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理性的な思考は、感情がきちんと働かない限り正しく機能しない

多くの人は日々、仲間や知人、家族に囲まれて生活しています。仕事や学校でも、同僚や同級生と一緒に行動することが求められています。学生だったら学祭や体育祭など、みんなで一つのことを成し遂げる機会があると思いますし、社会人なら常に、毎日がチームで目標に向かって動いています。

そしてそれぞれに役割が与えられ、リーダーが示した方向に進みながら、役割を全うしていきます。それぞれが役割を忠実に実行すれば自ずと目標に近づく。舵取りの成否はリーダーの資質そのものです。個々はリーダーを信じて、リーダーの指示に従って行動すればいいという安心感を持って、自分のやるべきことに集中します。

ところが目標へのプロセスにおいて、誰もがいつも100%の状態というわけにはいきません。彼女と別れて気分が落ち込んでいる男子。模試で高得点をとってハイテンションの子。部活でミスをして感情が不安定な女子もいるでしょう。そんなとき「誰を使うか」というリーダーの目利きは、不安定な航海を安全に導いてくれます。

あたかもスポーツの試合であるかのように、日々のタスクを誰に任せるかはリーダーの意思決定事項。選手がピッチで躍動するように、指示された人は自分の役目を理解して実行します。すると同時に「試合に出られない人」が出てくることは当然の成り行き。そういった人たちの心のマネジメント次第では、チームが良くも悪くも変化することを心得るべきでしょう。

「なんで俺が外されたんだ?」っていう感情を持つ社員。「私の方が経験があるのに」と言って妬む女の子。人間だから感情が揺れることがあって当然です。ですがそのネガティブな雰囲気を組織全体に広げる行為はチームへの裏切り行為。いつも一緒にがんばってきた友だちに背を向ける行為でもあります。

役割から外されても、試合に出れなくても、仲間を信じて声をかけたり、手伝ってあげたり、一方で自分ができる努力を地道に続けて、ボスから指示が降りてくるのを待ったり。仕事が与えられていないときこそいい準備をして、いつ声がかかってもチームに貢献する仕事ができる人こそが真のプロフェッショナルです

でも正直、そんな高尚な感情を維持できる人って少数派だと思います。個人的にも、ポジションを外されて冷静になれるとはなかなか思えません。普段からテキトーに過ごして、大した努力もしていなければあきらめもつきますが、自分の行いに自信があればなおさら腹立たしい気持ちを抑えることは難しいでしょう。

だからこそリーダーの言動は無視できません。いかにメンバーの感情を推し測れるか?感情をかき立てられるような写真を見せられたとき、感情の起伏が起こらない写真を見せられたときに比べて視覚野が活性化することがわかっています。理性的な思考や意思決定は、感情がきちんと働かない限り正しく機能しません。

個々人のパフォーマンス、個人が選択して行う仕事、それにどれほどの労力を費やすか、どれほど創造的であるか、仲間たちとどう接するかは、個々人の感情、そしてモチベーションの複雑な相互関係に左右されます。それは脳の仕組みと密接に結びつくもので、人間であることに付随する切り離せない側面です。

チームビルディングについて勉強した一日。コミュニケーションについて深く学んだ一日でもありました。備忘としてまとめています。

久保大輔




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