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本を読む子は『学習言語』が身に付いている

コミュニケーションの道具としての
機能を持つ生活言語は発達させても、

思考の道具としての学習言語を
発達させていないと、
日常会話はできても思考力がない。

そのため学校の授業ばかりか、
自分の内面の繊細な思いや
抽象的な考えをうまく表現できない、
というようなことになってしまう。



榎本博明『読書をする子は○○がすごい』より引用

最近読んだ、榎本博明さんの
読書をする子は○○がすごい
を読んでみました。


読書をする子は、
読解力や、語彙力、想像力が
すごいんだろうなぁ〜。

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と、想像していましたが、
読書をする子は
読解力、語彙力、想像力
もちろんのこと、

他にも相手のことを考える力や、
コミュニケーション力、
そして、学習言語が身についている、
ということに驚きました。

(まぁ、ちゃんと考えれば
『確かに』と思うんですが・・)



深い思考には必要不可欠な学習言語

学習言語とは、
抽象的な思考をする際や、
教科学習の際に使用する
言語
のことです。

よく対比されるのが、
生活言語です。

生活言語とはその名の通り、
普段の生活で用いる言葉です。

英語を例に挙げると
わかりやすいですが、

英語で日常会話ができても、
英語の本や論文を読んだり、
研究を行ったりすることは
できないですよね。

そのためには、
それらに必要な言語を
習得する必要があります。

これは、日本語でも同様で、
本や教育を通して得た
学習言語によって、
深い思考や、勉強が
できるようになるのです。



学習言語が身に付いているとどうなるのか?

学習言語がなくたって、
生きていけるし!
私生活に支障ないし!

そう思う気持ちも
すごくわかります。
私も初めはそう思いました。

しかし、
モヤモヤした時に、
明確にその気持ちを
言葉に表す
ことができれば、
スッキリしますよね。

それに、悩んでいる時も、
漠然と悩むのではなく
自分の頭の中にある言葉を使い、
具体的にすることが出来れば
解決することもできます。

つまり、学習言語を身につけ
頭の中のボキャブラリーが
豊かであればるほど、
考えをアウトプットしやすくなり、
それが私生活にも影響するのです。

人間の脳は、
不安を予測できるようにできている
と言われています。

そのため、
『漠然とした何か』に対して
モヤモヤすることが不安、
つまりストレスにつながるのです。

それを、明確にすることができ
対処方法がわかれば
漠然な不安を無くせ、
ストレスもなくなるというわけです。


もちろん、
学習言語が身に付いているほど、
難解な本を読めたり、
文学に親しめたり、
深い学びを重ねられたり・・・

人生が楽しく、
思考の幅が深まるのは
いうまでもありませんね。



本を読まない子が増えた結果

本を読まない子が増えている
と言われて久しいですが、
その影響は高校生の国語の授業にも
顕著に現れているようです。

榎本博明さんの
読書をする子は○○がすごい
によると、

2022年から順次施行される、
高等学校学習指導要領によれば
現代語の科目が、
『論理国語』と『文学国語』の
選択制になるようです。

論理国語では、
評論、論説、学術論など
実用的な文章を中心に、

文学国語では、
これまで私たちが習ってきた
文学を中心に学ぶようです。

一見、好きなものを選択でき、
しかも実用的な文章を
学べるからいいじゃん!

と思うのですが、
この背景には、
今の子供達が正しく文章を
理解できてない。
ということが隠れています。

評論や論説、学術論は
文学のように文章を楽しみ
様ざまな受け取り方や
考え方を学ぶのではなく、

文章そのものを
正しく理解することが
求められます。

つまり、
それらの文章が中心に
授業がなされるということは、

読書から離れ、
学習言語から離れすぎた結果、
そうせざるを得ないということ。


私のように、
子供の頃に対して本を読まず、
文学作品は学校でしか
触れてこなかった人間からすれば、

学校で学ばなければ、
いつ学ぶの?
一生学ぶことがないのでは?

と思ってしまいます。

それって勿体無いですよね・・・




さらに、二極化は進む

高校の授業が、
『論理国語』と『文学国語』
にわかれた結果想像できるのが

本を読むこと読まない子の
差が広がり、
二極化してしまうこと。

本を読む子は、
自ら読めるため
文学を選び、さらに学びを深め、

読まない子は
論理国語を選び実用文を学ぶが、

そもそも学習言語に
慣れ親しんでいないため、
授業もつまらなく、
学力が上がりづらい・・・

そうして、
本を読むこと読まない子が
二極化してしまうと
予測されています。


そして、
本を読むことと、
学力ないし将来の収入には
相関関係があると言われています。

つまり、
将来的に今より大きな
収入格差ができてしまうのでは
ということが危惧されているのです。



でも、解決策は意外と簡単!本を読むこと

でも、
これらのことは
小さな頃から本を読むことに
慣れ親しんでいれば
避けられる可能性が高いのです。

そして、
本に慣れしたしむには、
早ければ早いほど良い
と言われています。

言語を話し始めるのは、
1歳前後ですが、
絵本を自分で読めるのは
5歳前後と言われています。

5歳を待たずに、
幼児のうちから絵本を
読み聞かせてあげたり、
本屋へ連れて行ったりすることで
本に慣れしたしむことができます。


また、
子供は親の行動を
見て育ちます。

つまり、
親が楽しそうに本を読んだり、
本に親しんでいる様子を見ることで
自然にそうなるのです。

研究では、
親の蔵書数が子供の読書習慣には
影響を及ぼしていることが
わかっています。

子供と一緒に読書を楽しむつもりで、
本を読み始められると良いですね^^


大人の場合は、
『今日が1番若い日』
だと思って1冊でも多くの本に
触れられるのがベストです。




まとめ

普段の生活をするために使う
生活言語だけでなく、
学習言語を身につけることで
深い思考が可能になります。


さらに、
学習言語を身につけることで
思ったことを
具体的にアウトプットでき、
私生活の質も向上します。

そして、学習言語は、
なるべく早い時期からの
読書習慣
によって
身に付きます。

読書週間は、
子供の頃からの育つ環境
大きく影響を受けます。

絵本や本の読み聞かせや、
親が本を読んでいること、
本に親しめるような環境であること
などが大切です。

もし、あなたが大人で
これから学びを深めたいのであれば、
少しでも多く本を読みましょう。


本は、古今東西の
知恵と知識の宝庫です。

知れば知るほど、
あなたの思考の幅も広がり、
思考は深くなっていきますよ^^




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