見出し画像

無観客のコミュニティにコンテンツを投下するという戦略の誤謬


無観客のスタジアム
をみてふと思った。

競技のクオリティを疑う余地はなく、

そこで展開されているのは
まごうことのない超一流のスポーツ。

ですが
観客がいないわけです。

なんとなく、

「ええもん作ったら売れる」

という古き良き時代の
職人気質が頭をよぎりました。


■モノが不足していた時代は、

モノを作ったら
売れた時代でもありました。

質がともなえば
巨万の富を生む。

いかにして効率よく製造し、
物流するかが「戦略」でもありました。

そして現代。

モノが溢れ、
人々の課題はおおかた解決され、

人々の価値観が多様化
されていくなかで、

「ええもん作ったら売れる」

という発想は
肩身の狭い思いを強いられている。

1200万画素が
2400万画素になったところで

スマホの売上が
2倍になるわけではありません。

世の中のニーズは、
スペックを上げることにあるのではなく、

気づかなかった課題を発見し、
解決してくれる
商品やサービスへシフト。

「ええもん作っても売れない」

時代になりました。


■オンラインサロンや、

YouTubeもそう。

有料記事を販売できるnoteも
同じカテゴリーに入るかもしれません。

コミュニティを形成し、
ファンを獲得し、

コンテンツを提供して
マネタイズするビジネスモデルです。

お金はなくなってもいいけど、
登録者は絶対に離さない、

と語るユーチューバー。

コンテンツのクオリティ
もさることながら、

登録者(ファン)を
獲得して逃がさないために、

何をすべきか。

日々研究を重ね、
創意工夫をしているそうです。

ハイクオリティなサッカーをしても、
観客がいなければ意味がない。

といったところでしょうか。

※コロナ禍における無観客試合を
ディスっているわけではありません、念のため。


■弊社でも

デジタルプラットフォームによる
マネタイズが喫緊の課題。

ところがどうも

「無観客試合」

をイメージさせる建てつけが多い。

企画を考え、
アスリートやタレントをキャスティングして、
収録、編集、配信

という流れ。

一話完結
であることも特徴的で、

とにかく配信を増やしてPVを稼ぎつつ、
登録者を増やしていくビジネスモデルです。

いつマネタイズができるのか
見通しが立てにくく、

マネタイズができたとしても、
自転車操業的であることに変わりはありません。

まずはスタジアムに
お客さんを入れる仕事に注力すべきでは?

と思わずにいられません。


■スタジアム、

という箱の外に
幾重にもつらなる顧客の層。

スタジアムの中にファンが、
外側にスポーツ観戦に興味がある人、

さらに外側にスポーツすることに興味がある人、
そしてその外側にはスポーツ無関心な人々。

層に応じたアプローチは、
個別具体的に設計され、

そのときどきで
むやみにマネタイズを考えず、

むしろ持ち出しで
「与えまくる」こと。

一時的なコスト(時間、労力、お金)
をケチって、

そのうえにゴリっと稼いでしまおう
といった発想ではそっぽを向かれてしまう。

いかにマネタイズのタイミングをずらすのか。

スタジアムに入ってもらって、
何度かリピートしてもらって

ようやくお支払いいただく。

そんな気長でやわらかい
顧客とのコミュニケーション、

がイメージできているかどうか。


■プラットフォーム(スタジアム)

をつくって、
その中だけで仕事を完結させるのではなく、

スタジアムの外で
いかに丁寧に顧客と向き合えるかがポイント。

無観客のスタジアム
に集客するストーリーは、

「ええもん作ったら売れる」

では描きにくい。

プラットフォームで
どんな価値を提供するのか。
人々のどんな課題を解決してあげるのか。

スタジアムでスポーツを見たお客さんが
感動するような価値を、

いかに具体的に描いて、

スタジアムの外にいるお客さんに
訴えることができるかどうか。

「ええもん作って、
ええもんかどうかわかってもらう」

ことが不可欠です。


■この記事をアップするころには

Jリーグも再開されているはず。

無観客のスタジアム。

さみしさはありますが、
競技の質が下がるわけではなく、

今まで聞こえてこなかった
いろんな「音」を楽しむこともできて、

ぜいたくな空間を
お茶の間で堪能している。

未曾有の危機を
乗り越えんとするとき、

リーグと全クラブ、選手とスタッフが
手を取り合って、

支え合っている様子は
スポーツの未来に一条の光を灯す。

正念場はチャンスです。

僕も一ファンとして、
そしてスポーツビジネスに片足を突っ込んでいる身として、

リスタートに
おおいなる希望を抱いています。


■一方で、

今手掛けているビジネスに

「無観客試合」を彷彿とさせる
戦略の誤謬を感じ、

思わずアウトプットしてみた次第。

考えること、
やらねばならぬこと多々ありですが

今日はこのアウトプットで
一旦小休止。

サッカーをとことん
楽しみたいと思います。


今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。

それではまた明日。
おつかれっした!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?