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朝トレは脳に効く

今日はオフ。7時に起きて外でランニングしました。涼しくて太陽がまぶしくて、最高にぜいたくな時間。この時間を逃すことほど惜しいことはないと思えるくらいめちゃくちゃ気持ちよかったです。何度もnoteで書いていますが、朝に運動すると脳が活性化して、集中力がずっと高い状態を維持することができます。

強いストレスを受けると脳の何十億というニューロン(神経細胞)の結合が蝕まれ、鬱の状態が長引くと脳の一部が萎縮してしまいます。ですが運動をすれば神経科学物質や成長因子がつぎつぎに放出されてこのプロセスを逆行させ、脳の基礎構造を物質的に強くできます。運動をして脳の準備を整えてから、机に向かってなにか新しいことを覚えようとすると、脳に入ってくる刺激がニューロンの結合を強めていきます。

くり返し人が通るうちに、森のなかに道ができていくのと同じ。激しめの運動を通して、ニューロンの道を作って学習の準備をします。頭をしっかり目覚めさせてから仕事なり、読書なり、英会話なりをしたほうが圧倒的に効率がよくなるということですね。

そもそも学習とは、情報を伝達するためにニューロンどうしを新しく結びつけることを意味します。筋トレをすると筋肉が大きくなるのと同じように、情報を取り込むことで脳は鍛えられていきます。私たちの思考、行動や環境がニューロンのつながり方にフィードバックして脳が変化。すなわち脳の配線は、絶えずつなぎ直されているということです。

ニューロンは、誕生して発達していく過程で、なにか「仕事」を見つけなければ死んでいきます。つまりニューロンは使わなければ絶えず失われていく神経細胞。かつてニューロンの研究にたずさわった科学者たちは、ニューロンの誕生や変化、死滅する原因をつきとめようとありとあらゆる道具をつかって研究を続けました。偶然にも、手押し車を動かしただけでニューロンの数に大きな変化をもたらすことを発見し、マウスの実験によってニューロンが、何かしらの運動によって生まれ、環境から刺激を受けて生き残っていくと仮説を立てました。

体育の授業を毎朝行った実験では、体育を午後に行った生徒よりも、明らかに成績が向上することが示唆されました。体育の授業が、学習のために必要なニューロンを脳に与え、そのあと授業で受けた刺激が新たに生まれたニューロンに仕事を与えて、脳を活性化させることを報告したのです。

元来、私たち人間は体を動かすようにできていて、そうすることで脳も動かしています。かつて食料を見つけるときに頼った運動機能とともに脳が進化。学習と記憶の能力は、体が動かないのであれば不要、という信号が脳に組み込まれるようになりました。

運動を終えるとまもなく脳に血が戻ってきます。このときこそ、鋭い思考と複雑な分析を要する課題に取り組む絶好のチャンス。最大心拍数の60〜70パーセントを保って35分間ランニングマシンで走っただけで、認識の柔軟性が向上することが示されています。

有酸素運動をすれば、不安がたちまち解消されることも研究で立証済み。運動すると体の筋肉の張力がゆるむので、脳に不安をフィードバックする流れが断ち切られます。体が落ち着いていれば、脳は不安を感じたり心配したりしにくくなるということ。恐れとは危険の記憶です。じっと座って思い悩む代わりに何かしらの行動を起こすと、思考プロセスは受動的応答中枢を迂回、恐怖を抑えて、同時に脳はその新しいシナリオを学びます。体を使って脳を治療できるということでもあります。

休みの日は心と体を休める日。じっと家にこもってダラダラするのもありです。ですが上述したように、科学的信憑性の高い「運動と脳の関係」を知れば、ちょっとだけでも(特に朝)体を動かしたくなるかも知れません。

久保大輔




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