見出し画像

そろそろ会社で幸福の話をしよう#009 「ROAD TO WELL-BEING」

「幸せとか幸福って言葉、あんまり連発すると、なんかちょっとね。」

はじまりはここからだった。

「もっと自分の幸せについて考えてみよう。」「ちょっと自分たちの幸せについて語り合ってみよう。」会社で突然こんなことを言われたら(今僕は、実際に言って回っているわけだが)、それは戸惑うことの方が多いと思う。理由は単純で、今まであまりそんなことをしてきていないから。

なぜ、してきていないのか?

マイナス(仕事・日常における自分(たち)の問題・弱点・不安・リスクなど)については皆よく考えるし、語り合う。でも、プラス(仕事・日常における自分(たち)の幸せ・大切にしたいことなど)についてはどうだろう?考える・語る、いずれも後回しというか、触れないというか….

それはなぜなのか?

「幸せとか幸福って言葉、あんまり連発すると、なんかちょっとね。」この言葉の背景には何があるのか?

僕はそれを知りたかった。その上で、きちんと向き合いたかった。そして、流れを変えたかった。「僕は社員の幸せについて考えるようになった。そして今後は、幸せへの支援を起点に、会社・社員の持続的成長を支えたい。逃げることなく。- 初回note記事より」これが僕のやりたいことだから。その実現のために、まずは少しずつ流れを変えたかった。

「知る、向き合う、流れを変える。」

そのために、僕は様々なメンバーに声をかけ、「幸せについて考えること、語ること」、加えて「幸福に対する印象」について、繰り返し対話を行った。この活動を社内で開始し、約2ヶ月が経過しようとしている。今回は、その経過についてまとめたいと思う。

「家族を大切にする」Aさんとの対話

<Aさんが教えてくれたこと>

●プライベート、つまり「仕事以外の部分」に幸せがある場合、それを会社で堂々と話すのは気が引ける。
●会社がいい雰囲気だからこそ、仕事に直接関係ない自分の幸せについて、考え、語ることは後ろめたさを感じる。

<Aさんとの対話から学んだこと>

●仕事の外にある幸せも(その幸せこそ?)、個人の活力に影響するという意味では、間接的に仕事のパフォーマンスにつながる大事なもの。
●だから、それを職場で語ることは、悪いことや臆することでは決してなく、むしろ良いこと。仕事とプライベートの境目が溶けつつある今、これからの時代の新しい良いこと。
●自分のプライベートな幸せを語ることで、周囲から思いも寄らない「親近感・信頼感・尊重・協力」を得られる可能性だってある。そうなるとそれは、組織開発という意味においてもプラスになる。

これらの感覚や空気感を、会社全体に広げていくことが大切だと感じた。話し手だけでなく聞き手の理解も必要。だからこそ、会社全体に広げていくことが大切だと感じた。

「幸福に慎重な」Bさんとの対話

<Bさんが教えてくれたこと>

●幸福という言葉に怪しさを感じる。幸福を重視すると言われても、変な自己啓発系のセミナーを受けさせられ、だまされるのではないかと思ってしまう。
●言葉だけで言えば、幸福より「幸せ」の方がまだ怪しさはない。
●幸せについて考え、語ることに対して、乗り気な社員とそうでない社員がいる。
●周囲のメンバーを幸せそうだなと思う時はあるが、自分自身は、「何が幸せか?」と問われても、すっと出てこない。
●「休みや給料が充実すれば、幸福感は上がるけど」いう気持ちになる。そこから気をそらすために、何かをしようとしているのではないかと考えてしまう。

<Bさんとの対話から学んだこと>

●言葉は「幸福」や「幸せ」でなくてもいい。「嬉しいこと」「大切なこと」「気分が上がること」など、自分の言葉で表現すればいい。プラスの感覚を表に出すこと。それが大切なこと。
●もちろん無理に表に出す必要はない。自分のペースで表に出そう。自分の言葉で表に出そう。
●皆が、「気をそらされた、誤魔化された」と感じることがないくらい、これまでの動き(従業員満足度の向上につなげるもの)と新たな動き(幸せへの支援を起点に会社・社員の持続的成長を支える)、この2つを覚悟を持って進めていく。どちらかではなく両方。幸せ云々についてはあくまで「追加」の動き。

これらのメッセージを、より強く発信し続けることが大切だと感じた。考え方・感じ方は人それぞれ異なる。だからこそ、そのそれぞれを尊重しながらメッセージを広げていくことが大切だと感じた。

「女性ならではの幸せの考え方を教えてくれた」Cさんとの対話

<Cさんが教えてくれたこと>

●女性は男性よりも、生き方のバリエーションが多い。それは幸せへの考え方にも影響を与える。
●同じように会社で働く女性同士でも、家庭の状況やキャリアはそれぞれ違うし、たくさんの溝がある。
●生き方が違うのだから、幸せを比べてはいけないというのは、みんな分かっている。でも、相手の持っている幸せは、自分が諦めた幸せだから、やっぱり心の奥の方に、ないものねだりをしてしまう自分が出てきたりする。
●幸福の話題を人とするというのは、結局人と比べてしまうことになる気がして、自分にとってもマイナスな感じがする。人間関係にも良くない影響が出そう。

<Cさんとの対話から学んだこと>

●「自分の幸せ」、「他人の幸せ」をきちんと理解する。そのために、幸せを「背景」と共に捉える。
●幸せ・背景(その人のストーリー)、2つをセットで対話できれば、人間関係はマイナス方向ではなく、むしろ良い方向(新たな信頼関係の構築など)へと繋がるかもしれない。その効果は想像以上のものかもしれない。
●マイナスな気持ちを語ることも大切に扱うこと。マイナスをすべてプラスにしようとしなくてもよい。この点についても皆に伝えるべき。
●誰だって時にはマイナス感情を抱く。そして、そのマイナス感情を、そのままにしておきたい時だってある。妬みや羨望の感情を無視せず、それらを含めて、話し手・聞き手がお互いを尊重できる道を、僕はしっかり考えていく。この点についても上記同様、皆にきちんと伝えるべき。

これまでと同じく、この新たな学びについても、会社全体に広げていくことが大切だと感じた。やはり「全体」として、流れを変える意識・動きを構築することが、「本質かつ長期的な変化」を起こすためには大切だと感じた。

ROAD TO WELL-BEING

以上がこれまでの経過のまとめとなる。ありがたいことに多くのメンバーが前向きに協力してくれている。厳しい意見や鋭い意見も多くある。でもそれは、各々が真剣に考えてくれているからこその意見でもあると思う。

有り難いこと、この気持ちを忘れずに、いつか恩返しができるように、今進んでいる道を信じて、流れを変えていきたいと思う。幸せへの支援を起点に、会社・社員の持続的成長を支えるために。

今後について。もうしばらく、同じ流れで対話を進めてみたいと思う。新たな視点・学びを期待して。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?