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【井村俊哉さん解説】 日本人は合理的に判断できる。そして、リスクを取れる!

なぜ、日本では“投資”が根付かないのか。新NISAや資産運用立国など、政府のかけ声が高まるなかで、家計金融資産はついに動きだすのか。

個人投資家でZeppy代表取締役の井村俊哉さんは「日本人は合理的に判断し、リスクを取れる」と話します。(金融ジャーナル編集部。2024年1月号「マネーシフト 家計の資産選択」掲載分から一部内容を再編集。数字等は掲載時点)



「現金で置いておく方がマシ」という合理的判断

日本人が投資に消極的な理由として指摘されるのが、①そもそもお金がない ②何に投資すべきか分からない ③損をしたくない、の3つだろう。そして、金融リテラシーの欠如もよく指摘される。

これらは確かに存在するが、私はあえて違う側面からの考察が必要だと思う。それは「日本人は『日本株に投資をするより、現金で置いておく方がマシ』という合理的な判断をしていた」という仮説だ。

2023年は日経平均がバブル期以来の高値を更新したが、冷静にみると、今なお1989年の高値は30年以上更新できていない(編集部注、2024年2月にバブル期高値を更新)。

その意味では、この30年間は「日本株に投資をしない方が正しい選択だった」と言える。

しかも、デフレは長期にわたり続き、現金にしておくだけで相対的な価値が高まっていた。こう考えると、

日本人は合理的な判断をしてきたという仮説は十分に成り立つだろう。

ビットコインへ積極的に投資していた日本人

日本人が投資に消極的なのかを考察する上で思い出すのは、2017の仮想通貨の急騰劇だ。2016年にわずか数万円だったビットコインは2017年に200万円を超える急騰をみせた。

この時、ビットコインの将来性を予見し、世界的にも積極的に投資をしていたのが日本人だ。

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