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【こころ #63】発達障害に適した生活空間を提供する建築士


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齋藤 隆裕さん


 齋藤さんは、発達障害のある方に寄り添った生活空間の相談に乗れる建築士。


 「一般的な工務店さんって、やっぱり数を売らないといけないし、カスタマイズにも制限がある。身体障害者向けのバリアフリーの知識は広まってきたけど、発達障害となると個別性が高く、触れた経験がない中で当事者の意見まで汲み取ることが難しいんですよね」


 齋藤さんが最初に発達障害に触れた経験は、職場だった。働くママである同僚が、預け先に迎えに行けない日や残業がある日は、職場にお子さんを連れてきていた。その子には、自閉スペクトラム・知的障害があった。

 それまで「”障害児”という言葉が独り歩きして、スーパーで泣き叫んでしまう子とか、偏見しかなかった」。そんな齋藤さんが初めて一緒に過ごした障害児は、「ちゃんと受け答えもできるし、純粋でかわいい」女の子だった。


 そんな女の子のママからある時、障害のあるお子さんを預けられる「放課後等デイサービス施設が市内で足りておらず、自ら立ち上げたい」と相談を受ける。

 齋藤さんは、合同会社の立ち上げから手伝う中で、障害のあるお子さんとご家族が暮らす生活シーンが想像できるようになっていく。施設だけではなく、建築士として「家の中でも工夫できることがたくさんある」と気付いた。


 それから「建築士として、必ずしもセオリーではないことも必要」だった中で、多様な感覚過敏や衝動的な行動、温度変化への感度、視覚支援の有効性といった個々の特性を踏まえつつ、それに対応可能な間取りや材料や設備等を考えてきた。

 例えば、外の視覚的刺激に敏感に反応して集中できない、狭い空間の方が落ち着くお子さんには、机の両サイドに仕切り壁を設ける形で専用スペースを設けた。

 例えば、シーリングファンは建築的には付けることがベストだが、障害の特性によっては回転するものをいつまでも凝視してしまうケースもある。入居前に対応を確認している。

 例えば、時計があっても毎日の生活リズムが安定しないお子さんには、シーリングライトの色を通じて「赤色に変わったらお風呂に入って寝る準備」といった形で知らせるようにした。結果的にお子さんは自主的に行動するようになり、お母さんはお子さんを怒らなくなった。


 こうした個々の特性にあった対応は、簡単にできるものではない。
 冒頭で述べた通り、一般的な工務店は特性を理解して汲み取ることもそれを建築に反映することも難しい。それ以前に、家を建てる施主も最初から家族の発達障害について明かし、さらに「だからこうしてほしい」と具体的な施工依頼に落とし込むことは容易ではない。

 だから、齋藤さんのように双方を理解して仲介してくれる人材が必要なのだ。


 齋藤さんは、建築士として、「家って、一生に一回や多くても二回位しか造らないものだから、大変だった…だけでなく、できるだけ楽しく家造りをして欲しいんです。その上で、完璧では無くとも『良い家が建てられたな』と、思ってもらいたい」

 そして、それ以上に「お子さんが自分でできることが増えれば、家族の負担が減る。そしたら子供をほめたり、家族の笑顔が増える。結果的に障害特性が安定する。そんなサイクルを生活空間の見直しから始めたい」


 文部科学省は2022年に、通常の学級に在籍する小中学生の8.8%に発達障害の可能性があることを発表した。これから発達障害×不動産という市場は一層大きな可能性があるのではないか。そんな成長市場が齋藤さんの活躍を待っている。





ここまで読んでくださった皆さまに‥


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