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村上春樹が『SAAB900』を描いた短編小説が映画化されてアカデミー賞を受賞した件

木曜日はクルマ談義の日。

去る3/27(日)、濱口竜介監督の映画『ドライブ・マイ・カー』が、米映画界最高の栄誉であるアカデミー賞(国際長編映画賞)を受賞しました。このニュースが旬のうちに書いておかねば(笑)

タイトルからも予告編からも『クルマ臭』プンプンのこの作品を、実は観ていません。こうなったら、Amazon Prime Videoに配信されるまで待とうかなという魂胆です。

映画の原作は村上春樹さんの同名短編小説で、他の小説も盛り込んで3時間(179分)の長編映画になっているとか。村上春樹さんはけっこうクルマ好きで有名な作家さん。
主役は西島秀俊さん、いや、クルマブログなので主役は真っ赤な SAAB 900ターボ です(笑)
いやぁ、懐かしの名車!

そもそも SAAB (サーブ)って、40歳以下=平成生まれの方はご存知ないかもしれない。
スウェーデンを代表する自動車としてVOLVOと並び称されるメーカーで、1980年代のバブル期にはドイツ製高級車とはちょっと違うお洒落な感じで人気を博していました。
そもそもはBMW富士重工 (現SUBARU)と同様に航空機メーカーを発祥としているので、エンジンには定評あります。
ただ不幸にも2009年頃から経営悪化、事業売却を繰り返し2011年頃にはブランドとして消失してしまいました。つまり、今はもう新車では入手できない輸入車。

映画に登場する SAAB 900 は、その形状から2代目(1992~97年)ではなく初代(1978~1993年)ですので、最終製造としてもあれだけ程度の良い個体を見つけるのはたいへんだったかと推測します。
劇中に、『12年乗り続け、走行距離は10万キロを超えている』というセリフがあります。あ、私が乗っていた VOLVO V70は 19年で9万キロでした。似たようなモンだな(笑)

SAAB 900 cabriolet(カーセンサーnet)

実は、村上春樹の原作小説では『黄色のサーブ900カブリオレ』と書かれているのですが、映画では『赤いサンルーフ仕様のサーブ900ターボ』が使われています。
もちろん、原作と映画とで舞台となる土地や時代設定等が変わることはままあることなので、クルマの色やタイプが変わることくらい全く問題はありませんね。濱口監督が敢えて赤いボディを指定したのか、黄色いボディが見つからなかったのかは分かりません(苦笑)
僅か90秒の予告編しか観ていませんが、主人公の男女2人が、タバコを持った腕をサンルーフから空に突き出すシーンがあります(01:06)。カブリオレ(オープンカー)でそうするよりも、面白く印象に残る絵になったのではと思いました。大切な車内にタバコの灰を落とさない、良い習慣だと思います(笑)

(公式サイト予告編よりキャプチャ)

SAAB 900 はおそらく同社で最も成功した量販車種で、映画でも確認できるとおり、分厚くゆったりした本革シートと木目を活かした内装。雪国のクルマらしく、スイッチ類は手袋をしたままでも操作できるように大振りになっており、まさにスカンジナビアンな北欧家具の匂い。
車格は全長468cm×全幅169cmと当時の5ナンバー標準サイズですが、現代の映画で今ドキの普通車と並べるとやはり小さく見えますね。

どうしてこんなにも懐かしく感じるのかと思い起こしたら、私が新潟在勤時代(1993~98年)に、支店の先輩が最終モデルを新車で購入していたのでした。
北海道小樽市出身の先輩で、雪道には雪国のクルマという信念があったようです。
ところが数年して、運転席の窓が上がらなくなってしまった。たしか電動のオートウインドウだったと思いますが(予告編の00:43でも電動の音が聞こえます)、窓ガラスが下がったまま上がらない。当時、電装系のトラブルは北欧車でなくても輸入車あるあるです
ところが新潟市内にサーブの正規ディーラーがない。購入されたのが柏崎市のディーラーだったかと記憶していますが、そこも休みだったかで、ずいぶん永い期間、雨雪が運転席に吹き込むのに耐えながら運転していた先輩を思い出します(苦笑)

やはりお洒落や見得は、やせ我慢との闘いのようです。

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