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ファシリテーションの教科書の補習2(「仕込み」によって実現したいこと)

前回の続き(賛否の理由を考える)

ファシリテーションの教科書のChapter2~3あたり
・ 具体的に実行可能な「仕込み」チェックリストを作る目的で整理
・ 「さばき」の前の「仕込み」にフォーカス

「仕込み」の流れ

- 「議論の出発点と到達点を決める」
- 「参加者の状況を把握する」
- 「論点を洗い出し、重みづけをし、深める」

「大事なことだけ」を頭に刻む

- 広く丁寧に論点を洗い出していても、そのまま記憶することは無理
    - また、その必要もない(臨機応変に対応することができなくなるため)
- 「重要なことだけ」に絞り、それだけを頭に焼きつけておく

「重要なこと」とは何か?

1. 「議論の到達点」
2. 「重要な論点とその関係」
    - この会議の議論は結局、何を実現・解決するためのものか?

「重要な論点」とは

- 合意形成をするうえで必ず考えなければならない点
- 特に意見が分かれる論点

「論点の地図」で俯瞰し把握

- 論点相互の関係を「構造的な地図のようなイメージ」で捉えておく
- 「論点の地図」で議論の位置を把握する

 「上下の関係」と「前後の関係」

論点相互の関係には、「上下の関係」と「前後の関係」とがある

「上下」とは
  - 「上」上位の大きな(抽象度の高い)論点
  - 「下」下位の具体化・細分化した論点
  - 「前後」とは議論すべき順番のこと

この順番には下記2つの場合がある

1. 段階的に議論する
   - Aの論点を議論し合意を導いた後、Bの論点を議論する必要がある場合
2. 順番にはこだわらなくて(A・Bどちらの論点を先に議論しても)よい場合

たとえば「ある自動化ツールの発注先をどこにするか?」を議論する際の2つの論点は(便宜上、単純化しつつ・・・)

1.  「そのツールが備えるべきスペックは何か?」
2.  「どこから購入するか?」

スペックが決定しなければ下記の決定ができないため2つの論点は「前後の関係」があるといえる。

- どこから購入すべきか?
- どのツールが候補となりうるのか?
- 何を重視して選択するか?

実際の議論では、話の順番が逆になることもある。

ただし、本来「前後の関係」にある論点を逆に議論していると、結果的に結論が出せなくなる(適当な時点で出戻りが発生して、順番を修正することになる)。


一方で、具体的に「購入先を決定する上での判断ポイント」になる下記の論点については、議論の順番はある程度の自由度がある

- サービス品質はどうか?
- 価格はどうか?

下記を忘れないように二次元の「論点の地図」を手元のメモしておく

論点の地図
  - 横軸に「論点の前後関係」
  - 縦軸に「論点の上下関係」

論点を地図のように構造化して捉え、迷子にならないようにする
  - 議論の場で今話し合われているのはどの段階の論点なのか
  - どのレベルの議論をしているのか

まとめ

- 「議論の到達点」「重要な論点とその関係」を頭に刻む
    - 頭に「論点の地図」描くことが「仕込み」のゴールとも言える
- 議論を適切な方向にリードために「論点の把握」を把握する
「仕込み」における論点の把握は下記の順番で進める

 1. 「広げる」(考えうる論点をいったん幅広く洗い出す)
      - 「合意形成のステップを細分化して考える」ことが有効

 2. 「絞り込む」(必要かつ重要な論点に「重みづけ」する)
      - 「議論すべき論点」
      - 「議論すべきでない論点」
      - 「議論する必要はないが、確認する論点」
      - 「置いておく論点」

 3. 「深める(さらに具体化する)」
      - 意見が分かれるポイント
      - 結論に大きな影響を与える論点

「議論の切り口」を用意するとともに、「アウトプット/インプット」の関係を使って結論に影響を与える論点を洗い出していく


これ以降は「問題解決のステップ」へ移る

参考


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