らんまん
もうすぐ連続テレビ小説『らんまん』がラストを迎えます。日本の植物学者・牧野富太郎をモデルしたテレビドラマで主人公・槙野万太郎が植物に興味を示し植物学者へと成長する物語です。
概要
朝ドラヒーロー(朝ドラヒロインに対して「ヒーロー」と言うのは妥当でしょうか)作品が出るのは音楽家・古関裕而をモデルにした102作『エール』(2020年)で幕末からの物語開始は広岡浅子をモデルにした『あさが来た』(2015年)以来です。
土佐の造り酒屋に生まれ幼くして当主になった槙野万太郎は祖母タキに優しくも厳しく育てながらも家業よりも草花に興味を示し、坂本龍馬に出会い生きる意味を知り、藩校「名教館」に入り蘭学者・池田蘭光から学習する喜びと探究心を教わり、東京に上京し妻となる和菓子屋の娘・西村寿恵子と出会い、東京大学で助手を務めながら植物への情熱を注ぎ、大学内の権力闘争に巻き込まれながらも高名な植物学者へと成長します。
感想
※ ()はモデルとなった実在人物です。
登場人物を丁寧に描写しています。物語は槙野万太郎に偏らず寿恵子や竹雄、綾(牧野猶(なお))、田邊彰久(矢田部良吉)、波多野、藤丸といった登場人物に光を当て視聴者に伝えています。昭和天皇が述べたとされる「雑草という草は無い」は牧野富太郎が残した言葉に由来と伝えられてます(諸説あり)。その言葉の通り、一人一人に個性があることを『らんまん』が教えてくれます。
『らんまん』のテーマは植物ですが土佐・佐川の酒造り、権威と学歴に縛られた東京大学、植物採集を通しての出合い、西洋文化への憧憬(あこがれ)、粋と幽玄な新橋花街、貧しながらも様々な住人と触れあいながら暮らす長屋、小さな宿場町から進化していく繁華街・渋谷が登場し上手くまとめられています。
※ 2023. 9. 17 追記
※ 2023. 9. 29 リンク追加
関東大震災の回に関しては
ドラマ総感想は
をご覧ください。