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ビジョンを浸透させる仕組みづくり


西野亮廣エンタメ研究所というオンラインサロンに入って、もうかれこれ4年くらいになります。吉本興業の転職したのは偶然ですが、前職のころからブログや著書などを熟読しはじめて今にいたります。Voicyは毎日の習慣に。YouTubeをダラダラ見ていると、アルゴリズムによって西野さん関連の動画がおすすめにアップされて、それられも目を通しています。

こうやって師事する方の発信をおっていくと、その人のビジョンが見えてきます。続けていると、西野さんがあたらしいことを始めるときに、その狙いが透けて見えることも。言うまでもなくこれは、西野さんのビジョンが浸透している人でなければ分からない感覚だと思います。そしてファンがその感覚を持っているという状態は、西野さんが意図して作り出したものではないかと思っています。

とある動画で「朝礼」の重要性について西野さんが語っていました。毎朝更新されるオンラインサロンとVoicy。ブログやYouTubeにも転用されているので、西野さんに少しでも関心がある人は見逃すことが少ない。語られているのは西野さんのビジョンとその具体的アクションです。具体的なものは有料課金のサロンへ。そしてより汎用性の高いもの、もしくはちょっと鮮度が落ちる情報は無料媒体に発信される。

いずれにしても、彼のビジョンが滲み出た文字の数々。これが西野さんが表現するところの「朝礼」です。かつては多くの会社では、社長や部長といったリーダーが仕切った朝礼が行われていました。そこで夢を語ったり、ビジョンを語ったり、社員を鼓舞するような言葉を並べたり。あさイチの儀式は、社員をたばねる仕組みでもありました。

オンラインサロンで毎日欠かさず「朝礼」をすることで、西野さんは自身の考え、意志、現在の心境、そして未来への希望、夢、そのための具体的アクションと覚悟などを周知させます。そしてオンラインサロンでは、西野さんがサロンメンバーに仕事を依頼するケースがありますが、それは「目線あわせ」が不要で効率的だからです。

いつもいつも、リーダーのビジョンを聞かされているので、何を言わんとしているのか、せんとしているのかがある程度わかったサロンメンバーは、西野さんの具体的な指示の理解が速い。したがってサロンメンバー以外の人や会社に仕事を依頼する場合、西野さんにとってあまりメリットがないのかもしれません。

最近はサッカーの監督本を連続して読んでいます。共通して書かれているのは「ビジョン」の重要性と、理解させる「コミュニケーション能力」

そもそも監督は何がしたいのか、というビジョンがなければ何も始まりません。そしてビジョンが明確であったとしても、それが選手やチームに伝わらなければ絵に描いた餅。サロンや朝礼をしているわけではありませんが、ビジョンの浸透に関する仕組みがあります。

そしてその仕組みづくりは、成果を上げるクラブに必要不可欠な要素なのではないかと。一度や二度、選手やメンバーに伝えるだけではすぐに忘れてしまいます。忘れたころに思い出させる工夫をこらす。思い出す負荷が、ビジョンの浸透に役立つわけです。

ビジョンの内容やその良し悪しについて語るのも大切ですが、ビジョンが何であれ、周囲に伝える能力と、周囲がビジョンを身につける手助けとなるシステムづくりに、もっと注目すべきかもしれません。ファンビジネスにおいてはなおさら。

ファンに向けた発信を毎日見る人もいれば、そうでない人もいます。「忘れたころに思い出させる」行為をもれなくしてほしいと思えば、リーダーは毎日発信が間違いないと思いますし、その方が圧倒的に速く、より多くのファンに自分のビジョンを知ってもらえるようになるはずです。

久保大輔




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