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THE NEW QUARTET / Gary Burton

夏が終わり、上着を片手にYシャツ姿で柔らかい初秋の空気を感じながら歩く、というような機会も増えましたね。
ところで、ノー・ネクタイのときYシャツの一番上のボタン、いわゆる第一ボタンは外しますよね。窮屈なネクタイから開放される感覚や首周りから入ってくる風が気持ちいいわけです。一方、ネクタイを締めてないにもかかわらず第一ボタンまできっちりとかけたYシャツ姿は、なんとなく野暮ったい。“クソまじめ”的な雰囲気だと思いませんか!? 
この人がそうなんです…ゲーリー・バートンさん。ステージで演奏するときも、家にいるときも同じYシャツで、いつも一番上のボタンまでかけています。しかも、けっしてオシャレなドレス・シャツではなく、イオンタウンのワゴンに載っているような普通のYシャツ。からかわれても常にニコニコ。温厚で口数の少ないナイスガイです。その彼が、マレット4本を手にすれば、ビブラフォンのファイターに豹変します。
ところでビブラフォンという楽器ですが、木琴ではなく鉄琴。金属の音板が並んだ裏側に扇風機が仕込んであり、その羽根の回転によって音にビブラートをかけることができます。私は、この音色が大好きであります。
そして、このアルバムの中の1曲が、私はたまらなく好きなのです。高校時代から60歳の今に至るまで、ずっと好きです。
タイトル:Open Your Eyes You Can Fly
思わず赤面してしまいそうなタイトルのこの曲は、確かチック・コリアの作曲ですから単純なコード進行で、わかりやすい。曲を聴くとその気になりますよ。カラスの羽根をもらったダンボになれるのです。
ああ、誰かに“Open Your Eyes You Can Fly!” なんて囁いてほしい今の私。還暦の男に、そんなことを言ってくれる人なんているわけないですよね。
さて、当社には「野心プロジェクト」という制度があります。こんな事業をやってみたい、あの会社と合弁を組んで新規事業に取り組んだらビッグ・ビジネスに成長するのでは…など、野心的な考えと、しっかりとしたビジョンを持っている若い社員たちを会社としてバックアップしようというものです。ところが、まだ挑戦者が現れません。そのような若者たちに、Open Your Eyes You Can Fly と声をかけてみようかなぁ…
私は還暦ですので、残念ながらこのプロジェクトの対象年齢から大幅に外れているのですが、野心を持っています。うふふ!

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