見出し画像

私の英国物語 Broadhurst Gardens NW6 (48) Trooping the Colour, the King's / Queen’s Birthday Parade

毎年6月の第2土曜日には、国王の公式誕生日祝賀式典が催される。
王室の年間行事の中で最も大きな行事といわれるこの式典には、王室関係者や貴族、政府要人、世界各国からも著名人が招かれ、 軍楽隊の演奏と共に近衛騎兵隊と近衛歩兵連隊のパレードによる Trooping the Colour (軍旗敬礼分列式) が盛大に行なわれる。
この式典は、BBCで生中継されるので、自宅でもテレビで観ることができる。
ミセス・マーティンと一緒にお茶とビスケットを楽しみながらテレビで観覧した。

※式典は本開催の前にリハーサルが2回行われる。2024年は6月15日が本開催となっている。

国王の公式誕生日の祝賀式典は、1748年、King Edward VII の時代から Trooping the Colour と合わせて行なわれるようになった。
エドワード7世の誕生日は11月だが、祝賀式典は天候や気候が良い6月に行なうようにしたといわれる。

The Colours (flags) は、戦場において部隊の所在を明示する目的、また、兵士たちの精神的支えとなるものであり、軍隊において重要な意味をもつ。
Trooping the Colour は、かつて、各戦争の前後に行なわれていた。 
その伝統は歴史的にも古く、17世紀よりずっと以前にその起源を遡ることができる。 時代が変わった今日では、より儀式的な意味合いが強くなっている。
Trooping the Colour (公式名:the King's / Queen’s Birthday Parade) は、英国軍の Household Division (近衛師団)によって執り行なわれる。

The Mall の沿道は、既に多くの人々で溢れている。 
午前11時、 Buckingham Palace を出発した馬車と馬に乗った王室関係者の行列が、The Mall を下り、英国とその連邦の近衛兵が一堂に会する White Hall の Horse Guards Parade に到着。
セレモニーは、国王の観閲をもって始まる。 厳かに、Parade の中央で Escort for the Colour の儀式が行なわれる。その後、軍楽隊の奏でる音楽と共に王室の行列が Buckingham Palace へと再び出発し、近衛兵連隊による祝賀パレードがスタート。
軍楽隊の演奏は素晴らしく、その華やかな行進は圧巻。
Green Park では the King's / Queen's Troop によって祝砲が撃たれる。
パレードは the Tower of London へと続いて行き、the Tower of London でも祝砲が撃たれる。

国王は Buckingham Palace に戻られた後、王室の人々と共にバルコニーへと登場。 Buckingham Palace 上空を英国空軍の the Red Arrows による祝福の儀礼飛行が飛んでいく。大空を彩る赤、白、青のスモークが印象的。
そして、午後1時、厳かに祝賀式典は終了する。

一般市民も Horse Guards Parade の式典に出席することができる。
観覧希望者は、返信用の封筒を同封して近衛師団本部へ応募。
3月に抽選され、そして、選ばれた人は席料を支払う。
セレモニーのリハーサルは、祝賀式典2週間前2回、土曜日に行なわれ、公開もされる。

故エリザベス女王は、1986年まで軍服を着用し、自ら馬に乗って行進された。
“sideway” (横乗り)で、見事な手綱さばきの様子を BBC の記録映像で観ることができる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?