シンプルと地味は紙一重
六本木駅のエスカレーターを登っている際に、壁に綾鷹カフェの広告が貼られていた。
綾鷹といえば、発売当初は「急須でいれたような香りと旨み」という謳い文句でCMを出していた。
個人的に、生まれ育った場所が緑茶で有名なところであったこともあり、家では度々緑茶を飲んでいた。
綾鷹を初めて飲んだ時の印象は、
「…急須でいれたお茶だ!」
複雑というイメージ
さて、このような品質で勝負する商品が出てくると、付き纏うイメージは、「職人」
職人という言葉に少なからず結びつくのは、「複雑」「難しい」「素人には理解できない」などがあると思う。
そんな綾鷹が、綾鷹カフェの広告を出していた。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/102083040/picture_pc_8bb0659646cb81d1d2ea8e151a0235e7.png?width=1200)
一眼見た瞬間に思った
「なんだこのシンプルかつ可愛い広告は!」
シンプルとは何か
このシンプルについて考察したい。シンプルに似た言葉として、地味や単純などがある
ここでいうシンプルは、単に英語の”simple”ということではなく、多くの日本人がシンプルという言葉とともに持つポジティブなイメージ(=洗練されているのようなニュアンス)を含む
綾鷹カフェの広告が私にシンプルという印象を与えた要因は、大きく2点あると思う
地味ではなくシンプルにするために必要な要素
広告と喧嘩しない環境があること
対象が普段はシンプルでないこと
特に2点目が大切であると私は考えている。
綾鷹もしくは綾鷹カフェは、通常のボトルのパッケージがシンプルかというと、そんなことはない。日本伝統ぽさ、漢字、ぼやけた色合い、などシンプルとは逆を行くといってもよい。
これが、今回の綾鷹カフェの広告をシンプルに見せる要因になっていると考えている。
デザイン以外で、シンプルを印象付ける
「シンプル」は、一歩間違えば「地味」になってしまう。
その間違いを犯さないためには、デザインだけで解決するのではなく、マーケットに会社や商品のイメージを事前に植え付けることが重要なのかもしれない
タイトルとは関係ない話
また、広告としても場所や時期、とても効果のありそうな広告である。
今日は2023/4/4(火)という、多くの新社会人にとって入社2日目に当たる日である。
周りとの比較、先輩からの印象・評価などで、常にアンテナを張っている時期には、すごく刺さるフレーズの広告だろう。
ちなみに、これは綾鷹カフェと全く関係ないが、綾鷹カフェの広告が私の頭に最初に思い出させたのは、グラフィックデザイナーの新井リオさん。
パッと見は少ない色でありながら、一つ一つの色にこだわりがあり、メッセージ性を感じるデザイン。
すごく面白い方なので、ご存知ない方がいたら、見てみてほしい。
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