主治医からのお土産
2020年9月 術後の経過観察 おおむね晴れ
退院後は教わったリハビリをしていた。
腕を真っすぐ上にあげたり、寝転んだ状態で手を首の後ろで組み上下させる動きをすると、ひきつり感が強かった。
でも3,4日で、もらったリハビリ冊子にあった動きはできるようになった。
最初は傷口が開くんじゃないかとビビりながら、そっとやっていたが、母が
「いいから早く(腕を)上げなさいよ」
と、グイっとあげたらそこからかなり上がるようになった。苦笑。
母も術後に先生に同じことをされ、一気に上がるようになったとか。
冊子の動きをクリアしてからは、元々自分がしていたストレッチをしていた。腕を伸ばす動きは意識した。
そうこうしているうちに、あっという間に経過観察の日。
この日はそれほど待たずに呼ばれた。
乳房の防水テープとその下の緩衝材のような薄いシートを外す。この薄いシートは水玉模様に穴があいていて、乳房にくっきりとその跡が。
「この丸いのはそのうち消えるから。ちょっと水を抜きましょう」
注射器をぶすっと刺し、水を抜く。
痛いのかと思ったが、感覚が麻痺しているようで何も感じない。
少し水が取れた。一番下に貼られていた縦のテープはそのまま。
センチネルリンパ節生検の跡はかゆくなってしまったので、自分でテープを外していたが、乳房の方は少し端がかゆいくらいだった。
感覚がなかったり弱いからだと思う。歯の麻酔がかかっているときの顎ほどの違和感ではないし、暑さや冷たさは多少わかるような気もするけれど、正常部分とは違う。触ると変な感じ。
主治医にずっとこのままなのか聞いた。
数か月とか年単位で変わるとか。
手術の話。
センチネルリンパ節は1つしか取らなかったと聞いていた。
1つしか見つからなかったってことですか?
「そうです」
2,3個取った場合よりリンパ浮腫などになりにくいですか?
「あぁ、まぁそうですね」
腕立てしても良いですか?
「やってみてください。なかなか100%には戻らないかもしれないけど」
(早速、帰ってやってみたが、私はもともとインチキ気味でギリ5回しかできなかっため、変わらなかった。微妙な変化がわかるほどの筋肉がなかったようだ)
採血は基本左から。失敗して使える血管がなくなったら右から採って良いとのこと。まぁ採らないって選択肢がない限り、採るしかないだろう。
ちなみにリンパ郭清している母は、術後10年が経った頃から患側でも採血するようになったとのこと。ただその後、リンパ浮腫になってからはまた健側から採っているそう(採血でリンパ浮腫になったわけではない)。
縦型モニターに大きな塊が映し出される。手術で摘出された塊をレントゲン撮影したもの。
「(一部を指しながら)多分この辺に(腫瘍が)あると思うんだけど、写ってないんだよねぇ」
腫瘍って手術の時に目で見えるんですか?
「ううん、見えないよ」
見えるのかと思っていた。
んっ!?じゃあどうやって取るの!?エコー確認が命ってこと?開けちゃったらもうエコーできないよね?確かに手術前夜にエコー確認しながら、マーキングしていたけれど。。。
それで目星をつけて取って、でも取り出したものをレントゲンに写しても見えていないって、結構な博打じゃないか!?
私が見てもエコー画像の奥行き感とかまったくわからないけれど、先生ならわかるのだろうか。もしかしてこの辺に経験値や腕が出るのかな。
ちゃんと取り切れているよね、、、一抹の不安が渦巻くが信じて願うしかないので口には出さない。全部、心の声。
最終病理の日程確認。
センチネルリンパ節生検の結果だけはもうこの時点で出ていた。
主治医が「お土産だね」といって先に教えてくれた。
0/1 転移はなしだった。
ホッとした。
告知から手術までの間、脇が痛いような気が何度もした。不安になることこの上なし。
主治医がみんなそうだと言っていた。
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