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牛込柳町でミャンマーコーヒーとココナッツプリンを食す

2023年9月30日。9月最後の日。夕方の予定の前に、食べログで発見した牛込柳町にある「Aung Coffee(アウンコーヒー)」というお店で一息つくことにした。

ここはミャンマーのコーヒー豆を現地に直接仕入れに行き、生豆のまま仕入れているコーヒーショップだ。ベトナムコーヒーは聞いたことあるけど、ミャンマーコーヒーもあるとは新鮮だ。

店内はカフェというより焙煎所といった感じで、作りこまれていない内装だった。一階のテーブル席は落ち着かなそうなので、二階に移動した。

TRANSITという旅雑誌が店内のブックスタンドに置かれている。その横に腰を据えたせいか、モスグリーンのリュックサックがバックパッカー感を強くする、iPadで何らかの作業をする男性、A4サイズのパソコンと大量の書類を机に広げる、荷物重いんだろう茶髪の男性、そして諸般の事情で浮足立つ気持ちに蓋をして平静を装う私、の三人が二階に座っている。ちょうど座っている座席を線で結ぶと、いびつなトライアングルになる、ノマド三人衆。

とNOTEを書いていたら、一度二階を覗き込んで引きさがった男性が、果敢に二階の席に腰を下ろしてきた。くっ。ノマドトライアングルを崩す気か。
しかし男性はパソコンやiPadを持っていない様子。なるほど、トライアングルメンバーにはなり得ない人か、と気持ちを落ち着けることに成功した。今日の日記ではこの男性にあまり言及しないようにする。

上で述べた、浮足立つ気持ち、について説明したい。私が何に嬉しさを感じているのかというと、ついに外出先でパソコン(9月に買ったばかり)を広げて、ノマドワーカーの一員になれたことだ(実際はつらつら日常をつづっているだけ)。周りからみてもきっと違和感はないはず。パソコンは調子に乗ってピンク色などは選ばず、漆黒のブラック。ビックカメラの販売員からも、これはパソコンユーザー歴が長い人から見ても、とてもクールな限定色、と劇押しされた。
単に浮足立ったノマドワーカーとは私は一線を画しているのだ。そう思いまた浮足立ちそうな気持に蓋をする。

ココナッツがふんだんにかけられたプリンを口に運びながら、窓の外に目をやる。道の向かいには「沈黙の焼肉」というお店がある。おそらくバイトだろう女性が入店した。店名に影響されすぎか、扉の開け閉めがとても静かそうだ。

そういえば今日は昼食のあとにケーキを食べた。いつもは挑戦しない、フルーツ系のケーキ。「キウイとダージリンのケーキ」と、「ライムとパッションフルーツのプリン」。近所のケーキ屋がちょうど明日まで10%オフセールをしているので、夫に買ってきてもらった。定額なら本当に好きで外れないものを選ぶけれど、セールの時は普段チャレンジしないものに手を伸ばしてみたくなる気持ち、あるよね。
案の定、「おいしいけれどリピートはしない感じだよね」という結論に二人とも落ち着き、足早に茶道の講義へと向かった。

茶道の講義を聞いた後、薄茶と和三盆をいただいた。その際、先生から「甘いものを取りすぎると外反母趾になる」という話を聞いた。先生は和三盆を食べなかった。そして今私はアウンコーヒーで、ココナッツバナナプリンを食べている。白いプリンに真っ白なココナッツがまぶさっている。先生の言葉がふっとよみがえる。このココナッツは砂糖ではないから、今日一日の砂糖摂取量はそんなでもないよな、とせめてもの抵抗をしてみたが、だめだ。
まぶされたココナッツの内側にある白くて大きいプリン本体を見ろ、自分。ほとんど砂糖だよ。
おまけにこの後お腹が空いた時用にと、ココナッツケーキまで買ってしまっている。
明日も変わらない足であることを強く祈る。

ノマド三人衆のトライアングルを崩そうと(いう意思があるかは不明)割り込んできたおじさんは、着席した際、水が入ったコップを2つ置いたもんだから、2人がかりで盛大にトライアングルを崩す気か、と訝しく思ったけれど結局一人だった。純粋に水分が欲しかっただけだった。疑いすぎだった。心の中で小さく反省する。

そんなこんなで、一つの空間で、ノマド三人衆と阿吽の呼吸を取りながら、一人静かにしてくれているおじさんに感謝しつつアウンコーヒーを退出する。言及しないつもりが最後はこのおじさんで締めてしまった。



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