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嘘もホントも違わない、ルーニー・テューンズ・ショー



 はーい、テツガク肯定です。

 2011年のアニメ、ルーニー・テューンズ・ショー。
 シーズン1の6話、人生のピークはこれから、という話。
 それを観て私が思ったのは、嘘もホントも違わないってことです。



 話の簡単な内容は。

 ダフィーのもとに高校の同窓会の招待状が届き。
 それを捨てようとしたダフィーにバッグスは同窓会に連れてってと頼みます。
 高校に行けなかったバッグスにとっては憧れの同窓会。
 一方で、現在無職のダフィーにとっては行きたくない同窓会。

 ダフィーは言います。
 
 高校がピークだったってこと

 そういうダフィーを同窓会に出席させるため。
 バッグスはダフィーに嘘つきになればいい、と提言します。
 ……というより、もともとダフィーは嘘つきの天才です。

 さっきまで、同窓会にいくためには
 別人にならなきゃ、と思ってた、成功者にね

 でも、そうじゃない
 大丈夫、今の君でいいんだよ
 嘘つきなんだから

 バッグスにそう言われたダフィーは。

 つまり、同窓会に行って、みんなに嘘の成功話をしろってこと?
 そいつは酷いアイディアだ

 なーんて、今のは嘘
 それってナイスアイディアだ

 それとも今のが嘘か
 でも、嘘をつき過ぎて、わけわからなくなるかも
 いや、今のが嘘か

 よし、俺は嘘の支配者だ

 自信を取り戻したダフィーとバッグスは同窓会へ行きます。
 嘘の支配者のダフィーが最初についた嘘は。

 モデルと結婚し二人の子供を持った。
 ティーガンとキャシディー、二人ともモデル。

 そこからは嘘が冴えに冴えて。

 オリンピックで銅メダルを取って。
 凄く儲かる非営利団体の代表。
 昔はプロサーファー、今はモデル。

 ダラス・カウボーイズのクォーターバックでオーナー。
 ハリウッドスター、宇宙飛行士、バットマン、メキシコの大統領……。

 それで少し困ったことになりますが。
 今、同窓会でついた嘘よりも、昔の嘘が暴かれました。

 ダフィーは高校が人生のピークだと思っていましたが。
 それも自分自身についた嘘だと知ります。
 話的には、ここからが人生のピークだとなりますが。
 最後にバッグスの型破りの青春を振り返ります。

 それは、カウボーイであり、勲章をもらった兵士であり。
 アメフトの選手で、リムジンから降りる有名人で、宇宙飛行士。
 それから、短期間のメキシコ大統領。(ここまでが高校へ行けなかった、型破りの青春)
 そして、今はバットマン。

 そういう結末でした。



 それで、冒頭でも言いましたが、嘘もホントも違わない。

 この話でダフィーさんがついた嘘。
 それを昔、ホントにしたのがバッグスさん。

 ……その違いって?
 今、それを考えるとそんなものはないと思います。

 結果だけ見ればバッグスさんは凄いんですが。
 特別、ダフィーさんとの差は感じません。
 事実、他の話ではとんでもない出世をします。ダフィーさんも。

 強いて言えば。
 ダフィーさんは自身の凄さに気づいているようで気づいていない。
 バッグスさんは自身の凄さに気づいている。

 だけど、それが完璧。
 自分の凄さに気づいていないから。
 ダフィーさんは嘘の天才、自分自身すら騙し欺ける。
 嘘に支配されているようで、シッカリと嘘の支配者。

 嘘もホントも違いません。
 ダフィーさんもバッグスさんもどちらも野心家。
 ただ表面的にはバッグスさんの方がわかりやすいだけで。
 目に見えない奥の方では、ダフィーさんの方が大きな力を持っている。 

 凄過ぎて、それが嘘に思えるだけで。
 実はホントの話。
 ただ、それを認めるのがこわくて、おそろしいだけで。

 シーズン1の13話のシーンですが。
 ボウリング場のトイレにてダフィーさんはバッグスさんに言います。

 人はなぜか、オレよりお前(バッグスさん)が賢いって言う
 なぜか、オレより才能があって
 オレよりカッコいいって言うんだ……

 そんなこと全然ないのに

 全く以て、そのとおりです。
 素晴らしい、その台詞の全てが間違っていない。


 認めるのは恐いだろう?
 許すのは怖ろしいだろう?
 全ての力が暴かれ、それに相応しい結末を知る。
 もし結末を知りたくないのなら、欺瞞を与えよう。

 デイヴィ・ジョーンズ文法。

 恐怖ですね、自分の本当の姿を認めて許すのは。
 バスチアンさん同様に。

 人は誰かの欺瞞を信じますが、それは自分のものではありませんから。
 何れ剥がれていくものです。嘘のように。

 今は嘘にしか思えないITが。
 ホントの自分ってペニーワイズ。

 ホントのダフィーさんはバッグスさんよりも偉大で。
 ホントのバッグスさんはダフィーさんよりも平凡。
 かもしれない、だなんて最近は思っています。

 とにかく、嘘もホントも違わない。
 ただ、今はそれが嘘に思えるホントを信じていて。
 だけど、それが揺るがないホントでしかない。
 そういう信じ難い嘘のような未来が昔にある。

 今は見えない昔に。



 それでは、また次の機会にお会いしましょう。








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