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コンテンツマーケディングは「ストーリー」を語ること

昨日は

リブランディングにおける
3つのポイント
と称して、

主体性をもって「戦う場所」を決め、
貪欲に、組織を「正しい方向」に導きましょう、

というテーマで書いてみました。

どちらかというと
クラブ側に視点を置いて書いたのが昨日。

対して今日は

クラブの外」に向けて、
という趣旨で書き進めていきます。

価値の定義を行ったクラブが、
サポーターや地域社会に対し、

どのようにしてその価値を認知してもらい、
彼らの関心を獲得し、

購買、リピートにつなげていけるのか、

「発信」に焦点をあてて
考えてみたいと思います。

■顧客の関心は自分自身

こんなことを書くと
身も蓋もありませんが、

サポーターやその他消費者は、

地元のサッカークラブが
どんな価値の定義を行ったのかについて

関心を示すことは
ほぼありません。

サッカークラブだから、
サッカーの試合をしてビジネスするんでしょ?

程度の印象を持たれる方
がほとんどではないでしょうか。

学術的な観点で

サッカービジネスや経営を学ぶ意欲
のある方でしたらその限りではないかもしれませんが、

少数派だと思われます。

つまり、顧客の関心は自分自身

忙しい毎日の生活、仕事や学業、
恋愛などに時間を費やし、

多々ある趣味のひとつであるサッカーが、
人々の関心の序列から劣後
してしまうのは必然です。

そんな前提で

「いかにして知っていただくか」

に思いを致すことが
マーケティングの醍醐味。

■ストーリーを語る

一昔前の「売り込み、アポなし営業」
といったアプローチは

プラスになるどころか大きなマイナス要因として
顧客の脳内に記憶されます。

そうならないための
コンテンツ制作のポイントは

ストーリー

を語ること。

地域社会やサポーターが抱える課題は?
クラブは何ができるのか?

一方通行ではない、
クラブ本位ではない、

クラブの内側にサポーターや消費者を巻き込み
出演者に仕立て上げるような

エモーショナルなストーリーを考え、
各種媒体に乗せて発信します。

積極的に「信頼できる存在」であろうとし、

サービスを売るのではなく、
サービスに伴う夢のあるストーリーを構築していきます。

ストーリーが魅力的で、役に立ち、
語りかけるようなトーン、スタイルが

首尾一貫してクラブの
「価値の定義」を訴えることで、

顧客の信頼を獲得してきます。

並行して、サポーターに直接会って、
対話を通して新しいインサイトを獲得し、

コンテンツのアップデートを行い続け、

エンゲージメントを
地道に増やしていきます。

絶対に成功する道はありません。
完璧などそもそもありえませんので、

どこに最適解があるのかを探求する営み、
不断の試行錯誤が欠かせません。

■ビジョンが絶対的な意思決定基準

当然のことですが、
コンテンツ制作にあたっては、

価値の定義
つまり「クラブのビジョン」が

描かれていることが大前提。

多くがやってしまうのは、
軸となる指針なしにコンテンツを企画すること。

指針があって、
リーダーのディレクションがあってなお、

方向性が少しずつずれ始める、
あるべき軌道から逸れていくことは

往々にしてあります。

すべての部署が首尾一貫して
同じ世界観
をまとい、

規定に倣った色や形、フォントなどの
ディテールが

コンテンツに反映されているかどうか。
ここが意外と軽視される傾向があり、

顧客とのコミュニケーションが
うまくいかない主因であると考えられます。

配信時間も含めて一貫性があるから
顧客に信頼されるのであり、

信頼がなければ、

顧客を引き寄せ、引き留めて、
顧客の消費行動を変化
させることはできません。

また「購入ボタン」を押してくれた後、
どのようにアプローチするのか。

セカンドアプローチのデザインは、

さらなるコミュニケーションと、
リピート率向上に寄与します。

この繰り返しが、

顧客の信頼の強化、
そして「売り込みを許可される」環境づくりにつながります。

ここでようやく

「購買に必要な情報」

を伝えることができるのですが、
間違っても

「自分の思考」

に合わせて
コンテンツの質を毀損しないこと。

いつどんなときも
「ビジョン」
が脳裏に焼き付いていて、

コンテンツ制作のプロセスにおける
あらゆる意思決定基準となるよう

習慣づけることが大事です。

コンテンツマーケティングは、
顧客へのアプローチであり、

ビジョンを浸透させる活動であり、
ビジネス戦略
でもあります。

■購入後が本当の勝負

ストーリーが共感を生み、
クラブの近いところに引き寄せて、

少しずつ、

手を挙げて購買の意思
を示してくれる顧客。

同じお客さんに
何回も買っていただくこと
がビジネスの原則なので、

「売ってやれやれ」

と安心してはなりません。

よくやりがちな
機会損失、逸失利益は、

リピートを促進する仕組みづくりを怠り、

「新規顧客獲得」のワンパターンで
自転車操業に陥り、いつまでも楽できない

という状況から発生しています。

推奨コメントを必ずいただくこと、
推奨コメントの掲載許可を取る

などといった基本的なことから、

チャネルごとにコンテンツの内容を変えたり、
意図的な差別化を展開したり、

コンテンツ上で顧客が
どのような動きをしているか

といったデータに基づく
効果測定や改善は

絶え間なく行う必要があります。

しかしながら
必要以上にデータに依存する必要はありません。

もっとも大切なのは
ビジョンと世界観の共有

すぐに結果が出るものではありませんので、
拙速にブレてしまうのは合理的ではありません。

ですが適切にデータをとり、
顧客の足跡を追い、

ABテストなど織り交ぜながら
傾向をつかんでおくことは、

ファンづくりに
一定の効果はあるかと思われます。


※本稿は以下文献を参考にしました。
エピック・コンテンツマーケティング 顧客を呼び込む最強コンテンツの教科書(ジョー・ピュリッジ)



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