきっかけに喜怒哀楽のストーリーを創り出すことです。

スポーツを通じた勝ち負けやドラマで人生をおもしろくすることが我々のしごとです。

大事にすることは表裏一体。サッカーには攻/守、オン/オフザボールなど表裏一体の要素があり、こうした原則を経営にも活かしていきます。
ミスを通じてパスや息が合っていき、プレーをしながら相互理解が進みます。尊重し信頼が生まれ、挑戦ができるのです。


ザスパの展望

プロクラブ経営の柱は地域に根ざすことです。我々がホームタウンとする群馬県でザスパが誇りになる、ザスパがあることで役立つ、という状態を目指します。

今もご来場いただくアウェイのサポーターさんにザスパのサポーターさんが群馬県の情報紹介・交流されていて群馬のブランドを高めてくれています。

サッカークラブは選手もスタッフも”人”が育つ場でなければなりません。育った人材が活躍する場である専用スタジアムは悲願です。
今後、カインズさんが企業版ふるさと納税を活用いただき、練習場・クラブハウスを寄付していただきます。ここでアカデミーからトップチームまで一貫した育成力を持ったクラブを目指します。

練習場が地域の交流拠点や社会活動の場となることで群馬に役立ち、ザスパが群馬の話題と誇りになるように。そのために群馬の歴史に根付くサッカークラブ経営をしていきます。

群馬には地域資源と外から来た技術を組み合わせ成功させるイノベーションのDNAがあると思います。
アマチュアサッカーが盛んな群馬に世界のサッカー育成の進化を組み合わせ、アカデミー・スクールなどの表裏一体経営と高度化を図ります。

新練習場ではテクノロジーやフード・栄養のほか、無人・自動運転などの産学共同の実証試験の場として活用いただくことも視野に入れています。

ザスパをこう活用!

様々な立場・役割・職種の方々にご活用いただける効能があります。

いまは感染症、戦争、自然災害など社会を一変させる事変が起き、企業経営が難しい時期であると思います。ザスパのようなスポーツクラブは世界的な潮流や影響を受けながら、様々な経営課題に直面・経験し、成功・失敗してきましたので、経営者のお役に立てる事例を提供できるはずです。

ザスパのパートナーである経営者の皆さんもスタジアムにお越しいただいています。ザスパという共通テーマを持つことでビジネスがしやすくなりますし、出会いの場となる可能性があります。

SNS上でのサポーターのコミュニティも活発で、パートナーさんのキャンペーンに対してサポーターさんが企業を応援するという輪が広がっていきます。

さらにパートナー企業同士のコラボ商品も生まれており、新しいビジネスも創出されています。

Jリーグでは社会連携活動=シャレンを推進していてザスパもスマイルキッズキャラバンなどの取り組みを実施してきました。公共性と発信力の高いクラブを利活用いただくことで、自治体や企業と社会課題を解決できるかもしれません。

人事総務の面では社内プロジェクトにザスパを活用いただくことで社員交流の場となり、育成・定着につながり、採用活動にも効果を生む、という事例があります。

そして毎月開催していきます「ザスパビジネスセミナー」をご活用いただき、ビジネスのヒントや交流の場を提供したいとの思いです。

群馬出身の起業家は多く、次回は株式会社チアドライブ代表取締役の保科昌孝氏をお招きし開催します。ぜひご参加いただき、マインドやエネルギーを共有できればと考えております。


第2部「企業のプロスポーツクラブの活用方法」

スピーカー:プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社 代表取締役 平地大樹氏

日本全国100以上のスポーツクラブ・チームのマーケティングやクリエイティブ支援を行うPSIの事例をいくつかご紹介いただきました。

Jリーグ、Bリーグのクラブからの依頼を受け、コンテンツとなる動画制作を多数展開されています。
マスコットや選手がスポンサーの商品を紹介する、企業がスポンサーする理由を動画で伝える、などムービーでのアピール事例を共有いただきました。

多くの企業が抱える課題である”採用難”にもクラブからサポートできることがあるようです。例えばスタジアムで企業説明会を開催し、スポーツクラブの世界観をつくる仲間であることをアピールすることもできます。

ファン・サポーターから支持を得るクラブだからこそ、クラブが”ハブ”となって社会的活動を呼びかけ、イベントとして成立させることができます。
そしてその取り組みを”おまつりごと”として社内外にアピールすることで盛り上がりを周知させることができるのです。

さらに先日ザスパのパートナー様に向けてサービスを開始した限定コミュニティサイト「パートナーズシップ」でパートナーとサポーターだけでなくパートナー同士を”つなぐ”仕組みを構築いただきました。

スポーツの力を経済面でも

長文になりましたが、90分間のザスパビジネスセミナー第1弾をレポートいたしました。
各部門でメインのスピーカーがお話する形でしたが、ディスカッションのように進行し、多くの参加者の皆さんにご満足いただけたようです。

本編でもお伝えしましたように、このセミナーをどんどん利活用していただき、地域経済の活性化に貢献し、ザスパクサツ群馬というクラブの価値を高めていきたいという思いがあります。

NETSUGENの会場では終了後にパネリストと参加者の皆さん、参加者の皆さん同士での"交流"をされていました。
ビジネスパーソンだけでなく学生の方もお越しいただきました。この場をきっかけに、未来に向けた取り組みが進むことを願うばかりです。

スポーツから生まれるドラマや感動と興奮は間違いなく存在すると思いますし、関わる人々の人生を豊かにするものであると確信しています。そしてきっと”スポーツの力”はエモーショナルなものだけでなく、生活や文化に寄り添うエコノミックな側面でも発揮されるはずです。

この日も含め、開催されるザスパビジネスセミナーが豊かな群馬の”きっかけ”となりますように。


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