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自分が何者で、何を作っていて、なぜそれがファンにとって大切なのか。


今年一月、
僕はニューヨークにいました。

ブルックリン、ウォールストリート、
ソーホー、グリニッジヴィレッジ、

タイムズスクエア、ロックフェラーセンター、
グランドセントラルターミナル。


仕事の合間、

時間の許すかぎり歩き回って、
夢にまで見た場所を記憶に刻みました。

帰国直後に
ニューヨークがコロナに襲われ、

美しい街がゴーストタウン化する様子に
胸がしめつけられる思い。

ピース綾部さんのインスタをみて
いつも元気をもらっています。

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■さて、

思い出深い場所の一つ、
ブルックリン。

ワッサーマンメディアのオフィスは
ハイセンスでした。

ブルックリンブリッジを背後に
記念撮影。

ちょっと離れたところに

ブッシュウィックコレクティブ
(落書き芸術)があってテンションあがりました。

若干廃れた感、
貧しい人もちらほらで、

マンハッタンが別世界に思えてきます。

そして今から8年前、
プロバスケットボールチームが移転。

ブルックリンに、

55年ぶりに誕生したプロスポーツチームが
「ブルックリンネッツ」です。

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■移転計画決定後、

世界金融危機など
さまざまな難題に直面。

ロシア人大富豪の融資を得て
なんとか設立にこぎつけたのですが、

当初は反対も多かったみたい。

低所得者層が住宅や仕事を失い、
地域から締め出されるとして、

建設地では
反対運動が行われました。

ところが現在は、

スラム街だったダウンタウンが
大都市に変貌し、高層ビルが立ち並ぶ。

ゴミが散乱していた街がきれいになって、
試合が開催されるときはイベントで盛り上がる。

おしゃれな店が増えて
街の雰囲気が変わりました。

経済面での影響
以前とは比較にならないでしょう。

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■多くの恩恵がもたらされたブルックリン。

すべてではないにしても、

移転が成功だったとうなずく市民は
少なくないと思います。

今思えば、

プロスポーツチームが街にあたえる影響が
ポジティブであると多くの人々が納得できます。

ところが移転前は
多くの反対活動がありました。

つまり多くの人々が、
このポジティブな変化を想像しづらかった

ということがわかります。

強力な文脈がなければ存在しえない
プロスポーツ。

どんなマーケティング戦術より、

文脈をつくり、人々に想像させることが、
地域がプロスポーツを受け入れられる理由

になります。

街がきれいになり、おしゃれな店がたちならび、
活気あふれ、経済が潤う。

それらをひとつに結びつける接着剤が
文脈です。

バスケットボールの試合は、
文脈によって意味を持つように。

ブルックリンネッツが
磐石な文脈を作る努力をしたからこそ、

市民の反対が沈静化して、
移転が成立した

という成り行きがイメージされます。


■文脈づくり。

これからのスポーツ
(だけではありませんが)の文脈は、

売り手(クラブ)主体から、
消費者(ファン)のアイデンティティを軸にしたもの

に変わっていくと思っています。

クラブのトップダウンではなく、
ファンや市民のボトムアップで練り上げた文脈
が、

地元に根づく本物のブランドになりえると。

ファンや市民の努力を
クラブの文脈に取り入れる。

消費者と結びつくストーリーは
最高のマーケティングになりえます。


■そして今、まさに

ファンや市民に
クラブの立ち上げから関わってもらい

歴史という文脈づくり
クラブと一緒に行う試みが展開中。


これからたくさんの市民、
もしくは京都だけではなく全国のファンに

応援してもらって
サポートしてもらう必要があります。

そのときに

自分が何者で、何を作っていて、なぜそれが
ファンにとって大切なのかをストーリーで伝える

ことができなければ
誰も振り向いてくれないでしょう。

スポーツを売るという
シンプル過ぎる施策はもう飽きられています。

このプロジェクトを支援するかどうかは
より情緒的で直観的に基づく決断

取り引きだけじゃなくて
感情を訴える。

そのためには
クラブ内ですべてが完結するのではなく

人々に会いに行き、声に耳を傾け
語りかけ、寄り添って

ファンや市民と一緒に、

共感されうる文脈づくり
をしていかなければなりません。

興味のある方はぜひ。
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本日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




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