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生物系大学院生が語る学会発表のコツ!!~話し方編~

こんにちは!薬学大学院生のまちょです!

学会発表シリーズの第3弾です!
概要編では、僕が「飽きない発表」を目指していると言いました。

※概要編はコチラ

前回は、そのために必要な三要素の一つである、「研究が面白い」記事を書きましたが、本編では「話し方が面白い」にフォーカスを当てます。

※あくまでも本シリーズは僕個人の考えていることであり、一般論とは異なる部分もあるかと思います。取捨選択して参考にして頂けたら幸いです。



〇熱意を伝えよ

ズバリ、口頭発表で一番大事なのは研究に対する熱意を伝えることだと強く思っています。

なぜなら、ポスター発表とは違い口頭発表は自らの口で、発表に想いを乗せることができるからです。つまり、熱意が伝わるかどうかが口頭発表の本質です。

しかし、非常に難しいのは「熱意の伝わる話し方」の定義は存在しないこと。どのような表情でどのような話し方をすれば熱意が伝わるのか、僕もはっきりとはわかりません。所詮感情論ですので。

ただ、はっきりと言えるのは発表者が自身の研究を心から面白い、価値があると思っていれば観客には伝わるということです。うーん難しい。

例えば、絵画も、めちゃくちゃ綺麗な大人の絵より殴り書きした汚い子供の絵の方が、何故か魅力的に見えることがありますよね。そういうことです。

ですがこれではさすがにコツを説明したとは言えないので笑、僕が話す際に気を付けているポイントを以下に紹介していきます。しかし、常に念頭に置いて頂きたいのは、あくまでも熱意を伝えることです。


〇副詞、助詞までこだわれ

これも人によって大きく分かれますが、僕は発表原稿を作る派です。もちろんこれには理由があります。

ひとつは、あらかじめ原稿を用意しておくと、発表時間の調整が容易になるからです。

概要編でも説明しましたが、発表時間も審査項目のひとつとなっている場合が多いです。いくら練習しても本番は時間通りに行かないことがあります。通信障害等オンライン学会ならではのトラブルもあるでしょう。そういった場合に終盤の原稿を複数通り用意していれば、どんな時間変更にも対処ができます。

もうひとつは、用いる副詞や助詞までこだわっているからです。

これも概要編でお話しましたが、僕が目指している発表は「飽きない発表」です。そして飽きないためには「観客の無意識に語りかける」ことが大事だと思ってます。なんとなく面白いなとかなんとなくわかりやすいなという印象を植え続けるのです。

そこで大事になってくるのが副詞です。これらは些細なもので、無くても意味は変わりませんが、文全体の印象が変わってきます。

例えば、仮説通りの結果の説明には「予想通りに」と文頭につけてあげたりだとか、個人的に興味深いデータをするときは「面白いことに」と文頭につけてあげたりだとか。これらの言葉があるだけで聞き手の印象は実は大きく変わるものです。

また、助詞もたった一文字の違いですが、文のニュアンスが大きく変わります。その文で伝えたいことが最も伝わる助詞を選びましょう。


以上の理由より、僕は原稿を作り込むのですが、ただ、原稿を作る作らないは個人のやりやすいようにやればいいと思います。

極論、上記で言ったことを原稿なしでできるならば、別に原稿なんて作る必要はないのです。むしろ原稿を作ると少し忘れてしまった時に頭が真っ白になってしまう人もいるかもしれません。


〇"間""スピード"を操れ

発表の最初から最後まで、一定の速さで話していては観客に退屈を与えてしまうかもしれません(研究内容がよっぽど素晴らしければ別だが)。

そこで使えるテクニックが、速さに緩急をつけることです。

そして緩急はスピードの変化によって生まれます。

間が無さすぎる発表はどこかせわしなく感じ、なかなか好印象にはつながりません。

スピードも遅すぎると飽きられますが、早すぎてなんて言っているかわからない、理解が追い付かないとなってしまうと受賞からほど遠くなってしまうでしょう。


〇"表情""声色"を操れ

発表している時の表情や声のトーンにも気を配ることが重要です。

もちろんこれも人それぞれで正解はありませんが、不正解はあります。
暗い表情で暗いトーンで喋ることです。なんとなく聞きづらい発表になってしまいます。

僕はできるだけ明るい表情で、普段より声のトーンをひとつ上げて喋っています。これが採点に直接響くことはないでしょうが、審査員によい印象は与えられると思っています。そういうよい印象の積み重ねが、最終的なトータルの点数を少しは影響するはずです。

仮に同点の二人がいたとして、一人は普通の態度での発表、一人は明るく誠実な態度だったとしたら、どちらに発表賞を与えたくなりますか?という話です。

緊張していると、意外とこれらが暗くなってしまっているものです。最初のうちは意識して明るくふるまえるといいかなと思います。

〇発表に"ニュアンス"をつけろ

最後にこれらのことを活かして、発表にニュアンスをつけます。
言い換えるとメリハリをつけるのです。

例えば、発表で強調したいスライドでは、間をとって気持ちゆっくり話して、他の部分は流すように話してみる。

そしてその部分の"伏線"が前のスライドにあるならば、その伏線を思い出させるような副詞をつける。「先ほどの予想に反して」や「仮説通りに」とか。

要は、発表は一つの"ストーリー"であり、飽きないストーリーを作るためには聞き手の心を動かし続けなければなりません。その方法の一つがメリハリをつけることなのです。

映画でクライマックスが盛り上がるのは、それ相応の伏線であったり、壮大なBGMであったり何かしら理由がありますよね。発表ではBGMは流せませんが笑、重要な部分を引き立たせることは十分にできます。

もちろん、仰々しくメリハリをつけるのはよくありませんが、一定のペースで話されてはどこが重要なデータであったのかが分かりづらくなってしまいます。特にデータが多い発表であればあるほど。



本編は以上になります!

最後に、話し方は本当に十人十色で、正解はありません。今日紹介したような話し方とは全く違う、受賞する人はいくらでもいます。重要なのは研究が魅力的に伝わるか、研究に対する熱意が伝わるかどうかです。

数回の発表を通して、自分なりの発表スタイルを確立していきましょう。


↓研究内容編


↓概要編


僕の研究を応援して頂ければ幸いです!