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すべての食材に感謝を込めたい。

先日、大原扁理さんの
『年収90万円で東京ハッピーライフ』
の中で食事についても触れられていたことから、

小川糸さんの本を読みたい!
という欲に駆られ、
ベストセラーの『食堂かたつむり』を
初めて読みました。

結論から先に述べると、
私にとってはかなりショッキングな内容で、
食材に心から感謝をして食べよう
と強く感じた本でした。


ショッキングな愛豚の解体シーン

食堂かたつむりは、
恋人、声、家など、
あらゆるものを失ってしまった主人公が
ふるさとの田舎へ戻り料理屋を始め、

料理を通じて様々な人を幸せにしたり、
成長したり、辛い思いをしたりする話。

最初のインパクトこそ強かったものの、
田舎へ戻ってからの話は
比較的のほほんとしているように感じました。

『おぉ〜、エッセイと同じく
優しくて、美味しい小説だぁ』
なんて、ヘラヘラと読み進めていました

!!!

起承転結の『転』のインパクトに
ショックを受け、
そのまま一気に結末に向かって
超スピードで過ぎて行きました。

主人公の女性は、
母親に対して大きなコンプレックスを
持っていたのですが、

全てを失い田舎へ帰った際、
お金も何もなかったため
母親の元へ戻りました。

そして、親子にも関わらず
居候する代わりに、
母親が可愛がっている豚の世話をする
と言う約束で家に住まわせてもらいます。

物語は進み、
主人公は自身の食堂を立ち上げ、
色々な人に美味しい料理を振る舞います。

そんなある日、
母親から本人が余命わずかであることと、
結婚しようと思っていることを知らされます。

そして、
死んだら愛豚が1人になるから、
と結婚式の料理として
可愛がっていた豚を料理するよう言われます。

着実に弱っていく母と、
進んでゆく結婚式にむけた準備。

ついに可愛がっていた豚を絞めることに。

田舎へ戻ってから毎日世話をしていたため、
主人公自身も、
豚に対する愛着が深まっていました。

可愛がっていた豚を、
自らの手で締める複雑な気持ちと、
小川糸さんの文章で
鮮明にその様子が
イメージできてしまいました。

そして、感謝を込めて、
豚を余す所なく食べるという
直向きな姿勢

心を強く打たれました。


同時に、
普段の自分はどうか?
食べ物に感謝をしているか?
と考えるきっかけになりました。

スーパーでは、
食べられるように整えられた
お肉や魚、野菜が売っています。

そのため、
『食材を余すことなく』とか
『命に感謝を込めて』なんて
考えることがありませんでした。

しかし、

豚や牛、鳥、魚など
もともと生きているものはもちろん、

野菜や調味料ひとつとっても
それを育てる人、
作る人がいます。

料理屋さんや、
お家ではそれらを作って
料理にしてくれる人がいます。

このように、
自分が食べているものが、
どのような背景を持っているか
を小説を通して
考えることができました。






食べるもので体はできている

今では、ヘルシーな食事や、
身体のことを考えた食事法など
食事に関する研究も進み、
たくさんの本が出ています。

それぞれの主張がありますが、
共通することは1つ。

『食べたもので体はできています』

昨日、1週間前、1ヶ月前、
あなたが口にしたものが
今のあなたを作っています。

そんな気持ちになれば、
食材を選ぶ際に自ずと
どのように作られているか?
などを気にするようになると思います。


それに加えて、
その食べ物が作られた背景
少しだけ意識するようにできると
食べ物に対する意識が変わってくることが
実感でき、面白いですよ^ ^



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