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ピンチをアドリブで乗り越える技 64/100(余白)

自問自答を繰り返しながら、
アドリブと演技の関係を
追求していってみようと思い立ちました。
100回(?!)連載にて、お送りします。


「ピンチに強い精神力」のシリーズも、5回目です。

今回も例の、「どう訳す?!」という質問から考えていこうと思います。

でも今回は和訳ではなくて、英訳です。

これは、私がもうかれこれ10数年にわたって悩み続けている単語なんですが、

余白

これって英語にどう訳しますか?

普通に辞書を開くと、紙面上の文章の書かれていない部分、という意味のMarginが出てきてしまいます。

Marginは「人生には余白が必要だ」的な時には使えません。

私は友人に紹介するときは、
The space that’s yet to be filled.
(いまだ満たされぬ空間)

という言い方をすることが多いです。

でも、これでは長い!まどろっこしいですね。

同様に、「余裕」も英訳が非常に難しい単語です。

英語にはコレと言ってドンピシャな単語がありません。つまり、欧米には、日本語的な「余裕」という概念が存在しないのだと思います。

この「心にゆとりがある状態」はピンチに陥った時などに、非常に大事な要素だと思うのですが、適切な単語がCalm(落ち着き)ぐらいしかありません。

その為、欧米では様々な表現でこの状態を探求するのではないでしょうか?
「ゼン」
「マインドフルネス」
もしかしたら、
「ヒュッゲ」

とかも、そういった経緯から注目されていたのかもしれません。

そういえば、マインドフルネスがまだ今ほどメジャーじゃなかった頃、JINS MEMEさんから、メガネ型の瞑想状態測定器が発売されていたのをご存知でしょうか?

私はとあるイベントで、これを装着して計測してもらったのですが、一つ前々から気になっていたことがあったので、これを試しました。

「能舞台に立って、カマエている状態って、マインドフルなのではないか?」

能舞台での正しい立ち方、在り方を、カマエと言います。

これは『離見の見』が出来ていて(7/100参照)、身体へ全方向から同量の力がかかって、静止しているように見える(25/100参照)、という状態を指します。

このとき脳内は、いわゆる「ゾーンに入っている」状態と似ています。

例のメガネ型装置をつけたときに、自分が能舞台に立っている状態を脳内再生したところ、数値的には「深い瞑想状態にある」という結果が出ました。

これが、ピンチ禍に必要となってくる「余裕のある状態」であり、「いま、ここ」が出来ている状態だという実感があります。

また、イギリス演技の役者の場合は、これとほぼ同じ状態のことを、
重心が下がっていて、
深い呼吸で脳に十分な酸素が行き渡っていて、
思考回転速度が速い状態

というような言い方をして、理論的に表現します。

つまるところ、冷静に、心にゆとりのある精神状態。

いかなる状況においても、これを呼び起こすことが出来るようになりたいものです。


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