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生物系大学院生が語る学会発表のコツ!!~概要編~

こんにちは!薬学大学院生のまちょです!

今回は、理系大学院生なら経験するであろう学会発表についてそのいろはを恐縮ながらまとめてみました!

学会発表初心者~中級者向けにまとめてみましたので、
「これから学会発表を控えていますが上手くできるか不安で…」
と思う方や、
「学会で発表賞を受賞したいです!」
と思う方はぜひ本記事を参考にして、自分なりの発表ができるようになればいいなと思います。

第1弾となる今回は、まず僕の自己紹介と学会発表についての概要を書いていきます。



〇まちょの自己紹介・業績

◆専門分野

僕は地方国立大薬学部の大学院修士2年で、来年は博士課程への進学します。
研究分野は大きく言えば生物系で、専門分野は薬理学神経科学疼痛学掻痒学です。
 
ですので、僕が紹介する学会発表の形式は以上4つの分野での形式となります。
他分野ではどのように発表しているかまでは存じないので、参考にする際は注意してください。ただ、発表における本質はどんな発表でも不変で、いい発表は分野問わずいい発表です。
 
本シリーズではそのような本質を伝えられればいいなと思います!
 

◆業績

では肝心の僕の業績についてです。
上記に書いた通り、僕はまだ修士2年なので、
「この小童が!」
なんて思ったかもしれません(笑)
 
ですが、小童だからこそ初心者・中級者向けに伝えられることがあるかと思うわけです。
 
業績については口頭発表のみ抜粋しますが、昨年度で10回の発表2件の優秀発表賞の受賞があります。
これを多いと言うのか少ないと言うのかはあなた次第ですが笑、小童なりには頑張っている方だと思います(笑)
 
まあ、これを見て本記事を参考にするか否か、決めてください。
ちなみに僕の業績一覧はマガジンでまとめてありますので、興味があればぜひ。笑


〇口頭発表の主な形式

◆時間

上記の通り、僕の分野内の学会においては、基本的には発表9分、質疑応答3分の計12分が多いかと思います。
 
大きい学会だと発表台にタイムキーパーが設置してありますが、小さい学会だと無い場合があります。その場合は残り1分でベルが鳴らされたりするので、どのような形式か事前に確認して練習するといいでしょう。
 
最近だとオンラインが多いですね。オンラインの場合もタイムキーパーがzoom上に設置されている場合とそうでない場合があります。ただ、オンラインの場合はPCの横にスマホを置いておけばいい話ですので、時間管理はとても簡単になります笑。
 

◆スライド

スライドの大きさについて、これも学会によって違いますが、基本的には4:3が多いです。ただ、ハイブリッドやオンライン開催の場合は16:9推奨の場合がほとんでです(デスクトップいっぱいに映るため)。要項を確認しましょう。
 
ですが、人によってはスライドを要項が出る前から作り始めたい人がいるかもしれません。その場合、発表がオンサイトなら4:3、ハイブリッドあるいはオンラインなら16:9で作成しておくと後でサイズを変更しなくて済む確率があがる ”かも” しれません(笑)
 
また、字の大きさについてですが、オンサイトなら18 pt(パワポ)以上推奨20 ptと言われています。審査員の方は目がお世辞にもいいとは言えませんので(若くはないので笑)、文字が読めない時点で高得点はないでしょう。
 
一方、オンラインならば16 pt 以上あればいいです。オンライン学会は最近始まったばかりであなたの指導教員が何と仰るかはわかりませんが、僕は昨年一通りのオンライン学会に出て、16 ptで十分だなと感じました。実際に受賞もできていますし、問題はありません(と思います笑)。
 
ハイブリッドなら、審査員はおそらくオンサイトで発表を見るかと思いますので、オンサイトの大きさに合わせることを推奨します。
 
以上、スライドの大きさと文字の大きさを総合して考えると、
オンサイトの場合は4:3で18 ptに対し、オンラインは16:9で16 ptであるため、一つのスライド含まれる情報量をオンサイトに比べて非常に多くすることが可能になりました。ここがコロナ以降の学会の一番の違いだと思います。
 

〇審査基準

さて、ここからは発表賞を受賞したい人に向けてのお話になります。
 
審査員はあらかじめ決められた審査基準に従い採点を行っていきます。
 
これも学会によりますが、基本的には、1.研究内容 2.発表態度 3.スライド 4.時間 5.質疑応答 だと思います。指導教員曰く。
 

1.研究内容

シンプルに研究自体が魅力的かどうか。
「そんなの有名ビッグラボが有利じゃないか!」と思うかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。あくまでも「発表」なので、自分の研究を魅力的に伝えることが大事です。
 
ではどのような研究が他人から見て魅力的に映るでしょうか?ここは本当に難しいところで、疼痛や掻痒などマイナー分野を研究している僕にとっても永遠の課題です。
 
ですが個人的に一番大事にしていることは、「研究のオリジナリティーを魅せる」です。
言い換えると、「他人には真似の出来ない、他の類似した研究と違いを出す」となります。詳しくは、後日投稿する~研究内容編~に書きます。
 

2.発表態度

具体的に言うと表情、声の大きさ、トーン、ハキハキさ。
抽象的に言うと研究に対する熱意です。
 
個人的には、「熱意」が審査員に伝わるかが口頭発表の一番の本質であると思っているので、とても重要です。これも詳しくは後日投稿予定の~話し方編~で話します。
 

3.スライド

もちろん、スライドのデザイン性も問われます。しかし、あくまでも求められているのは“センスのいいデザイン”ではなく“伝わるデザイン”です。
 
「自分そういうデザイン的なセンスが…」なんてものは関係ありません。誰にでもできることだと考えます。詳しくは~スライド編~で。
 

4.時間

上述のように、口頭発表には発表時間が設けられています。例えば9分の発表でしたら、目安±10秒で終わることがベストです。ひたすら練習しましょう。
 

5.質疑応答

人によってはここが一番の難関である人も多いのではないでしょうか。僕も最初はそうでした、いや、今も?笑
 
質疑応答で求められることはただ一つ、「質問の意図を把握し、的確にかつ端的に答えること」です。
 
「それが難しいんだよ!」と炎上するかもしれませんが笑、それが出来ない人には共通点があると思っています。

それは「端的に答える」ことすら出来ないこと。
 
多くの人は質問の意図を把握しようと精一杯になり、理解してもらえるよう色んな説明をしてしまい、訳が分からなくなってしまいがちです。
 
慣れていないのなら一つ一つクリアしていくべきです。ここではつまり端的に質問に対する答えを提示してから、その真意について補足説明を施しましょう。いわゆる結論ファーストってやつです。
 
そうして次、違う学会で同じことを聞かれた場合のために反省して、もっと伝わる答えを準備するのです。どのみち質問を受けてテンパっているうちはトンチンカンな返答しかできません(笑)
 
 
あと、初心者で勘違いしがちなのが、質問はあくまでも「質問」であり、その研究を否定しているわけではありません。
 
時たま質問を受けて、「ムキになってる」じゃないですが、論破してやろうみたいな勢いで返答している方がいて、そういう人を見た瞬間、「あっ、この人は受賞しないな」と思うわけです。
 
そもそも、学会本来の目的は自分の研究に対して様々な意見を頂きより良いものにしていくためです。受賞は目的ではありません、それは結果です。質問して頂いた人と共に自身の研究をブラッシュアップしようという考えがあれば、勘違いすることもなく、なんなら質問にテンパることもなく冷静に普段研究室で行っているような議論が交わせるかもしれません。
 

〇次回予告

なんか予想以上に長くなってしまいました(大汗)。
ですがなんとなく口頭発表がどんなものか分かりましたかね?笑
 
これらを踏まえて、僕は常々、「飽きない発表」を目指しています。

なぜなら、聞き手に自身の研究を聞いてもらうためには、最初の数秒で興味を持ってもらい、それを最後まで継続していく必要があるからです。

そのために必要な3つの要素を、「研究内容が面白い」「話し方が面白い」「スライドが面白い」を3編に分けて、今後記事にしていきます!


何回も言いますが、これらの考え方はあくまでも僕自身の考え方であり、絶対的なものではありません。ただ、これらが参考にされることで何か皆さんのお役に立てればいいなと思っています。
 
それでは次回、~研究内容編~でまたお会いしましょう!

※~話し方編~はコチラ↓

※~スライド編~はコチラ↓


僕の研究を応援して頂ければ幸いです!