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MercedsとBMWが、TomとJerryのように仲睦まじい件

木曜日は、オヤジのクルマ談義を。

広告に於いて、ライバル会社を露骨に出し抜いたり比較対象にして弄ぶ表現は、我が国日本では感情的に好まれません。
なんというか、下品と思われるから?
フェアじゃないと?

例えば、Pepsi Cola は世界中のあちこちの国で Coca Cola社と競っているわけですが、ちょっとシェア的に劣勢な国に於いては『Pepsi Challenge!』といって駅前広場等で通行人に両社のコーラを目隠しで比較試飲させ、どっちが美味しいと感じたかを投票させたりしています。結果的には五分五分ないしは6:4でペプシコーラが勝つことが多く、そのドキュメントフィルムを使ってTVCMを放映したりしています。
(日本でも2000年頃に主要都市で同様のイベントが開催され、結果的にはペプシコーラが大勝したのですが、日本国民はそのアカラサマな比較広告イベントに諸手を挙げて賛同!とはいきませんでした…)

さて、世界を代表する高級量販車メーカーであり、ドイツ2強とも呼ばれるのが、Mercedes Benz と BMW。
その2社の広告合戦もまた、ウイットに富んでいてユーモアがあって面白いものです。
あ、もちろん日本では放映されていません。

BMWは、1916年にドイツ・バイエルンで設立されました。
蛇足ではありますが、その社名は、Bayerische Motoren Werke AG(バイエルン自動車工(株))の略です。
その BMWが創立100周年を迎えた2016年、宿命のライバル=メルセデスベンツ社が贈ったメッセージCM(15秒)がこちら。
タイトルは、『Benz celebrates 100years of BMW』

比較的簡単な英語ですので、辛うじて読めました。
Thank you for 100 years of competition.
(100年にわたるライバル関係に感謝してるよ)
The previous 30 years were actually a bit boring.
(それまでの30年間は、実は少し退屈してたんだ(笑))
ポスターはこんな感じ!

実はメルセデス社も、創立130周年だったのです。
お見事ですねぇ…

それに対して BMW側も、こんなポスターで報復、もとい恩返しします。

(ドイツ語版)
(英語版)

MERCEDES CAN ALSO BRING DRIVING PLEASURE.
(メルセデスはまた、走る喜びを運ぶことができますね!)
driving pleasure=走る喜び。ドイツ語では Freude am Fahren といって、BMW創立以来のキャッチフレーズなんですね。

フォロワーの方からコメントいただいた折に、重大な事を思い出しましたので追記します。
Freude am Fahren(driving pleasure) がBMW社のキャッチなら、メルセデスのキャッチコピーは、Das Beste oder Nichts(The Best or Nothing)、つまり『最善か無か』というものになります。
BMW社が『走る喜び』、TOYOTA社が『Fun to Drive(運転する楽しみ)』を訴求するのに対して、メルセデスとしてはどう考えているか?という問いに対して、『走る喜びには興味ない、あるのは最善か無かという哲学だけ』と回答したわけです。
上のBMW社のポスターは、この回答を皮肉ったものだろうと、今、改めて気付きました!

('22/7/31追記)

もっと言えば、BMWが2016年に作成したCMフィルム。
ライバル会社ダイムラー社(メルセデスベンツの経営母体)のCEOを13年間務めたディーター・ツェッチェ氏(66歳)の退任に際して、彼に捧げた心温まる映像。

BMWが公開した53秒のコマーシャルは、『最終日』とテロップが入った社長室のシーンから始まる。この日、ロビーではツェッチェを送り出すために多くの社員が花道を作っていた。握手をしたり、セルフィーを撮ったりしながら、ツェッチェは社員証を返し、長年愛した会社を後にする。ちなみにこのツェッチェは本人ではなく、コマーシャルのために用意された「そっくりさん」である。
外にはベンツの黒いSクラスセダンが待機していて、ツェッチェを乗せて自宅まで送っていく。降りた彼は車庫の前に立ち、そのベンツが去って行くのを静かに見届けるのだ。

(COURRIER誌・2019/6/8より引用)

かくして、そのオチは…?
察しのよい方なら想像つくかと思いますが、期待通りの素晴らしい結末です。もう、最高です!
53秒の余裕のある方は、是非ご覧ください。
日本では、おそらく向こう10年は見られないストーリですね。

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