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「乾ける世代」から見た「乾けない世代」のトリセツ

「乾けない世代」
30代以下の世代のこと。
生まれた時から社会に「ないものがない」時代に育ってた世代で、
必要な家電は家に必ずあり、PCや携帯も幼い頃からあった。

つまり、生きる上で必要な何かに「飢える」という経験をしていない世代のこと。

なぬ。私ではないか。
と思いながら読み進めていました。

確かに、入社した時から、当時30代後半くらいの諸先輩方とは仕事に対する価値観が根本的に違っていました。

また、それに対して、「おまえは変なヤツだな〜」とも耳にタコができるくらい言われていました。

ただ、この本を読むまでは、漠然と自分だけがなんとなく人とズレていて、変わってるヤツだと思っていましたが、

(実際変わってるヤツなんですがw)

どうやら、日本全体において、私たち30代以下の世代と、それよりも上の世代で価値観が違うようです。

その私たち30代以下の世代の価値観や、頑張る原動力であるモチベーションについてのトリセツが書かれているのがこちらの本。

尾原和啓さんの『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』です。

Kindle Unlimitedでタダで読めるっていうので、読んじゃいました。
無料に弱いんです。



「乾ける世代」から見た「乾けない世代」のトリセツ

あえて、「乾ける世代」から見た・・・
と書いているということで、あなたもお察しだと思います。

そうです、作者の尾原さんは24時間働ける「乾ける」世代の先輩です。

1970年生まれで、京大、マッキンゼー、Google、リクルートで働かれた超エリートです。

この本を読みたいと思った理由の1つが、「乾けない世代」が自ら書いたトリセツではなく、「乾けない世代」が客観的に書いたトリセツだということ。

「乾けない世代」が書いた本だったら、むしろ、「あんただけやろ!」てひっぱねて信用できなかったかもしれません。

そして、トリセツの中では、「乾ける世代」と「乾けない世代」の違いを以下のように書かれています。

いわば「乾いている世代」である上の世代のモチベーションは「国」や「社会」を動かし、支えていくという「大きな枠」で作り上げられてきました。

 一方、「乾けない世代」のモチベーションは「家庭」「友人」「自分」という、「小さくて身近な枠」で作り上げられています。

 なぜなら、上の世代がある程度社会を作り上げてしまったので、「乾けない世代」は「すでに作り上げられた社会」の上に立たされているからです。

「大きな枠」はもはや変えようがないから、「小さくて身近な枠」を大切に生きていく。

 けれど、働き方のルールだけが変わらないから、もう何かを建てる余白は残っていないのに、上の世代からは「これを持って戦え!」と、とりあえずトンカチを持たされている。


尾原和啓『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』より引用

もう一度書きますね。

働き方のルールだけが変わらないから、もう何かを建てる余白は残っていないのに、上の世代からは「これを持って戦え!」と、とりあえずトンカチを持たされている。

そうなんです。

社会と社会を生きる人たちの価値観は大きく変わっているのに、働き方のルールが変わっていないことが、私たち「乾けない世代」が宇宙人扱いされる理由だったのです。

これだけで、この本を読んだ価値を感じられますが、もう少しトリセツを紹介したいと思います。



「乾けない世代」の私たちは、何を突き詰めれば良いのか?

「乾ける世代」は、仕事における成果や昇給、綺麗なお姉さんと遊べる、高級店で飲めるなど社会的な承認欲求をモチベーションとしていました。

では、「乾けない世代」は何を突き詰めて、モチベーションにすれば良いのでしょうか?


答えは、「偏愛」です。
そして、「偏愛」を突き詰めることこそが「乾けない世代」の得意分野なのです。

本の中でも説明されていますが、「乾けない世代」は、生まれた時からものが溢れた時代でした。

そのため、自然と「自分の好きなもの」や「大切なもの」を大切にし、それらが仕事のモチベーションになっているのです。

「昇給できるから」と聞いても、残業をたくさんしたいと思えないのに、大切な仲間と一緒に行う無給のプロジェクトは休みなしで出来るのも、そのためです。


そして、インターネットの普及で世の中が目まぐるしく変わっていき、新商品を出しても、すぐに真似をされ、もはや市場は飽和状態・・・

そんな変化の時代において、「偏愛(好き)」を突き詰め、その「好き」に共感する人たちが、好きに価値を感じる「偏愛・思考性の循環」が残っていくのです。


つまり、「乾けない世代」の私たちは、自分の「好き」を見つけ、それを自身のライフワークとし、人生の幸せと結びつけることが大切なのです。



「好き」の育て方

・偏愛マップ
・こっそり、じっくり育てる

こちらの2つの「好き」を育てる方法をご紹介します。

まだ好きなものがイマイチわからないな…という場合は、偏愛マップから実施すると、意外な好きに気付けますよ。

・偏愛マップ
あなたが好きなものをひたすらマッピングしていくワークです。
紙にひたすら好きなものを書き、どんどんどんどん隙を深掘りしていきましょう。

マインドマップのようなイメージで書いていくとやりやすいですよ^ ^

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さらに、この偏愛マップは、仕事や新しいプロジェクトのメンバー同士のコミュニケーションにも最適です。

メンバー間で行うことで、「好き」をきっかけにお互いを知り、最高のチームを作り上げましょう。



・こっそりじっくり育てる
好きなものをアウトプットするのもいいですが、じっくり育てるという手段があることも知っておくと、「好き」を育てやすいです。

自分にしか見えない色や風景は、こっそり育てていくのがいいのです。

他の人に話して、「人と違う自分が悪いんだ」などと思い込まず、直さなくてもいいくらいまで、しっかりと育てていきましょう。

自分の虹の色の見え方を世の中に発信すると、「虹は7色じゃない!」と批判の声があがってくるでしょう。 

しかし、それでも自信を持って発信し続けたら「俺にもそう見えた」と共感する人や「いやいや、私にはこう見えるよ」と言って楽しんでくれる人が現れてきます。


尾原和啓『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』より引用



「好き」をかかげて突き進もう!…と、その前に

ただ、尾原さんからのアドバイスとして、まだ社会に出たばかりなら、誰よりも熱意を持って目の前の仕事に専念することが勧められています。

なぜなら、まずあなたとあなたの大切な人が食べていくだけの足場を作る必要があるからです。

ですので、「好き」がまだ見つかっていなくても焦る必要はありません。

ライフワークは一生をかけて見つけるものです。
まだ「好き」が見つかっていなければ、目の前の仕事に全力で取り組むことも、好きを見つけるワークの1つだと思えば良いのです。


そして、もう1つ。

自立とは、依存先を増やすこと」という言葉を共有します。
こちらも本書の中で紹介されていた言葉です。

この言葉は、脳性まひの障害がある小児科医の熊谷晋一郎さんの言葉で、熊谷さんは、東日本大震災の際、エレベータに乗ることが出来ず逃げ遅れた経験をされました。

その経験から、熊谷さんは、健常者は階段や梯子など、逃げる「依存先」が複数あるのに対し、障害者は「依存先」がエレベーター1つしかないのが障害者の本質であると思ったそうです。

これは、国やキャリアなど様々なことにも置き換えて考えることができます。

例えば、国であれば、英語を習得していたり、留学の経験があれば、言語などのハードルが低くなり、日本という国に依存する必要はなくなりますよね。

また、キャリアも同様で、どの仕事にも通用するスキルを持っていれば、1つの会社に依存する必要はなくなります

このように、依存先を複数持てるようになることが、「自立する」ということと考えられます。

「好き」を追求し、ライフワークを見つけながら、スキルや複数のコミュニティを持ち、1つの場所に依存せずに生きられるようになりたいですね。




おわりに

この本からは、自分自身のモチベーションを高める方法を学ぶことができ、ライフワークを作り上げていくことの大切さも学べました。

が!
それ以上に、「乾ける世代」の人たちが、私たちの世代のことを「そんなに不思議に見えていたのか」と感心しました。

「乾ける世代」からみた「乾けない世代」は、宇宙人のように見えると、作者の尾原さんも書かれていましたし、私の会社の諸先輩方も言っていました。

確かに、価値観が違い、発言まで変わってくると宇宙人のように感じます。
30代前の私も、18歳の若者と話すとそのように感じます。

そして、その宇宙人と一緒のチームを組んで、1つの目標に向けて頑張らないといけないのだから、お互いに大変ですよね・・・

違いを受け入れ、強みを活かす

そんな気持ちで、色々な人と接したいと思います。



\書籍はこちら/



\合わせて読むと面白い/

『モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書』の作者、尾原和啓さんが、2021年7月に出版された本です。

ものや情報が溢れた時代、そして、今回紹介した「乾けない世代」が中心となりつつある世の中において、人々は商品そのものではなく、商品のもつ「プロセス」に価値を感じるようになっています。

その全容と具体例が紹介されている本で、尾原さんらしく、わかりやすく優しい文章で書かれており、2日もあれば余裕で読める1冊です。












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