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生物系大学院生が語る学会発表のコツ!!~研究内容編~

こんにちは!薬学大学院生のまちょです! 

学会発表シリーズの第2弾です!
前編では、僕が「飽きない発表」を目指していると言いました。
 
※前編はコチラ↓
 https://note.com/tfayt_h__8/n/na991fc328ebc

そして本編では、そのために必要な三要素の一つである、「研究が面白い」にフォーカスを当てます。
 
※あくまでも本シリーズは僕個人の考えていることであり、一般論とは異なる部分もあるかと思います。取捨選択して参考にして頂けたら幸いです。
 
 

〇研究を魅力的に「魅せる」

前編でも軽く触れましたが、研究内容が魅力的かどうかは審査の大きなポイントです。
 
だからと言って、もちろん研究内容を変えることなどできません。
するとやはりお金をかけて最先端の研究をしているビッグな研究室が有利なように聞こえます。
 
しかし、そんなことは負け犬の遠吠えにしかなりません。文句を言ってもその現実は変わりませんし、それを認めては僕らみたいな地方の研究室に存在価値は無くなってしまいます。
 
どんな研究にも魅力的なポイントは必ずあります。だから先生方はその研究でお金を獲ってきているのです。
 
結局何が言いたいのかと言うと、研究内容が魅力的かどうかは魅力的に魅せるプレゼンターの腕にかかっているわけです。
 
ですので、口頭発表の軸は、「一番研究が魅力的に映るために」でなければなりません。
 
もちろん、審査員には様々な分野の先生方が並ぶでしょう。自分の研究になんか一切興味のない先生が大半であるかもしれません。審査員という建前上、発表はしっかり聞かなければなりませんが、興味を持って聞いてくれないことには高得点がつけられることはないでしょう。
 
そんな「前提」も跳ねのけて、ビッグラボの研究発表をも凌ぐような、そんな魅力あふれる研究をしているんだ!!
 
そんな気持ちで発表を作り上げることが肝になってくるわけです。
 
 

〇「魅力的」の正体

これも前編で軽く触れましたが、では、その「魅力的」とはいったいどのようなものなのでしょうか。
 
それは「研究のオリジナリティーを魅せる」です。
 
具体的には、「他人には真似の出来ない、あるいは他の類似した研究とは一味違う」ところを魅せることが、魅力的な研究の正体です。
 
要は他の研究と違うところという訳ですが、それはもちろん研究にも拠りますよね。
「方法」が他の研究と違うのか、「着眼点」が他の研究と違うのか。
エトセトラ様々あると思いますが、共通するのはそれらを目一杯際立たせる構成を作り上げることです。
 
その方法はどう違うのか、なぜ用いるのか。その着眼点はどう違うのか、なぜ今までのではいけないのか。しっかり主張する必要があります。
 
―その方法は当研究室で編み出した独自の技術、方法でありこの課題はこの方法でしか解決されない。
 
―従来の研究はAばかり注目されてきたが、Bというデータを得たことでCである可能性が出てきた。この可能性は今までの仮説では想定されなかったことである。
 
はたまた、独自の方法で新たな着眼点を創造することだってあるだろう。
 
とにかく論理的に研究のオリジナリティーを説明するのです。他のどんな研究でもないこの研究の凄さをアピールするのです。
 
 

〇重要課題であることを主張する

発表である以上、その研究には目的があるはずです。
そしてその目的は課題を解明するために提示されているはずです。
 
つまり誇張して言えば、その課題は我々人類が解明するに値しないものであればその研究に価値は生まれないわけです。
 
そしてその課題の重要性を説くためには、大きく2種類の方法があります。
ひとつは、具体的な数字を示すことです。
 
例えば、僕はアトピー性皮膚炎の研究をしていますが、背景の説明で、
 
「アトピー性皮膚炎に対する治療薬の開発が急務です」
 
ではなく、ひとこと付け加えて、
 
「アトピー性皮膚炎は日本において約1割の方が有症しています。そのため治療薬の開発が急務です」
 
とするのです。具体的な数を示すことでアトピー性皮膚炎を改善することがいかに大事なことであるかが分かり、説得力が圧倒的に違います。
 
 
もうひとつは身近なものに例えて説明することです。
これは研究内容によっては例えることができない方もいるかもしれませんが…
 
例えば僕がかゆみがいかに苦痛なものかを説明したい時には、

「かゆみは痛み以上に耐え難い苦痛と定義されてます。みなさんの多くはそうは思わないかもしれませんが、実際にがん患者ががん性疼痛に対して痛みを和らげるためにモルヒネを服用しますが、その副作用であるかゆみの方が耐え難くその服用をやめてしまうケースも多々あります。」

などと言ったりします。
この具体例は出る学会によって適切な例を用いればよいでしょう。

僕が整形外科系の学会に出た際は、リハビリ中に巻くギブスは蒸れて痒くなってしまうが、我慢するしかないのが現状である。といった文句から発表を行いました。



以上、研究を魅力的に魅せるには、オリジナリティーを魅せることその研究が解明すべき重要課題であることを抑えれば、そこそこ仕上がるかと思います。

どんな分野の人が聞いても、「この研究分野はこういうことが課題であって、この人には独自のアプローチができるんだ」と思ってもらえれば魅力的に映るはずです。

独自の発想やアプローチは聞いていて飽きません。自分の研究に自信をもって発表しましょう!

次回は「話し方が面白い」編です!サヨウナラ。

※前編はコチラ↓

※続編はコチラ↓


僕の研究を応援して頂ければ幸いです!