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Fanicon ブランドリニューアルに寄せて

こんにちは。Fanicon(ファニコン)のプロダクト・マネージャーを務めているハヤト (@hayato1986) です。いつもFaniconを気にかけてくださりありがとうございます。あるいは初めまして!かもしれません。

この記事では、リブランディングをするに至ったきっかけと、新しいデザインが生まれた経緯についてお話しさせていただければと思います。

どうぞ、お付き合いいただけますと幸いです。


Fanicon とは?

Faniconは、2017年12月に開始したファンコミュニティサービスです。

AAAの宇野実彩子さんのようなフォロワー100万人を超えるような国民的アーティストをはじめ、ミュージシャン・俳優・スポーツチームなど、多種多様な業種の、ファンに愛される人たち = アイコン に使っていただけるサービスへと成長しました。

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ファンとアイコンをつなぐコミュニティ機能からスタートし、チケット・グッズ販売、ウェブサイト作成などの既存ファンクラブの主な機能をカバーした上で、スクラッチくじやギフティング、ライブ配信などの新機能を開発してきました。

2年半の歳月を通して、ファンコミュニティの価値をマーケットに問い、少しづつ受け入れられて来ているようにも感じます。

Fanicon が抱えていた課題 

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Faniconのデザインは、開発当初にターゲットとしていた YouTuberを中心とするオンラインクリエイター向けのプロダクトとして、彼らをイメージしたポップ・エンタメなデザインでした。

しかし、既存のファンクラブとは異なる「ファンとアイコンをつなぐファンコミュニティ」として、使ってくださるアイコンの方々の幅が広がったことで、開発当初のデザイン・トーンが合わないアイコンの方も増え、導入にいたる障壁となってしまうことが多々ありました。

このような課題はしばらく前から感じていたのですが、不思議なもので自分が作ったサービスを言語化し、どのようなイメージにしていくかを鮮明に描くことが出来ずにいました。

そんな悩みを抱え始めたちょうど一年前、サンフランシスコ出張で著名なデザイナーの方とランチをした時にこの悩みを相談したら「最高のアートディレクターがいるのでお願いしてみるといいかも。売れっ子だし忙しいだろうから受けてくれるかどうかはわからないけど」と言われ、今回ご一緒させていただくことになる OH の わりえもんさん(@wariemonを知りました。

以来一年間、つてを探し、タイミングを見計らい、ようやくお声がけさせていただいて必死にアピールして、今回ご一緒させていただくことができました。
わりえもんさんを知った時からアウトプット全てに目を通して「絶対にやってもらいたい!」と思っていたので、最高のスタートを切ることができました。

課題整理とタグラインの見直し

まず、Faniconをより多くのひとに使っていただくためには「どんな存在になるべきなのか」「そしてその障壁になっているものは何なのか」を理解するところから始まりました。

ロゴに関しては前述の通りですが、サービスを端的に表すタグラインが、今のFaniconが持つ価値、目指す姿を表現できていないという課題も見つかりました。

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この「faniconであなたのホームをつくろう」というタグラインは、「ファンだけしかいない安心な場所である」 = 「あなたのホームである」という安心感を前面に押し出したものでした。

Faniconにとって安心感というのは重要な要素でありつつも、今となっては構成する要素のひとつでしかなく、「安心できる場の提供」という一機能の説明になってしまっているという課題が浮き彫りとなりました。

また、サービスのロゴと同じくらい触れることになるタグラインにおいては、ファンとアイコン両者にとってポジティブに受け入れられる言葉を改めて模索する必要がありました。

With fan, More fun. というタグライン

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そして、生まれた言葉が「With fan, More fun.」でした。

ファンがいてこそのアイコン。アイコンがいてこそのファン。
ファンがいるから、アイコンは魅力的になり、ファンもさらに魅了される。
そして、共感したファン同士がつながり、
もっと楽しく、もっと長く応援したくなる。

ファンのみなさんと共にある = With fan なサービスであり、
新たな楽しみをうむ = More fun なサービスであり続けよう、
という思いを端的に表現。

「好き」や「愛」など、受け取り方によっては重く甘く感じられるかもしれない言葉をそのまま使うのではなく、ファンが楽しんで応援し、アイコンが活動に集中できている状態 = fun と表現することで、ポジティブに、ニュートラルな印象をもつタグラインが生まれました。

ファンとアイコン、外と中をつなぐロゴ

既存のロゴのもつポップな印象は「かわいい」「やわらかい」「あたたかい」といったイメージを前面に押し出すことで、そのイメージに相入れないアイコンも多く生んでしまいました。しかし、「あたたかさ」はファンコミュニティの強みの一つでもあり、このバランスに苦慮しました。

そんな中、デザインの最大のヒントとなったのが「ライブハウスの熱狂は外からでは伝わらない。中に入ってやっとわかる」というディスカッションの中の発言でした。

そして、タグラインである With fan, More fun. をそのままコンセプトに据え、この新しい Fanicon のロゴが生まれました。

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表面上はニュートラルでシンプルな装いの中に、fan が集い、あたたかく賑やかな fun な場所であることを表現する、ファンコミュニティの外と中をつなぐ「窓」のような存在を意識し、デザインを行いました。

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特に象徴的なのは、このシンプルなFを形どったシンボルです。
形状は無機質ともいえるほどに究極にシンプル。このシンプルなデザインには3つの意味が込められており、Fanicon / ファンコミュニティのあるべき姿を描いています。

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一つ目は「equality / 等しさ」
F を描く要素である2本の線をイコールに見立て、ファンとアイコンに対して等しくファーストであり続けるサービスであることを描いています。
ファンがいてこそのアイコン。アイコンがいてこそのファン。そしてその両者がいてこそのFanicon。どちらかに傾くことなく、みんなが共に幸せになる場所をつくることを描いています。

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二つ目は「empathy / 共感」

Faniconの独自性であるコミュニティを通じて生まれるファン同士の共感。今までのファンクラブに存在しなかった、fun を生み出し、fan であり続けるきっかけを生み出すコミュニケーションを吹き出しにも見えるFマークに込めました。

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そして三つ目は「embrace / 包容」

ファンとアイコンにとって心地よい場所であることをあたたかなグラデーションで表現。あたたかさを色として取り込むことで、ファンコミュニティの空気感を描き出しました。ファンとアイコン、外と中をつなぐシンボルとして、多くのひとにうけいれてもらうためのニュートラルな印象と、ファンコミュニティの暖かさを両立しました。

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ロゴタイプも、過剰な柔らかさは排しつつも、適度に丸みを帯びた書体をベースに、安定感と一体感のある強さを感じるものに。

ひとつのギミックとして、Faniconの名前の中心にある「i」をファンコミュニティの中の自分 = あなた と見立て、i が中心に来るように調整をし、わずかに他の文字よりも背が高く見えるように高さを調整したことで「あなた」が中心にいる場所、ということを描きました。

Faniconに触れるひとの立場にかかわらず、今触れている「あなた」に対してファーストであることを描くことで、ファンとアイコン、両者に対して真摯に向き合う姿勢を表しています。

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そして、ささやかではありますが、アプリ起動時に見られる演出を添えました。

登場シーンのようなスモークでアイコンとつながれる高揚感を描き、アイコンにとっては心地よいあたたかな自然体でいられる場所であることを空気の流れで描きました。


チームにうまれた一体感

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ロゴ・タグラインが出来た時、僕はこれ以上のものは無いと自信を持ちました。
Faniconの価値を一文で表現する「With fan, More fun」をチームに説明した際の、みんなの納得した顔を見てそれは確信に。
ファンやアイコンと向き合う時はもちろん、一つの機能を作る時にでも、自然と With fan, More fun. であろうとする強い一体感をもつチームになりました。

その成果はすぐに現れ、先日始まった全日本プロレスさんとメンバーのやり取りでは、With fan, More fun. の考え方をベースとした提案に強く共感していただき、熱のあるプロジェクトとなりました。

また、Faniconのユーザーであり、プロジェクト序盤でユーザーインタビューもさせていただいた ACIDMAN 大木伸夫さん に新しいロゴを見せた際に、「めちゃくちゃ良いですね!!!」と、ポジティブな言葉をいただけたことも、僕らにとっては大きな自信になりました。


最後に

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改めて、Faniconは「With fan, More fun.」を新たにタグラインに掲げ、ブランドをリニューアルしました。

ファン同士がつながり、もっと楽しくもっと長くアイコンを応援したくなるサービスで有り続けたいと、新しいロゴ・タグラインに想いを込めました。

「ファンがいてこそのアイコン、アイコンがいてこそのファン、ファンがいるからアイコンはより魅力的になる」と、私達はそう強く信じています。 

今日のFaniconがあるのも、日々ご利用いただいているファンとアイコンの皆様に支えていただいているからです。

SIDのマオさんACIDMANの大木さんてんちむさん全日本プロレスさんなど挙げればキリが無いですが、特に初期の初期から利用していただいているドズルさん福山あさきさんなど、アイコンの皆様には感謝の言葉しかありません。いつも本当にありがとうございます。

Faniconはこれからもファンとアイコンのみなさんに求められる存在であり続けるように、進化していきます。

今後ともFaniconをどうぞよろしくお願いいたします。

2020年7月16日
THECOO株式会社  Fanicon事業部
プロダクト・マネージャー 星川隼一

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