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大病をして身にしみる先人の言葉

一度しかない人生。
当たり前だけれど、誰しもが「初めての」10代、20代、30代、、、。
19歳の次は先に50代から経験するなんてことはできない。

そうなると、先をゆく人生の先輩の言葉は時にとても偉大。
何しろ自分自身では、今日という日より先を見ることはできないから。

私はそれを大きな病気をして改めて気づいた。
2年半前、36歳だった。


元来、優柔不断ではない。
進学、進路、就職、、、自分自身に関する物事について、決められず悩むことはめったになかった。重要な決断ほどスパッと決めることが多かった。

そんな性格もあって、何かの答えを外に求めることがなかった。
もちろん、友人や職場の先輩など周りに相談することはある。でもそれは、目的やゴールはすでに決めていて、それを達成するための相談が多かった。
たとえば転職だったら「転職をするか」ではなく、すでに転職はすると決めていて、書類選考や面接、自己分析の助言を求めるような。

対人以外でも同じ。
読書は子供の頃から好きだったけれど、娯楽目的で小説をメインに読んでいた。ノンフィクションの本を読むことはほとんどなく、同じく何かの答えを本から得ようと思ったこともなかった。

技術的な話などは別だけれど、人生や自分の思考など目に見えない部分について、先人の知恵を借りようという発想はなかった。

★★
それでもよく聞くフレーズや、名言のようなものは実際に言われたり、どこかで耳にしたことがある。
36歳でがん告知されたとき、思い出された言葉が2つある。

・「若いときの苦労は買ってでもせよ」
・「やらない後悔よりやる後悔」

この2つ、対極な意味で、本当に身にしみて思い出された。
私個人の偏見にみち溢れた内容だけれど、

「若いときの苦労は買ってでもせよ」

いや、苦労なんてしなくて済むならしないに越したことはない。
人生が「若さ」の先も続いていくとどうして言い切れる。
万が一、若いときに終わってしまったら苦労ばかりになってしまう。
健康に年老いて長生きできる保証があるなら、別かもしれないけれど。

これは実際に20代の頃、言われたことがある。
とある仕事を断ったときに上司に言われた。
当時は健康だったけれど、それでもまったく心に響かなかった。
苦労なんてしなくて良いならしない方が良い、と口には出さなかったけれど思った。
気乗りしない物事に、断る選択肢があるのなら、断りたい。
決定事項なら受け入れるしかないけれど、意向を確認されたら断りたい。

社会人として賛否ある考えだということはわかっている。
でも、それから10年後、無理に頑張らなくて本当に良かったと思った。
どん底のときに「あのときのあれのせいで」と思いかねない。

「やらない後悔よりやる後悔」

本当にそう。100いいね!くらい押したい。
やりたいことができる状態が、いつまでも続くという保証はない。
いつやるか、今でしょ!精神は大事。
あれやっといて本当に良かった、と思うことはあっても、あれやらなきゃ良かったと思うことはなかった。

ただあくまでも少しでもやりたい気持ちがあったり、興味を持ったことに関してのみ。まったく気が進まないのに、無理してやるということではない。

★★★
真逆の捉え方となったわけだけれど、その理由はわかる。

「長生きできる前提」と「人生いつ何があるかわからない前提」

この違いは大きい。
人生観がどちらかによって、捉え方が大きく変わる。

この先は病気をせず87歳まで生きる予定だけれど、そうは言っても身をもって一瞬で人生が変わることを知ってしまっている以上、心に響くのは後者側の言葉。

★★★★
タイトルに戻って。
共感するか否かは置いておき、やっぱり先人の言葉は、人生の真理や、的を得ているものがたくさんある。

病気になったことで、人生は一度しかないということを痛感した。

AとB、2つの道があったとして、Aを選んだらもうBの道を行くことはできない。
このAとBは、人生に関わる大きな話だけではなく、日常の些細なことにも言える。

どんな場合であっても、Bの道を歩んだ人がいるかもしれないし、すでにAの道を歩いている人がいるかもしれない。
その人たちに話を聞くことはできる。決断の助けになるというのもそうだし、自分が選ばなかった道の話を聞くこともできる。

ギリ30代の私は、まだ40代や50代を知らない。
でもそれも先に生きている人たちの話を聞くことはできる。
周りの人からでも、本やnoteなどネットからでも。

そんなことを思うようになって、前よりもノンフィクションの本を読むようになった。noteで色んな人の様々な考えに触れられるのも楽しい。

そして先日、活き活きしている職場の先輩に元気の秘訣を聞いた。
その答えがとても響いた。
まとめるとこんな感じ↓

若い頃は何かやりたいことがあっても、これをやったら何を得れるだろう、何に活かせるだろう、と結果や費用対効果を考えていた。
でも人生後半戦になって、やりたいことはとりあえずやってみようと思った。
何に活かせなくても楽しいなら良い。

これを聞いて、悩んでいたキーボード(ピアノ)を買う決心をして、Amazon初売りセールで購入した。
子供の頃に習っていたことはすべて忘れているし、何か目的があるわけでもない。
ただ無性に弾きたくなったから。
本当に猫ふんじゃったすら忘れていて、楽譜も読めなくなっているし、初歩の初歩の初歩しか弾けない。でも楽しい。

★★★★★
最後に。
1000人を超える末期患者さんと向き合った緩和医療専門の先生が、患者さんたちが吐露した「やり残したこと」 を25に集約した本がある。
もう10年以上前だけれど、TVでも紹介されて話題になったそう。

本は読んでいないけれど、ネットで内容を見た。
極限に人生と向き合っている状態の方々の言葉、重みがある。
25個の要約↓

1. 健康を大切にしなかったこと
2. たばこを止めなかったこと
3. 生前の意志を示さなかったこと
4. 治療の意味を見失ってしまったこと
5. 自分のやりたいことをやらなかったこと
6. 夢をかなえられなかったこと
7. 悪事に手を染めたこと
8. 感情に振り回された一生を過ごしたこと
9. 他人に優しくしなかったこと
10. 自分を一番と信じて疑わなかったこと
11. 遺産をどうするかを決めなかったこと
12. 自分の葬儀を考えなかったこと
13. 故郷に帰らなかったこと
14. 美味しいものを食べておかなかったこと
15. 仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
16. 行きたい場所に旅行しなかったこと
17. 会いたい人に会っておかなかったこと
18. 記憶に残る恋愛をしなかったこと
19. 結婚をしなかったこと
20. 子供を育てなかったこと
21. 子供を結婚させなかったこと
22. 自分の生きた証を残さなかったこと
23. 生と死の問題を乗り越えられなかったこと
24. 神仏の教えを知らなかったこと
25. 愛する人にありがとうと伝えなかったこと

「死ぬときに後悔すること25」大津秀一著







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