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資料を読むときの先入観について

 先日以下の記事を投稿した際に考えた資料を読む際の先入観に関して、記録しておきたい。以下の記事では、資料を読んで吉村せい子と吉村新蔵という人物が親族であると紹介したが、記事を公開する直前まで両者は親子のなのではないかと考えていた。しかしながら、あらためて資料を読んでみると、両者が親子であるとはどこにも書かれていないことに気づき公開前に記事を修正した。せい子の外遊中の連絡先が新蔵宅になっているからと言って、新蔵はせい子の親であるとは限らず兄弟や叔父などである可能性も考えられる。要するに、私の中で両者は親子ではないかと気づかないうちに思い込んでいたのだ。

 過去の資料や本を読む際に、読み手側の現在の常識や考えを無意識のうちに投影してしまうことに注意しなければならないとよく言われているが、今回の件でその重要性や難しさをあらためて実感した。今回の場合は気づいたから良かったが、本当に怖いのは読み手側の現在の常識や考えの投影に気づかずに行っていることであろう。過去の資料や本を読む上でこの問題は常に課題であると思われる。

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