週末はゆっくり心を休めて
2021シーズンのJリーグが開幕。
コロナ禍で難しい運営を強いられる
Jリーグです。
誰に聞いても
「今シーズンのほうが断然キツイ」
とまゆをひそめます。
昨年末に予定されていた公式戦が
1月4日にずれこんだりして、
年末年始休みなし。
例年だと大きな会場を借りて、
全クラブのキャプテンが一堂に会して
前夜祭的なイベントを行うのですが、
今年は見送りました。
その代わりにデジタルでJリーグの開幕を告げる
YouTube番組を
24時間配信し続けるという
初の試み。
配信は一見すると
便利で低コストのように誤解されがちですが、
複雑な機器を用意して、
慣れない作業に四苦八苦したあげくコスト高とあって、
リーグスタッフの疲弊の色は
まったく隠れていませんでした。
弊社はサッカー好き芸人が
元気に稼働。
あたらしいシーズンの幕開けを
盛り上げました。
私はよく、一週間の労働を追えて週末の朝に目を覚まし、「ああ、今日はスタジアムに行く日だ」とつぶやいている人を想像することがある。フットボールを観る喜びや、最高のゲームへの期待…たとえ保証はできなくても、それに応えようという気持ちは常に持っていなければならない。人々の生活に大きな影響を与える仕事をしているんだ。
イングランドの強豪クラブ
アーセナルを指揮して22年。
今は勇退してFIFAの要職を務めている
アーセン・ベンゲルさんの言葉。
Jリーグが開幕するたびに思い出す、
私のスポーツに対する信念を形成する
きっかけとなった言葉です。
ちなみにアーセナルのビジョンには
こんな文章がつづられています。
町工場の社員同士がつくったアーセナルは、代り映えのしない単調な日常に変化を与えた。
アーセナルは世界中の人々を魅了し、ファンになってくれた人に誇りを与えます。
ビジョンを達成するために、アーセナルで働くすべての人はビジョンを信じ、ともに前進し、独自の方法論を追求していきます。
少なくない方が、
スポーツ観戦をした経験があると思います。
なにげない会話、
いつもどおりの家族との日常。
なんだか騒がしくなってきたと思ったら
目の前に大きなスタジアムが。
周辺にはユニフォームを着た若者や、
お酒を飲みながら談笑するおじさんたち。
焼きそばやたこ焼きを食べる家族
が目に入ってまるでお祭り騒ぎです。
チケットをもってゲートをくぐると
「ゾクッと」するような感覚。
スタジアム内にはすでに
たくさんのお客さんが
キックオフを待ち遠しく見守っていました。
ウォーミングアップをする選手たち。
いやがおうにも「いつもとは違う」雰囲気にさらされます。
不思議な感覚。
日常とはあきらかに違う空気感に
次第に引き込まれ、
試合中の美しいプレー、
ゴールの瞬間に胸を突き上げるような歓声と、
おもわず隣の見知らぬ人たちと
ハイタッチ。
感じたことのない一体感
を記憶している人も多いのではないでしょうか。
■現在は
来場が制限されて、
少し寂しいスタジアムですが、
非日常がもたらす解放感と一体感は、
スポーツが持つ唯一無二の価値であり、
ベンゲルさんやアーセナルが
見事に言語化した世界観でもあります。
スポーツってどこか排他性があって、
初心者が入りづらい。
「マニアトラップ」
なんてマーケティング用語もありますが、
コアファンの
対象を愛するがゆえのマニアックさに、
初心者は壁を感じてしまう。
スポーツは特に
その傾向が強くて、
マニアに競技性(技術、戦術、選手、監督)
を語られるとついていけません。
新規顧客減の行きつく先は
ファンベースの縮小。
特に日本のスポーツクラブが
このワナにハマる可能性は低くなくて、
その防止策が
100年以上の歴史をもつイングランドに
見出すことができるとは、
当たり前のように思えて実は
見落としがちなポイントでもあります。
■競技
の結果を競う戦場で戦うのではなく、
軸足をずらして「非日常」を販売する。
これがイングランド流の
スポーツへの向き合い方です。
そもそも町工場、学校、教会、パブ
の仲間たちが、
空いた時間に始めた遊びが
サッカー、ラグビー、クリケット、テニス…
シンプルなルール、どこでも手軽に始められる
サッカーは市民権を得て、
各地で「する派」と「みる派」にわかれて
熱狂を生んできました。
「代り映えのしない単調な日常に変化を与えた」
アーセナルが語るスポーツの原点。
スポーツって
競技のうまい下手を競うより先に、
「変化」
に価値が置かれていたんですね。
日頃のストレス、上司のいやみ、
人間関係、家庭のこと、進学や結婚、
鬱積するいろんなストレスを発散して、
感情を開放させて、
人生に対する肯定感を得ること。
「生きててよかった」と、
また明日の仕事に向けて
気持ちを切り替えることができる場、コミュニティ。
それがスポーツの価値、原点です。
■人間には、
生きていく中でこういった
「変化」に心躍らせ、
一方で心休ませる時間が
必要なんだと思う。
ずっと気を入れっぱなしだと壊れてしまう。
どこかでストレスを弛緩させて、
またがんばる。
スポーツを観たり、したりするだけではなく、
バーベキューをしたり、clubhouseをしたり、
買い物したりカラオケしたり。
2月最後の土日は
皆さん何して過ごしますか?
私は読書かな~。
久しぶりにゆっくりしようと思います。
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。
それではまた明日。
おつかれっした!
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