【感想文#1】センス大量発生『BLEACH』
BLEACHの何が凄いかって、作者のセンスがずば抜けているところなんですよね。ネーミングセンス、構図のセンス、元ネタを引っ張ってくるセンス、色々と質が高く読んでてめっちゃ面白いです。
ほぼ全人類におすすめできます。というかバトル漫画以外も楽しめるタイプ全員におすすめできます。
というのも、漫画家として必要なセンスにスキル全振りされてる代わりにバトル構成力のセンスを失っていることは否めないからです。。BLEACHは全編通して「強敵に勝てない!→修行する→強くなって一撃で倒す」みたいな展開が多く、単行本読んでてもテンポが気になる箇所もありますが、それを超える面白さがあるので戦闘シーンでしか漫画を楽しめないなっていう人以外は絶対読んでください。
①設定のセンス
BLEACH好きな人は絶対読んだことがあるっていうくらい有名なこのブログを読めばわかるんですけど、BLEACHは設定ガバガバ後付け漫画じゃないです
BLEACHの最終章である千年血戦篇は簡単に言ってしまえば死神vs滅却師の図なんですよ。
で、滅却師関連の用語は登場時からずっとドイツ語が引用元でした。
初期は石田くんくらいしか滅却師はいなかったのに、ただの脇役にあえて専用の言語を用意したりするでしょうか?シナリオ構成時から敵に成り得る存在、言ってしまえばラスボスは滅却師って決まっていたことが推測できますね(ちなみにスペイン語を用いている虚と破面は中ボスでしたし)。
滅却師関連の考察は「斬月のおっさん」などの裏付け要素もあるので気になったらググってみてください。
細かい設定だと、例えばノイトラさんというカマキリみたいな見た目をした破面について、彼の解号は「祈れ、聖哭螳蜋」なんですけど、カマキリの別名「祈り虫」から持ってきていると思われます。そういう細かい設定もたくさんあるので読んでいて楽しいです。
※BLEACHに出てくる死神や破面はそれぞれ斬魄刀と呼ばれる刀を所持していて、解号(特定のキーワードと斬魄刀の名)を唱えることで斬魄刀の能力解放が行われる
②画力のセンス
集合絵の構図、余白の使い方、卍解シーン、全てが天才。
③語彙のセンス
卍解とかいう今世紀最大の発明。説明はいらないですね、音も意味も字面も百億点です。
卍解は全死神(但し強い死神に限る)共通の最終奥義として叫ばれるっていうところもアツいですよね。
卍解に限らず、BLEACHに出てくる固有の単語(特にカタカナ及び漢字)、稀有さと覚えやすさが両立しているところが天才なんですよね。日番谷冬獅郎とか、アーロニーロアルルエリとか、狒狒王蛇尾丸とか、万象一切灰燼と為せとか。カタカナは文字数長いし規則性ないし、漢字は普段使わないような字なのに、何故かなんとなく読めるし意味もわかるし記憶に残る。
一方で漢字にカタカナのルビを振っている固有の単語もたくさん出てきますね("BLEACHは漢字読めない"の元凶)。
虚:ホロウ
虚閃:セロ
滅却師:クインシー
悪魔の左腕:ブラソ・イスキエルダ・デル・ディアブロ
上述でも少し触れているように、ルビは主にスペイン語・ドイツ語から引用されています。そのままカタカナだけで使用しても良いところを、あえて漢字にするという、しかも虚はホロウなのに虚閃はセロにしてしまうのが常人にはできない発想ですね。
こんな風に、BLEACH作者の語彙センスは音を五七調で意識してるとか辞書を見てかっこいい漢字をストックしてるとかそんなレベルじゃないです。卍解がある時点でBLEACHしか勝たんだが。
単語だけでなくセリフ(オサレポエム)も語彙センスが光るので最後にご参考まで。。。
「我々科学者にとって、完璧とは絶望だヨ」
「僕はついてゆけるだろうか 君のいない世界のスピードに」
「憧れは理解から最も遠い感情だよ」
「敵襲だ。先ずは紅茶でも淹れようか」とか一生のうちに一回くらいは声に出して言ってみたい。厨二だから。
まとめ
推しCP:藍ギン、イヅギン、白ギン
ギンは解号が「射殺せ、神鎗」で、卍解すると「神鎗」の間に一文字入って「神殺鎗」になるんですよ。ずっと「神を倒す脇差」という本来の意志を「神の脇差」に擬態させていて、つまり己の存在自身であると言ってもいい斬魄刀自体が藍染(=神)の為だけのものっていうことですよ。EMO。
白ギンに関してはなんていうか、貴族の白哉兄様、天才のギンのおふたり、真央霊術院で何もないわけないじゃないですか。そういうことですよ。
タツオリが覇権かと思ってた時期もありました。。。
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