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私たちは「期待」に飢えている

FROM ボブ・バーグ

レス・ギブリンの名著「人望が集まる人の考え方」では「相手に何らかの行動を引き出す最も良い方法は、期待に応えるチャンスを相手に与えることだ」としている。書籍の中では、相手に期待をかけ、その期待に応えた人たちの例がいくつか紹介されている。その一つにとある警察官の話がある…

 次々と犯人から自白を引き出す警察官の話…


その警察官は、取り調べにおいて次々と凶悪犯から自白を引き出し、著しい成果をあげていた。なぜ、彼は凶悪犯から自白を引き出すことに長けていたのだろうか?実は、このように犯人に語りかけていたとされる…

「お前の評判はよく聞くぞ。厄介な奴だ…とな。様々なトラブルも起こしているようだが、一つだけ、お前が絶対にしないことがある。そう、お前は嘘だけはつかない、そうだろう?周囲の人物から聞いた話によれば、お前が話すことは何でも真実だと言うじゃないか。だからこそ、今日、私はここにきたんだ」

ある時代の警察官は、ひどいもので取調室で暴力を振るい、自白を強要するケースもあったとも言われる。しかし、彼が焦点をあてていたのは暴力でも、口撃でもなく、いかに凶悪犯の持つ自尊心とうまく付き合うかであった。

また、ギブリンは英国の首相であったウィンストン・チャーチルの言葉を引用している。それは「相手に美徳を身につけさせる最善の方法は、相手にそれを期待することだ」ということだ。これは、警官が真実を見つけ出すためだけでなく、人を動かすことにおいてもとても精通した考え方だ。

 ボブ・バーグがこの方法を称賛する理由


また、これは数年前のことになる。それは、先ほどの本を読んだ直後のことだった。まさしく、この方法を使わなくてはならない場面があったのだ。それは、私のためにある情報を探そうとしていた女性とのやり取り際に訪れた。

私は以前、彼女のサービスを使ったことがあり、その際にも、彼女は良い仕事をしてくれていた。ただ、いつもなら滞りなく仕事ができる彼女もこの時ばかりはこの情報を見つけるのに苦戦していた。徐々に彼女がイライラしている様子も見受けられ、あまりいい雰囲気とは言えないものだった。そこで、私は彼女と同席している人にこう言ったのだった…

「普通、こうした情報が見つかるかどうかはわからないものです。ただ、彼女だったら見つけることができるだろうと私は確信しています」

ありがたいことに、彼女は、必要としていた情報を探し出してくれた。そう、彼女は期待に応えてくれたのである。私がこの方法が素晴らしいと思う理由は、彼女に対して専門家としても、そして人間的にもとても有能な人物であることを彼女の中で自覚してもらえるところにある。

「人を動かす」ことも、もちろん大切だが…


だからこそ、あなたも状況にあわせて、この方法を使ってみて欲しい。心無い言葉によって他者の自尊心を傷つけることはとてもたやすいことだ。しかしながら、本当に、相手に対して美徳を期待することは”望む行動”を引き出すだけでなく、相手の”自尊心”も育んでくれる。

であるならば、この期待のもたらす影響は、その場に限らず、一生涯にわたって続くかもしれない。それは、かけがえない人であるほど、とても価値あるものになるはずだ。もし仮に、あなたに子どもがおり、その子に成功を望むならば、その子の持つ自尊心を育むより優れた期待のかけ方があるはずだ。

そう、私たちは相手の期待に応えたくなる生き物だ。だからこそ、期待に応えるチャンスを相手に与えることは大切になる。事実、彼らはそうなってくれるのだから。

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