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ファシリテーションの教科書の補習(賛否の理由を考える)

ファシリテーションの教科書のChapter2~4くらいまでの補習メモ
・ 具体的に実行可能な「仕込み」チェックリストを作る目的で整理
・ 「さばき」の前の「仕込み」にフォーカス

賛否の理由を考える

反対の理由

・ 話の内容自体がよくわかっていない
・ そのアクションがもたらす具体的な影響度が正しく伝わっていない
・ 目的や、それが必要とされている状況認識が具体的に理解できていない
・ 本来よりも過度にネガティブなインパクトがあると感じてしまっている

賛否の両方の理由を想定しておく

例: 以下のような議題提案があったとする。

「事業拡大をめざすために、いくつかの部門から数人ずつを出して、新たに新規事業専門チームをつくる」

反対の理由のチェックリスト

1. やるべきか?
2. やりたいか?
3. 実現可能か?

1. やるべきか?について

・ 「優先順位が高いのは新規事業ではなく既存顧客の深耕なので反対」

2. やりたいか?について
(それが表明されるかはともかく)

・ 「自分はあまり新規事業に興味がわかない」
・ 「今のチームの関係が良く、新規チームで一緒になる人とは苦手だ」

3. 実現可能か?

・ 「新しいチームをつくる方針自体には賛成だが、管轄するチームはただでさえ人手不足で新チームに人を出す余裕がない」

異なる意見が出てくる背景

判断の際に重視するものが異なる
(価値判断の軸に相違がある)

例1:顧客に近いところで仕事をしている人は
・ 売上が上がること
・ 顧客に喜ばれること

例2:生産や開発に従事している人
・ 品質を安定させることや効率を高めることなどを重視

価値観の違いは個人的な属性を除き以下の影響を強く受けることがある

・ 参加者それぞれが背負っているミッション
・ 自分の仕事が何によって評価されるのか
・ つまり立場の違いが価値判断の違いを生む

異なる意見が出てくる背景には、自分の見方以外の判断基準が存在すること自体に気づいていないことがある

・ 「こう考えるのが当然」
・ 「なぜ当たり前のことが理解されないのか」

※後述予定の問題解決ステップの「What(問題意識の明確化)」で対処すべきケースも多い

ファシリテーターが存在価値を発揮できるポイント

1. 立場の違いから複数の価値判断の軸が存在しうることを認識させること
2. 参加者それぞれの判断軸を相対化して示すこと
3. 立場の違いを超えて合意できる箇所はどこか?と参加者の思考を導くこと
4. 「意見の背景」は議論中に明示的に示されることは稀と意識する
5. 態度や感情そのものを問題にしない
 ・ 参加者の立場や状況を感情移入して考え、感じるように努めること
 ・ その状況であるこで感じる懸念や不安をまずは認め、共感すること
6. 懸念を解消するためにどうすればよいかを考え、そこに働きかけてみる

まとめついて

・ 参加者の状況を理解することは、会議を成功に導くうえできわめて重要
・ 参加者の状況を確認し把握するために以下から押さえていく
・ 話されるテーマに対して参加者が
 ・ 「何を知っていて何を知らないのか(認識レベル)」
 ・ 「どのような考え/意見を持っているのか(意見/態度)」

補足

「認識レベル」とは

・ 参加者が以下について何をどれくらい理解しているかということ
 ・ 「議論の前提」(議題自体の意味、議論の目的、背景、重要性)
 ・ 「議論の中身」(知識/経験/情報/状況イメージなど)

「意見/態度」とは

・ 以下を具体的にイメージしながら考慮する
 ・ 「賛否の対象」(参加者はどこに賛成/反対しているのか?)
 ・ 「賛否の理由」(どういった理由で賛成/反対なのか?)
 ・ 「賛否の背景」(参加者がそのように考えるに至ったのはなぜか?)

次回は「仕込み」によって実現したいこと

参考


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