『女性の本棚』と「僕」の男女心理における代理戦争
大きい書店に行くと、『文芸』や『教養』、『人文』といった棚と並んで、『女性の本棚』という書棚のジャンルがある。
いわゆるライトエッセイがほとんどで、ジェーン・スーや蒼井ブルーといった女性エッセイストたちが名を連ね、女の話や男の話、恋愛、結婚、ファッション、メイクなど、あらゆる角度から女性の共感をかっさらう。
男の僕がこの本棚の前に立っているのはなぜか?
ターゲットに1ミリもかすっていない僕が書棚を眺めているのはなぜか?
書名だけで面白いからである。
『女性の本棚』の書名は、台詞っぽいものが多く、おそらくそれが女性の心にも響くのだろう。女性の気持ちを代弁しているのだろう。
励まされたり、痛いところを突かれたり、共感したり、でも、最後は愛されたり。
これは、並ぶ書名をぼけーっと眺めていた僕と、女性の本音の集合体のような『女性の本棚』との無駄すぎる会話劇であり、男女の心理を代表した代理戦争でもある。
以下。
『書名』→女の気持ち代表
※著名や出版社は割愛させていただきます。気になる方はGoogle先生に聞いてください。
※一見、書名っぽくないですが、書名です。
「僕」→男の気持ち代表
スタート。
『会う気ないくせに「会いたかった」なんて言わないで』
「ごめんって。まさか今だとは思わなくて…こんな深夜に会いたいなんて言われても無理だよ。また来週会えるんだから。我慢した分、会えたときの喜びも大きいよ」
『会えない時間が愛を育むなんてウソだよ いつもいつでも会いたいに決まっている』
「いや、まぁ、おれも、そりゃあ、会いたいけど…。そんなこと言われたらさぁ、、遠距離恋愛全否定じゃん。。待ち人はなかなか来ないから待ち人なんだよ」
『待ち人来ずってなんなの 私から会いに行くからお前が待ってろよ』
「むりむりむり!明日仕事だし。朝早いし。寝不足だし。なんか今おなか痛いし。てかさ、彼氏とはどうなったの?まだ別れてないの?」
『いつか別れる。でもそれは今日ではない』
「いつかっていつやねん。。あのさぁ、彼氏いるのにおれにも依存してるって、どうかしてるよ。前も急に電話してきてさ。別に男だったら誰だっていいんでしょ?」
『「誰でもいいから電話しよ」の「誰でも」は君のことだよ』
「そんなこと言われたら、好きになっちゃうじゃん…」
『私のことが好きじゃないとかセンスないよね』
「いや、好きじゃないわけじゃないんだけどさ…」
『「好きだけど付き合えない。」ってなんなの?「アイスコーヒーをホットで!」って頼むの?』
「いや、話のすり替えエグいな…好きは好きだよ。でも、それと付き合うのは別なんだって。その理論なら、おれ何股もしないといけなくなっちゃうよ」
『好きとか遊びとか本気とか浮気とか駆け引きとか、もうどうでもいいから愛してくれ』
「ほら。結局、誰かに愛されたいだけじゃん。彼氏からの愛情がなくなったと思った瞬間、誰でもいいから男から愛されたいだけなんでしょ?」
『絶対これが運命の恋なんだってば!』
「うわ、すぐ運命ってコトバ使う…ほんと女って。。」
『「運命の恋」のはずなのに、どうして私の彼氏じゃないんだろう』
「もし、おれが好きになって両想いになっても、彼氏のことも忘れらんなくて、ヨリ戻して…最後はおれが傷つくに決まってるよ」
『1つの恋愛で必ず誰か傷つくならあなたのこと傷つけてもいいよね?』
「ちょちょちょ、もう情緒おかしいって。理論崩壊してるよ…仮に今の彼氏と別れても、絶対家に忘れ物とか取りに来て、鉢合わせして、修羅場になるんだよ、どうせ」
『元カノの部屋に忘れ物を取りに帰る男はクズ・オブ・クズ』
「いや、服とかもったいないじゃん。捨てられたら困るし…いろんな思い出も詰まってるし…」
『男はみんなバカ男 わたしの彼にかぎって… なんて例外はないよ。』
「男なんてみんな同じ生き物だよ。彼氏だって、おれだって。心のどこかでは元カノのことが忘れられないんだよ、引きずるんだよ」
『やっぱり彼氏のことが好きすぎて死ぬ』
「え?」
『何度も諦めようと思ったけど、やっぱり好きなんだ』
「そっか…」
『最初は一緒にいられるだけでよかったのにどんどん欲張りになって、 だめだ、好きがとまらない』
「うん…よかったじゃん、ちゃんと自分の気持ちに正直になれて」
「『大丈夫、君は可愛いから。君は絶対、幸せになれるから。』」
すみません、最後だけ、「僕」の気持ちも、『書名』です。
途中から何をしてるんだろうと思いつつも、男代表の気持ちを代弁したつもりです。「お前だけだろ」の批判は受け取りません。
男全員こんな感じです、多分。
こんなにもよくわかんない文章を通して、僕のことを好きになってくれる女性はご連絡ください。
「『僕の隣で勝手に幸せになってください』」
(きまった)
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