見出し画像

売っている商品に「意味」はあるか?


楽天創業者で、現在も最高経営責任者を務める三木谷さんの著書「成功のコンセプト」を久しぶりに手に取り、ページをめくっていました。もう10年以上前になりますが創刊当初、Amazonで購入、即読んで感動したことを思いだしました。楽天の「5か条」には、

1.常に改善、常に前進
2.Professionalismの徹底
3.仮説→実行→検証→仕組み化
4.顧客満足の最大化
5.スピード!! スピード!! スピード!!

とあります。何度もこすられて手あかがつきまくった言葉のように見えなくもないですが、個人的にはまったく陳腐化された感なく、めちゃくちゃ刺さる言葉ばかり。さらっと読むつもりでしたが、いつのまにか没頭して熟読してしまいました。

仕事をしているとうまくいかないことばかり。壁にぶちあたって、気持ちが萎えそうになることばかりです。そのときにいつも心がけているのが「自分はなんのためにこの仕事をしているのか」を問うこと。誰のために、どんなサービス(価値)を提供しているのかを呼びおこすことで、やるべきことが見えてくるからです。

やるべきこととして仮説をたてて、スピード感をもって実行する。検証して改善をはかってまた実行。なんど試してもうまくいかなければ廃棄し、数回、十数回、もしくは数十回のトライを経て手にした「うまくいったこと」はデフォルトにして強みに変えていきます。5か条を血肉化して実践するよう心がけています。

取捨選択。この判断はいまだに難しいです。仮説をたてて実行して、当座の売上が下がる場合、それが想定内であっても心は穏やかではありません。想定内だと自分に言い聞かせて、歯を食いしばってこらえる期間が長ければ長いほどつかれますし、そこまでがまんしても想定よりちょっと、もしくは全く売り上げがあがらないことなんて日常茶飯事。

地道な試行錯誤を辛いとも思わず継続できるならいいのですが、いかんせん飽き性な私には難しい作業です。だからこそ「なんのために仕事をしているのか」を問うことで自分を律し、気持ちを奮い立たせています。ビジョンが大事だと私はことあるごとに自分に対して、そして周囲に向けても発信しているのはそんな理由から。

とはいえ実際、ビジョンなんてなくても短期中期的には結果を出そうと思えば力技で出すことは可能。ですが長い目で見るとおそらくうまくいかないとおもいます。インターネットをとおして誰もが手軽に何でも買える時代。だからこそ私たちは「自分だけしか買えないモノやコト」をほしがるようになりました。

単に商品やサービスのスペックを売るのではなく、「意味」を売ること。自分がなんのために、あるいは誰のためにこのビジネスをしているのか。自分はどんな付加価値を生み出すことができるのか。組織の存在意義は?

生活はこれ以上なく豊かになりつつある現代社会。成熟した社会において「意味」あるコミュニケーションが求められるようになり、シンプルな需要と供給の経済活動を超えた、エンタメとしての意味を持たせた仕事ができるように、これからも精進していきたいとあらためて思いました。

久保大輔




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?