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【ジャズ・ポピュラーvsクラシック】音楽理論の違いとは?

ジャズ・ポピュラーとクラシックの音楽理論

似て非なるジャズ・ポピュラーとクラシックの音楽理論。どこが違うのでしょうか。共通点はないのでしょうか。実はたくさんの共通点があります。そしてたくさんの相違点があります。さらに、共通点であるにも関わらず学習順序、難易度がジャズ・ポピュラーとクラシックで逆転していたりと、音楽理論を学習する人を混乱させる内容がたくさんあります。

混乱する理由

何よりも日本人音楽家がその二つで混乱するのは、その両方を説明できる音楽家がいないからです。まず、ジャズ・ポピュラー音楽理論はバークリー音楽大学で作られた「バークリー・メソッド」が世界の基準となっています。そして、クラシック音楽理論を日本で学習する場合は「和声 理論と実習」通称「芸大和声」が基準となっています。つまりバークリー音楽大学と東京芸術大学の両方で学習した音楽家でなければ比較し説明ができないわけです。日本では数えるほどしかいないのはご存知の通りです。幸運にも筆者はたまたま両学を卒業していますので比較し説明可能です。

バークリー・メソッドは

バークリー・メソッドは複数の音楽理論家が改訂を重ねて今でも塗り直しが行われています。つまり、まだ完成とは言えないわけです。筆者もバークリー音楽大学の指導員をしていた2005年頃にモードに関する部分の改訂を担当しました。ちなみにその詳細は日本で書籍として発売されましたが、筆者の力不足で売れ行きが悪く絶版となりました。

この記事では少し踏み込んだ共通点、相違点の実例を挙げ説明します。

まず最初に「ジャズ・ポピュラーとクラシックの音楽理論の決定的な違い」は何なんでしょうか?

その違いとは・・・

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