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「目標設定」によって今の行動を規定する

アスリートのセカンドキャリアについて、とあるコンサルタントの方からお話をお聞きしました。「アスリートじゃないから私は関係ない」なんて最初は話半分だったのですが、どっこい私のような一般人だって同じじゃないか?と思うことが多々ありました。

そもそもなぜ、アスリートのセカンドキャリアが問題になるのか?スポーツ界に足を踏み入れてはや15年が過ぎましたが、15年前からすでに話題に出ていて、明確な答えが見いだせないまま時が経っているような気がします。

思い込み」については昨日も書きましたが、現役アスリートも同じワナにはまっていると語るコンサルタント。現役中は「競技に集中したい」と思うのは全アスリート共通の感情だと思います。ところが一方で、「将来のことが不安」という焦りがあることも少なくないでしょう。

相反する感情がぶつかり合う状態を「認知的不協和」と言いますが、2つの認知がお互いに矛盾しているとき、私たちはいつまでもこの状態を維持できません。なので、自分の現状や行動を正当化することで、認知的不協和を解消しようとする傾向が見られます。

将来のことを考えなければいけない。なぜなら、競技人生よりも、競技後の人生の方がはるかに長く、そこでお金を稼ぐことができなければ生きていくことが困難になるからです。当然多くのアスリートが理解している現実です。

ところが今、現役として競技で成果を残さなければあっという間に淘汰されてしまう厳しい世界にいるアスリートたち。日々の練習、食事、休養、余暇を適切に分配して高いパフォーマンスをアウトプットすることは無視できない、至上命題でもあります。

だからこそセカンドキャリアは後回しで、まずは競技に集中して認知的不協和を解消に向かわせるわけですが、これこそが「思い込み」だとコンサルタントは分析しています。つまり、現役を続けながら将来を思考することから逃げず、工夫して時間をつくって将来に向けた種まきをおろそかにすべきではないということ。

そのために「目標」を定めることが必要不可欠。将来何をしたいのか?自分は今後、何を社会に残していきたいのか?を考えること。現代は激動の時代であり、流動的で曖昧で脆弱です。定めた目標はおそらくどこかで軌道修正を迫られるでしょう。だとしても現時点で「目標」を定めることに意義があります。

ワクワクするような、突き動かされるような「目標」があれば、24時間をいかに有効に使って、将来の種まきができるだろうか?という思考が働きます。「あんな本を読んでみよう」「次はこんな人に会いに行ってみよう」「明日はこのセミナーを受けてみよう」 

プロのアスリートは、実はかなりの「自由な時間」が設けられています。トレーニング以外に、食事や休息、そして将来に向けた勉強をするために「自由な時間」を適切に分配できれば、「競技に集中すべき」と「将来に備えるべき」による認知的不協和も解消できるかもしれません。

そしていうまでもありませんが、将来の目標設定や、時間管理、「今に集中すること」も含めて、私のような一般人も十二分に心得て、行動しておくべき、だとも思いましたので備忘としてまとめてみました。

久保大輔




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