履歴書その8~迷路~

3回目の鬱による休職。もう教師を諦めなければいけないかもしれないし、ある日自殺しているかもしれないし、教師としての私の話を誰かにしておこうと思うけど、話し相手もいないのでここに書こうと思う。

私は、特別支援教室の教員を担当したことがあります。特別支援教室とは、

特別支援教室は、発達障害のある子どもたちをはじめとした個別の教育的ニーズに対応し、より適切で効果的な指導を行うための一つの指導の形態です。(以下サイトより)

それまで、いわゆる◯年◯組のようなクラスの担任は経験したことのある私でしたが、当時、特別支援教室ははじめて。何をすれば良いか分からず、とりあえずいろいろな本を読んだりしましたが、特別支援教室での経験が豊富な先輩方が、一対一の指導の際、いろんな子供にさせていたのは、迷路でした。

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私も最初は、訳も分からず真似をしていましたが、指導をしていくうちに、いろいろな効果があることが少しずつ少しずつ、分かってきました。(当時は、毎日いっぱいいっぱいで、今だからこそ書けるのかもしれません。)

私が感じた迷路の効果は、以下の4つです。

1.運筆の練習

手先が不器用な子。鉛筆をうまく動かせず、文字が上手に書けない子。字の形が整わない子。

そんな子たちに、鉛筆を細かく正確に動かす練習になります。「壁にぶつかったら消しゴムで消してね」と伝えると、より丁寧に鉛筆を動かそうとしてくれます。

2.見通しをもつ練習

行き止まりにぶつかってはイライラする子。何度も行き止まりにぶつかると、こちらが何も言わなくても、分かれ道の手前で止まり、道の先を確認するようになります。

何も考えずに行動して失敗してしまう子が、日頃見通しをもって過ごすための、小さな小さな一歩になると信じて取り組ませていました。

3.衝動性のコントロール

「壁にぶつかったら消しゴムで消してね」と伝えると、どうしても鉛筆の動きはゆっくりになります。(それか、意地でも自分のスタンスを曲げず、ぶつかりまくってキレる・・・こうなるとまた「今の自分の気持ちをキレずにどう伝えるか、など臨機応変に対応しなければならないのですが)さっさと終わらせたいとか、なんでこんなことやらなきゃいけねーんだよ、など衝動的になりそうな気持ちをコントロールするための、小さな小さな一歩になると信じて取り組ませていました。

4.難しい課題に向けた最初の一歩

この時間、一対一の指導において、その子が苦手な課題(例:漢字を書く、算数の文章題、文章読解、他人の気持ちを読み取る、勝ち負けの受容など人によりさまざま)に向き合いたい!というこちらの思いがある。でも、漢字を書くのが苦手な子どもからしたら、いきなり漢字のプリントをドン!と出されたらやる気は失せます(笑)。でも、迷路ならできます!車が好きな子なら車の迷路、冬ならクリスマスツリーの迷路、など1枚目に迷路を持ってくることで、子どものテンションもちょっと上がります(たぶん)。乗せて乗せて、一番コンディションの良い状態で、その子にとって苦手な課題に取り組んでもらい、成功体験を積み、自信をもって自分のクラスへと帰ってもらう。そのために、ちょっと楽しく思える迷路は、子どものテンション・コンディションを100%にもっていく、ちょっとした小道具でした。


振り返れば、迷路をいっぱい活用しました。他にもただの遊びだと思っていた物が、指導の場でたくさん活用できたので、また今度紹介したいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます!


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