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VTuberの投げ銭事情から、きっかけ作りの大切さに気づいた話。

皆さんこんにちは。Fanicon運営の石浦です。

今回の記事のポイントは以下になります。

・ここ数年、ライブ配信での投げ銭が盛り上がっています。特に日本ではVTuberが躍進してます。
・ただ、ライブ配信において投げ銭をする人はまだまだ少数派であるというデータがあります。
・配信データを分析してみると、投げ銭には「きっかけ」があることがわかりました。
・そのきっかけは「挨拶」「達成」「発表」の3つに分けられ、全く違うきっかけが投げ銭に影響していることが判明しました。

以上です。
配信における投げ銭事情について気になった方は、早速本文へ行ってみましょう!


先日、大手VTuber事務所「にじさんじ」を運営するANYCOLOR株式会社様の決算資料が発表されました。
そのなかで私の目を引いたのは次の数字でした。

・売上高 142億円
・営業利益 42億円(29.6%)

ANYCOLOR株式会社, 2022年4月期 通期決算説明資料

一般的に営業利益率は11%を超えると優良水準と言われています。
それを踏まえると、上記の30%近くの利益率がいかに驚異的なものかがわかるかと思います。

このように、近年急激に力をつけ始めた「VTuber」に焦点を当て、今回は進めていければと思います。
よろしくお願いします。

VTuberのスパチャがすごい

スパチャといえばVTuber、VTuberといえばスパチャという図式が僕の頭にはあります。(スパチャ=YouTubeでの投げ銭機能, スーパーチャットの略語)

その根拠付けとして、皆さんも見たことがあるであろう、PLAYBOARDが発表した2021年の世界スパチャランキングを掲載させていただきます。

ご覧の通り、TOP10中9人がVTuberになります。
TOP5にいたっては全員が日本人向けのキャラクターであり、日本でのVTuberの躍進が如実に現れていると言えそうです。

また、11位以下にも多数のVTuberがランクインしており、スーパーチャットとVTuberが結び付けられることは必然なのかもしれません。

投げ銭にはまだまだハードルがある

さて、ここまでの話を聞いてみて、こう思われる方もいるかもしれません。

「日本は投げ銭大国?!よーしとにかくライブ配信を始めて丸儲けだ!」と。

ただ少し待ってください。見ていただきたいデータがあります。
それがこちらです。

投げ銭をしたことがあるか

日本トレンドリサーチは、YouTubeやその他ライブ配信サービスでの投げ銭経験の有無を聞く調査をされています。

その結果、2,530人のうち6.6%の166人の方が「投げ銭をしたことがある」と回答したとあります。

これを見て私は「あれ?意外と少ないな…」と率直に感じました。

世界ランキングに載るほど日本のVTuberのスパチャ額は目立っていますが、この調査結果を見ると、実際に投げ銭をしている人はまだまだ少数派であると言えそうです。

そこで私は考えました。

「VTuberの配信には我々視聴者が投げ銭をしたくなるような"何か"があるのではないか?」と。

ということで、次からは実際に配信を見て感じたことや気づいたことにフォーカスして、投げ銭事情を紐解いていきたいと思います。

投げ銭にはきっかけ作りが大事

実際に配信を見ていくと、どうやら視聴者が投げ銭をする「きっかけ」のようなものがあることが見えてきました。

こちらの配信を例にあげてみます。

こちらは壱百満天原サロメさんという2022年5月21日ににじさんじからデビューされた方です。

そんな彼女の配信中に、トイレ休憩を挟む一幕がありました。
生きてる以上仕方のないことではありますが、視聴者にとっては配信が途切れるということで少し退屈な時間になってしまいそうです。

しかし、ここでチャット欄を見てみるとこのような光景が見られました。

【おバイオ7】BIOHAZARD 7 ✦ をプレイいたしますわ! ✦11【ですわ】※おグロ版 1:03:00あたりからスパチャの流れが速くなっていることがわかります。

待機中にも関わらず、チャット欄にスパチャが流れ続けています。
これは俗に言うスパチャ芸と呼ばれているもの。
中でも今回の事例は水流しと界隈的には言われているものになります。

視聴者が投げ銭をする「きっかけ」とはまさにこのようなことを指しています。

このきっかけ作りの代表例として、2020年のスパチャランキング(外部リンク)にて一位を獲得した桐生ココさんがいらっしゃいます。

【#桐生ココ】世界一伸びしろを感じる歌枠 

水の流れが意識されているのか、主に青色で表示される投げ銭が流れ続けていることが確認できます。

この水流し以外にも、ゲーム内での目標の達成や、デビューからの周年記念などで多くの投げ銭がされている事例が見受けられました。

周年記念配信での一幕

【 サソシュウネソ 】雑【 3周年 】 周年配信はやはり大きな投げ銭のきっかけになっていると考えられます。

実際に私自身、この記事を書くために多くのVTuberの配信を見てきましたが、何か配信におけるきっかけがあることで、「せっかくだし投げ銭するか!」という気持ちになりました。

では、この「きっかけ」は具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

投げ銭の「きっかけ」3選

ということで、VTuberによる配信の内容と投げ銭の相関について調べてみました。
手法としては、配信内で投げ銭が集中しているタイミングを見つけ、そのタイミングでの配信内容を確認するというシンプルなものです。以下データの一例です。

上記のデータからだと、配信経過時間の3:00:00と3:30:00の間に一つ、4:00:00周辺に二つ目の投げ銭のきっかけがあることが予測できます。

このようなデータを見ることで分かった、投げ銭のきっかけになる3要素をご紹介します。

これらがトリガーです

一つずつ簡単に説明していきます。

①挨拶

データを見ていると、配信開始直後と終わり際には基本的に投げ銭がよくされている傾向がありました。

特に雑談配信ではこの傾向が顕著に現れています。
以下はとあるVTuberの方の雑談配信のデータになります。

配信開始直後(0:00:00)と終わり際(48:00:00)に投げ銭が集まっていることが分かります

その内容を見てみても、配信者に対する挨拶が添えられているパターンが多く、視聴者は何か特別なことがなくても、挨拶代わりに投げ銭を行うという傾向が見えてきました。

②達成

こちらは比較的わかりやすい要素かと思います。
配信者が配信内で何かしらの目的を達成した際に、視聴者が投げ銭を行うというものになります。
例えるなら、路上のマジシャンにマジックの成功報酬を支払う感覚に近いのかなと思います。

上記はとあるVTuberの方がゲームの大会に出場した際の配信データになります。
この方は大会で優勝を果たしているのですが、見てわかる通り、優勝が確定した2:00:00のタイミングに投げ銭が集中しています。

このような、所謂見せ場作りが配信においては非常に重要なスキルになってくることが、視聴者の投げ銭傾向から改めて明らかになったと思います。

③発表

VTuberの方は、活動の節目節目で様々な発表があります。
デビューからの周年記念であったり、新衣装の発表など視聴者にとっては一大行事に思えるものがこの「発表」の要素に入ります。

以下はとあるVTuberの方が新衣装の発表をした時点からのデータになります。

偏りなく広い範囲に分布している点が特徴的

前に紹介した2つの要素は、どちらかと言えば局所的な投げ銭分布になっていました。
それに比べ、こちらは配信を通して投げ銭が投げられ続けている点が特徴的です。

このような何かしらの発表がある配信を見ていて感じたことは、チャット欄の流れが凄まじく速く、配信の雰囲気が祭りのような様相を呈していたことです。

私も調査のために見るだけのつもりだったにも関わらず、流れに任せていつの間にか投げ銭をしていました。

この流れを作るというのも、配信においては必要な要素なのかもしれません。


まとめ

まとめると、ライブ配信で視聴者に投げ銭をしてもらいたいのなら、きっかけ作りが大事ですよというお話でした。

それでは、今回はこのへんで失礼いたします!


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